ヒトコワ系の怪談とは
ヒトコワ(系)・人怖とは、「人が怖い」「本当に怖いのは人間」「人間が一番怖いと思った話」などを一言で表した略語で、ホラー・怪談の一大ジャンルとなっています。
本記事ではインターネットに投稿された怪談の中から、「ヒトコワ系」に絞った話を厳選してご紹介いたします。
ネットカフェ
ネットカフェってあるじゃん?
3日間連続で利用したことがあったんだけどさ、36時間以上は連続利用出来ないから1度追い出されるのね。
今までマッサージチェアとかリクライニングチェアとかしか使わなかったから、
寝るつもりもあってその時初めてフラット席にしたんだ。
場所選べたから1番端っこ壁際のフラット席にした。
ネットカフェ利用してる人はわかると思うけど、毛布で個室が見られないように遮るだろ?
俺も同じく毛布で遮ってたんだ。
といっても壁際だし対面の席は空いてるし、平日だったから店内はガラガラだった。
ネットカフェを数日の長期利用していたら妙な女に目をつけられ…
「ラッキーじゃん」「可愛かった?」みたいなレスが付いていましたが、実際同じ状況に陥ったら恐怖しか感じないと思います……
山にドライブ
友達と山にドライブに行ったとき、深夜でしかも霧がかってたので、
後続車もないしチンタラ走ってたんだ。
俺たちは頂上付近の展望台を目指していた。
すると、かなりのスピードで俺たちに接近してくる後続車。
後ろにいた友人が「ベンツや!スモーク張ってるしやばそう!!」と。
山道を友人らとドライブしてたら"いかにも"なベンツに煽られ……
典型的な893怖い談ですが、やっぱりゾッとします。
メシア
まだ宮崎の田舎に住んでた小学校三年の時、姉と2人で「マザー2」ってゲームにハマってたんだ。
俺ん家は「ゲームは土日に3時間だけ」って面倒な決まりがあって、普段スーファミのカセットは居間に封印してあるんだが、
このゲームだけはどうしても我慢できなかった。
幸い自分の部屋にはスーファミ本体とテレビがあったので、
夜中こっそり居間にカセットを取りに行っては姉とマザー2をやり込んだ。
んで実際にプレーするのは俺。
姉は隣りでお菓子食べながら見てて、俺が詰まると色々と知恵出してくれるアドバイザー。
俺より2つ年上だったんで凄い頼りになった。
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この話は相当怖いです……。
母親と幼い姉弟しかいない家に深夜の来訪者。パニックホラーの様相も呈する傑作。
ガチャガチャ
6年程前古くて小さなアパートで一人暮らしてた時の出来事
入居して半年ぐらいの頃かな?深夜にピンポン鳴って
その音で音が覚めたけど面倒臭かったし訪ねてくるような
知り合いもいなかったしどうせイタズラだろうと無視したその後も何度かあって頭に来たからドア越しにうるせーって怒鳴ったんだ
そしたらしばらく来なくなって安心してたんだけど
忘れた頃にまた来たんだよ
【※ややグロテスクな描写があります※】
イタズラなのかストーカーなのか、深夜にドアノブをガチャガチャされることに怒り心頭な投稿者。
そこで、ドアノブに瞬間接着剤を塗りたくるトラップを仕込みましたが……
一途な思い
僕の家の隣に女の子が越してきたのは小四の夏休みだった。
彼女の家庭にはお父さんがいなかった。
お母さんは僕の目から見てもとても若かったのを覚えている。
違うクラスになったけど僕と彼女は仲良くなった。
彼女はあまり明るいほうではなく、女子の友達も少なかった。
小4の頃から一途に彼女を想い続ける僕の心温まるハートフル・ストーリー(大嘘)
最後の段落をよ~く読んでみてください。
電話を貸してください
俺20代一人暮らし。隣は40代のおじさん一人暮らし。
俺が夜23時頃に帰宅したら、何やら女性が大声でがなっている(内容は聞きとれず)。
真面目そうなおっさんだけど、女と揉めるような事もあるのかぁっと気にしなかった。
しばらくすると女性の笑い声。
仲直りしたのか~それにしても声でかいな(苦笑)と、またもや気にせず。
隣室がなにやら揉めていると思ったら、出てきた女が「電話を貸してください」と訪ねてきて......
