ゴーストインザヘッド

元引きこもりのオタクが送るサブカル・エンタメ系ブログ。マンガ、ラノベ、ゲーム、ガジェットなどを中心に書いていきます。読んだ人をモヤモヤさせることが目標です。

声を失う手術をした○さん

声を失う手術をした○さん

741 :既にその名前は使われています:2010/04/13(火) 23:00:35 ID:J3ClYQWc
とある病院での夜中の出来事。
記録室で書き物をしていたら、ひょっこりと部屋を覗く気配がした。○さん。
「どうしたの?○さん」
声を失う手術をした○さん、困ったように立っている。
「家に電話?何かあった?書類なら今書いてるよ?」
小指を立てたあと、額に手を当てて頭をゆらゆらさせている。
小指・・・女・・・女房。・・・・気分悪い?
いま、○さんに奥さんが付き添ってる事を思い出した。
「奥さん、気分悪い?見に行った方がいい?」
○さんがうなずいた。急いで○さんのいる部屋に走る。

部屋が見えたとき、部屋から息子さんが出てきて「すいませんお袋が!」と叫んだ。
具合の悪そうな奥さんを、息子さんと2人で病棟に移し、
疲れによる貧血だろうということで、点滴をしてしばらく様子を見ることにした。

しばらくして様子が落ち着いたのを見て、
家に帰れるように、奥さんと息子さんに○さんの診断書を渡した。
同時に、○さんが奥さんの不調を教えてくれた事も。
なんだか奥さんは泣いていて、息子さんは泣きそうだった。
迎えに来た車を見送って、つぶやいた。
「さよなら、○さん」

 
 
 
 
 

解説は下
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解説

 端的に言えば、「○さんはもう死んでいて(=幽霊)、医者である語り手のところに妻の不調を知らせに来た」話。

 これを前提にすると色々合致する。

・声を失う手術をした→食道がん、咽喉がん、その他の何らかの重篤な病気
※手術自体が死因かは定かではないが、語り手が○さんの応対に慣れていることから、"声を失う手術"から命を落とすまでにそれなりに時間があったのではないか?

・○さんに奥さんが付き添ってる→遺体のそばにいる

・○さんがうなずいた。急いで○さんのいる部屋に走る。→頷いている方の○さんは幽霊。"○さんのいる部屋"は霊安室。

・家に帰れるように→霊安室にあるご遺体を家に運べるように

・○さんの診断書→死亡診断書

・奥さんは泣いていて、息子さんは泣きそうだった→死んでからもなお家族を案じていることに涙

・迎えに来た車→葬儀屋の車

・「さよなら、○さん」→○さんは亡くなりもう戻ってくることはないので「退院おめでとう」ではなく「さよなら」

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