ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1
どうも、ギャルゲーブロガーのニルスです。
さっそくですが、今日(12/14)が何の日かご存知でしょうか?
そうです。赤穂四十七士が吉良上野介義央の邸宅へ討ち入りした日ですね。
というわけで! 今回はPSVITAのギャルゲー『ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1- V』をご紹介します(長いので以下「忠臣蔵46+1」)。
どんな作品なのかひとことで言うと、女体化忠臣蔵です。
どうでしょうか? 惹かれますか? 私は歴史モノが特に好きでもないので、全く魅力を覚えませんでした。
むしろ、はっきり言って第一印象は悪かったです。
某三国志の作品など、なんでも女体化すりゃあいいってモンじゃないでしょ……とゲンナリしていました。
そういうわけでリリースされた当初は、この作品をスルーしていたのです。
しかし。それから数年後、ギャルゲー専用機としてPSVITAを購入した私は、全年齢版として移植された名作を片っ端からプレイしていました。
そこで再びこの「忠臣蔵46+1」を目にしたのです。
よくよく調べてみると、プレイした人からの評価も高く、萌えゲーアワード2013「ニューブランド賞・金賞」という賞まで獲っているタイトルじゃないですか。
「これはスルーできない」と思った私は、遅ればせながらプレイし、そしてドハマりしたわけです。
完成されたストーリー
誰もが名前くらいは知っている「忠臣蔵」ですが、実は創作であったことをご存知でしょうか?
正確には、実際に起こった赤穂浪士による討ち入り事件「赤穂事件」をベースに、よりドラマチックに脚色した人形浄瑠璃・歌舞伎の脚本が『仮名手本忠臣蔵』です。
この『仮名手本忠臣蔵』がいわゆる「忠臣蔵」と呼ばれているんですね。
参考:
忠臣蔵 - Wikipedia
仮名手本忠臣蔵 - Wikipedia
今回ご紹介する「忠臣蔵46+1」も、その名の通り『仮名手本忠臣蔵』をストーリーのベースにしています。
しかし! 単に「忠臣蔵」に登場する人物を女体化しただけの作品ではありません! プレイしたら、その奥深さに度肝を抜かれることでしょう……!
なるべくネタバレ無しで解説しますが、一切余計な情報を入れずにやりたい! という方はこの時点でさあプレイ開始して下さい。
さて、主人公は高校生の男の子「深海 直刃(ふかみ すぐは)」君です。
直刃くんはかつて剣道が得意な少年でしたが、ある事件により竹刀を握るのをやめてしまいました。
そんな彼がひょんなことから、「忠臣蔵」の世界へとタイムリープ(タイムスリップではなくタイムリープです。詳しくはプレイしてみて下さい)してしまいます。
察しの良い方ならこう思うかもしれません。
「ははん? 竹刀を握るのをやめた才能ある少年が、江戸時代で剣士として無双するんだな? それでヒロインに惚れられてハーレムだな?」と。私もそう思いました。
残念でした! そんな異世界チーレムなろう系テンプレみたいな甘い物語ではありませんッ!!
むしろ直刃くん、順当に弱いです。
よく考えたら、文字通り真剣勝負で鎬を削ってきたプロの侍に、現代日本の剣道少年が勝てるわけがありません。それがたとえ女体化した赤穂浪士だったとしても、です。
私はこの時点で「おっ」と思いましたね。チート無双してめでたしめでたしみたいな話じゃないぞ、と。
さてそんな直刃くん、強制的に最初にプレイすることになるルート「假名手本忠臣蔵編」では、現代日本に戻る方法を探りながら赤穂浪士たちと知り合っていきます。
「忠臣蔵」の物語を知っていた彼は、知り合った大石内蔵助らに「江戸にいる領主・浅野内匠頭が、松の廊下で刃傷事件を起こす」と必死で説明します。
しかし当然ながら一笑に付され、誰にも信じて貰えません。
それでいて史実通り浅野さんが吉良上野介を切りつけちゃうからもう大変! 直刃くんは密偵扱いされ捕縛されてしまいます。
なんやかんやで座敷牢から出てきた彼は、赤穂浪士たちと協力し、吉良邸討ち入りへと向かうのでした……。
さあさあ彼らは見事、討ち入りを成功させられるのでしょうか?!
吉良を討ち取ったら直刃くんは日本に戻れるのでしょうか?!
もし彼が江戸時代で命を落としたらどうなってしまうのでしょうか……?!
その答えはすべて、プレイすれば分かります。
この辺はとんでもないネタバレになるので書けないんです。
強いて言うなら、「すべて繋がっている」。「タイムトラベルではなく、タイムリープ」。
プレイすればこの意味がわかることでしょう。
そしてシナリオの完成度の高さにきっと度肝を抜かれます。
魅力的なヒロイン
イラストは若干クセがあり、好みは分かれそうです。
しかし、容姿を補って余りある魅力が各ヒロインには溢れています。
「ご城代」と呼ばれている赤穂浪士のリーダー格、大石内蔵助は強さと母性を兼ね備えており……
「18人斬り」として有名な剣豪・堀部 安兵衛は剣の師として、背中を預けられるパートナーとして在り……
真面目だが幼さの残る内蔵助の子・松之丞(主税)は成長を見守り……
直刃が江戸時代へタイムリープしたことで最初に世話になる矢頭 右衛門七はある種の幼馴染ポジションで……
物語は基本的に一本道なので、すべてのルートをクリアすることになります。
しかし各ヒロインとも個性が際立ち、それぞれに魅力があるため、「飽き」が来ない新鮮な気持ちでプレイできるでしょう。
またその他にも、不破数右衛門や奥野 将監、間 新六など、個性溢れるキャラクターたちが物語を彩ります。
めちゃくちゃ登場人物が多いのですが、ハリー・ポッターシリーズの人物名を覚えられない私でも不思議と覚えることができました。
史実の流れを大きく逸脱することはあまりないので、「この人がどんなことをした人なのか」をざっくり覚えられ、歴史にちょっと詳しくなることもできるでしょう笑
熱いバトル
なんと言っても江戸時代です。剣戟バトルはやはり熱いです。
戦闘描写も変にクドくなく読みやすいので、サクサクと読み進めることができます。
それでいて単調にならない展開はめちゃくちゃ熱く、手に汗握る武士の闘いが存分に味わえる物語になっています。
バトルモノが好きな方にも大変おすすめです。
まとめ
まだまだ書き足りない気もしていますがとりあえずここでまとめます。
さてこの作品は「忠臣蔵」、そして赤穂事件という史実に基づいています。
忠臣蔵や赤穂事件で四十七士たちはどうなったか。
彼らは見事吉良上野介義央を討ち果たすも、その後は全員が切腹です。
討ち入りに失敗しても、成功しても、四十七士たちは死の運命にとらわれています。
「忠臣蔵」は、終わりの定められた物語なのです。
そう考えると非常に切なく、哀しい物語ではないでしょうか。
実際に「忠臣蔵46+1」のヒロインたちがどのような運命を辿るのか、史実通りなのか、それとも……。
それはぜひ、あなたの目で確かめてみて下さい。