後述の『座敷女』をモチーフにした創作じゃないかと思いますがそれにしても怖いです。
地下の井戸
これを書いたら、昔の仲間なら俺が誰だか分かると思う。
ばれたら相当やばい。まだ生きてるって知られたら、また探しにかかるだろう。
でも俺が書かなきゃ、あの井戸の存在は闇に葬られたままだ。だから書こうと思う。
文章作るの下手だし、かなり長くなった。
しかも怪談じゃないから、興味の湧いた人だけ読んで欲しい。
裏社会というか、『闇金ウシジマくん』的なアンダーグラウンドな雰囲気の話。
明確な怪異が出てくるのですが、怪異はあくまでギミックにとどまり、語り手を取り巻く人物はあくまで人間なのでヒトコワにカテゴライズしました。
東京って怖い
この間東京に用事があって行ったんだよ。
片田舎からの上京なので朝一の高速バスに乗って、9時頃に新宿駅に着いて。で、その途中にトイレ休憩もあったんだけど眠くてずっと寝てたのよ。
そしたら、新宿駅に着いたころにはウンコ出たさがMAXになっちゃって、
ケツ閉めながらバス降りて新宿駅でトイレ探したんだけどなかなか見つからないのな、あそこ。
これは本当にゾッとする話です…。
新宿駅で便意に追われながらトイレを探し回る投稿者。やっとのことで見つけたトイレには既に並んでいる人がいて……
ヒッチハイク
今から7年ほど前の話になる。
俺は大学を卒業したが、就職も決まっていない有様だった。
生来、追い詰められないと動かないタイプで(テストも一夜漬け対タイプだ)
「まぁ何とかなるだろう」とお気楽に自分に言い聞かせ、バイトを続けていた。
そんなその年の真夏、悪友のカズヤ(仮名)と家でダラダラ話していると、なぜか「ヒッチハイクで日本を横断しよう」と言う話に飛び、その計画に熱中する事になった。
悪友と二人で日本縦断(文中では横断)ヒッチハイクの旅を始めた語り手ですが、とある場所で妙な家族の乗るキャンピングカーに乗ってしまい……?
色々な要素が詰まった話なので入れるか迷ったのですが、恐怖の本質はヒトコワジャンルだろうと感じたので入れています。
母親を名乗る人
もう何年も昔の話だけど、
友人(女性)が会社にいたら、アパートの管理人から電話がかかってきて、
『あなたのお母さんだと名乗る人が来て、部屋にあげてくれというんだけど本当?』と言ったそうだ。
友人実家は東京から飛行機の場所で、母親はいきなり来たり、もし来ても自分に連絡をよこさないわけがないから、
絶対に入れるなと管理人さんに言ったそう。
母親を名乗る人物が不在中の部屋に突然訪ねてきて……?
どこの誰がなんの目的でした行為なのかすべて不明なところが怖いです。執着の度合いがわからないので…
奇妙な女
高校時代バスケ部で、部活はいつも体育館でやってたんだけど、
火曜日はバレー部が全面使うため、体育館が使えなかった。
それでバスケ部は、火曜日は体力作りのために、
近所の公園までランニング→公園で筋トレ→学校までランニング
っていうメニューでやってた。で、ある日を境に、俺らが公園に着くといつも変な女がいるようになった。
バスケ部のメンバーとともに公園でトレーニングをしていると、毎週変な女に遭遇し……
派手さはあまりありませんが、実際にありそうなリアルさにゾッとさせられます。
危険な好奇心
小学生の頃、学校の裏山の奥地に俺達は秘密基地を造っていた。
秘密基地っつっても結構本格的で、複数の板を釘で打ち付けて雨風を防げる3畳ほどの広さの小屋。
放課後にそこでオヤツ食べたりエロ本読んだり、まるで俺達だけの家のように使っていた。
俺と慎と淳と犬2匹(野良)でそこを使っていた。
小5の夏休み、秘密基地に泊まって遊ぼうと言うことになった。
各自、親には「○○の家に泊まる」と嘘をつき、小遣いをかき集めてオヤツ、花火、ジュースを買った。
修学旅行よりワクワクしていた。
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ネット上のヒトコワ系作品で、個人的に最も怖いと思っている話です。
異常者・「中年女」と、腕力体力に劣る子どもたちとの対峙は心の底から恐怖心が湧いてきます。
座敷女
漫画ですがまさに「ヒトコワ」を表現した大傑作なのでここでご紹介。
1巻完結なので読みやすいです。ヒトコワ系の恐怖と魅力が凝縮されているので、未読の方は是非とも読んでみてください。
『ドラゴンヘッド』『鮫肌男と桃尻女』の望月峯太郎による作品です。
ヒトコワ系 まとめ
ヒトコワジャンルの難しい(?)ところは、奇人やサイコパスとはいえ相手は人間だと思っていたら、どう考えても死んでいるような場面から復活したり、とても追いつけないような距離を一瞬で移動したりといった人外の振る舞いをするパターンがままあることです。『13日の金曜日シリーズ』のジェイソン※みたいな感じです。
こうした人外化してしまう話も「ヒトコワ」に入れてよいものか悩みましたが……まあいっか!!と開き直って入れています。そこを突き詰めて選定するとそれ自体がネタバレになっちゃいますからね!
そうそう、あまりにもグロすぎて記事では紹介してないんですが『蟹風呂』って話も有名です。グロいのが大丈夫な人は検索してみてください。
というわけで「ヒトコワ系」の怪談ピックアップ記事でした。気に入った話はありましたでしょうか。
また機会があれば別のジャンル特集もまとめてみたいと思います。ではでは。
※余談ですが、ジェイソンは『13日の金曜日 PART6/ジェイソンは生きていた!』でゾンビとして蘇生されたためそれ以降は明確に人外です。ただ当初から常軌を逸したタフネスとパワーがありましたので元より「普通の人間」かというと疑問ですが…