マンデラ効果(マンデラ・エフェクト)
今回は近年、オカルト界隈でホット・ワードとなっている「マンデラ効果」について解説していきたいと思います。
虚偽記憶(False Memoly)
あなたはたとえば、こんな経験があるんじゃないでしょうか?
- 同窓会などで、昔の仲間と語る思い出話が噛み合わない
- ずっと前に潰れたと思っていたお店が、まだ営業していた(改装やリニューアルした様子もない)
- 昔に観た映画をもう一度見返したら記憶の中の話と違うところがあった
個人単位ではこのような「記憶違い」は珍しいことではありません。
実際には起っていない筈の出来事に関する記憶は「虚偽記憶」(False Memoly)といい、日英のWikipedia先生に記事があるくらいメジャーな概念です。
しかし、これが個人単位ではなく、数人、数十人、数百人単位が同じ「虚偽記憶」を共有していたら、どうでしょうか?
マンデラ効果とは
「マンデラ効果」をひとことで言えば要は記憶違いのことです。
もう少し詳しく言うなら、詳細を覚えているはずの過去の出来事や地理、作品の名前などが、実際のそれらとは異なっていること、またその乖離に違和感を覚えることです。そして、その記憶違いを複数の人が共有している現象を含みます。
さて、この現象の名の由来は、悪名高き人種隔離政策「アパルトヘイト」の撤廃に尽力し、93'にノーベル平和賞を受賞、94'に南アフリカ共和国大統領に就任した偉人ネルソン・マンデラです。
マンデラ氏は2013年12月5日にヨハネスブルグの自宅で息を引き取りましたが、その訃報が世界を駆け巡ると、決して少なくない数の人が違和感を覚えたというのです。
彼ら彼女ら曰く、「マンデラ氏は80年代に亡くなっていたはずだ」と。
この奇妙な現象に気付いた、作家であり超常現象研究家のフィオナ・ブルーム女史は、2009年にサイトを立ち上げ、検証をはじめました。
すると、マンデラ氏の件以外にも、映画「フォレスト・ガンプ」の台詞(「人生はチョコレートの箱だ」が「人生は箱の中のチョコレートだ」と微妙に異なっている)や、世界地図におけるスリランカの位置、七面鳥を握ったヘンリー8世の肖像画(実際は存在しない)などなど、事実と異なるはずの記憶を多くの不特定多数の人が共有していることが判明しました。
フィオナ女史はサイト上でこう述べています。
Visitors were astonished to learn about others’ memories with astonishingly similar details and points of reference by multiple, unconnected people.
(ざっくり意訳)
何人もの赤の他人同士が、同じ出来事について細部まで驚くほど似た記憶を持っていることを、(このサイトの)訪問者は驚きとともに知りました。
彼女はこの奇妙な現象を、きっかけとなったマンデラ氏にちなんで、「マンデラ効果」(マンデラ・エフェクト)と名付けました。
マンデラ現象の原因
フィオナ女史は、この現象を並行宇宙、つまり、パラレルワールドの記憶が流れ込んできたことで起こると考えました。
ΩΩΩ<な、なんだってー!!
端的にいうと「リーディング・シュタイナー」なんですが、あまりこの説は掘り下げたくないのでスルーしますね……。
むちゃくちゃな理論ですが、しかし、事実として「似たような虚偽記憶を人々が共有している現象」は起きています。それは間違いありません。
この現象の原因を、人の脳が記憶のあと付け、ないし捏造をすることで起こるのではという仮説もあります。
何らかの記事や画像、ネット上の書き込みなどに触れた人々の脳が、それらをきっかけに虚偽記憶を作り出すというのです。
なるほど、脳が要素を混同することで起こる、とされたほうがまだなんとなく納得できそうですよね。
が、こちらの説を提唱していた海外サイトも「だからインターネット・ミームとして広まっている記事や画像は、人々に偽の記憶を植え付けるための陰謀だ!」にまで発展していったので私はそこで調べるのをやめました(真顔)。
まとめ
一見トンデモ理論である「マンデラ効果」(マンデラ・エフェクト)ですが、身近な体験から「あるある」となるせいかジワジワと広まっており、あの「X-ファイル 2018」(の第4話「失われた記憶」)にも取り扱われています。
「X-ファイルに取り扱われたらオカルトとして一人前」みたいなところがあるので(筆者の主観です)、これはもうメジャーなオカルトネタと言っていいです(筆者の主観です)。
皆さんも周りの人と同じ記憶違いを起こしていることを知ったら「ははん。マンデラ効果、ね」としたり顔で呟きましょう。
それは枝葉のような並行宇宙にいるもうひとりのあなたからの、秘められたメッセージ……なのかもしれません。
参考:
https://en.wikipedia.org/wiki/False_memory