ゴーストインザヘッド

元引きこもりのオタクが送るサブカル・エンタメ系ブログ。マンガ、ラノベ、ゲーム、ガジェットなどを中心に書いていきます。読んだ人をモヤモヤさせることが目標です。

【なろう】ホラー小説『名前のない怪物』が面白い(コミカライズ版も!)

小説『名前のない怪物』が面白い

個人的に激推しな、メッチャクチャ面白いホラー小説名前のない怪物』。

下記の記事でも少しだけご紹介していますが、今回改めて単一記事として、その魅力を徹底的に見ていきたいと思います!

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『名前のない怪物』のあらすじ・概要

まずはざっくりとこの作品『名前のない怪物』がどんな物語なのか、導入部をご紹介したいと思います。
 

 
主人公は遠坂黎真(とおさか・れいしん)。大学生です。通称レイくん



 
それはある夜のことです。
レポートとの格闘を終え、疲れた身体を横たえたレイくんの耳に、不意に「カサリ」という音が届きます。

その音に微睡みかけた意識が引き戻された彼は、音の正体を探るべく部屋の探索を始めます。


レイくんはマンションに一人暮らし。隣は空室。
つまり物音は、「彼以外の生き物」が発したもので間違いが無さそうです。

ゴキブリ? まさかネズミ?

探している間も物音は断続的にしています。


そして彼は遂に、物音がエアコンの噴出口からしていることに気が付きました。

深呼吸の後、彼が音の主を突き殺す勢いで一息に物差しを差し入れると、物音はパタリと止みます。


そっと物差しを引き抜くと、先端には白とも銀色ともつかない粘性の"何か"が付着していました。

なんだ、これは……と彼が首を捻ったその時、再びエアコンから「カサリ」という音が。


導かれるように彼が視線を向けると、そこには黒くて長い何かが覗いていました。

エアコンの噴出口から突き出された、三十センチはあろうかという脚――異様に大きな蜘蛛の脚が。
 


 
 
ひぃええええ......ってなりますよね(私はなりました)。

ならなかったとしたら私のせいです。上の文章は私が勝手に第一話を要約しているのでぜひ実際に第一話を読んでみてください。


https://ncode.syosetu.com/n8809bk/


 
で、駆除もうまく行かずかといって即引っ越すこともできず、エアコンの中にいると思われる謎の大蜘蛛となし崩し的に同居生活を送るレイくん。
 
起きたら部屋中が蜘蛛の巣だらけになってたり、
大学では顔色の悪さを親友に心配されたり、
生まれて初めての彼女である京子ちゃんと水族館デートに行ったり、
そしてデートの日の夜、僕が眠りに就こうとしたとき、「ある存在」が部屋に現れたり……
 
僕のキャンパスライフ、いったぜんたいどうなっちゃうの~~~!?!?
 
 
という感じです(説明が下手すぎる)。

いやその、さすがにもう少し詳しくは紹介できるんですけど、何を書いてもネタバレになってしまいそうで勿体なくて書けないんですよ。

まあ、取りあえず読んでみよう!!!!

以前紹介した『幻想再帰のアリュージョニスト』(尋常じゃないテキスト量)に比べたら本編完結までもコンパクトに纏まっているので、比較的サクっと読めると思います。

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なおジャンル的に、特に序盤はホラーで間違いないと思うのですが、「怪物」の正体が徐々に明らかになり、レイくんと「彼女」の関係性が深まっていってからはバトルものに近いものにシフトしていきます(特に本編完結後)。

私はどちらも大好物なのでむしろ一粒で二度美味しい! という感じなんですが、静かなホラーだけしか読みたくないッ! って方がもしいたらご注意(?)を。
 
 
 

『名前のない怪物』に出会った経緯

名前のない怪物』は日本最大のWEB小説サイト「小説家になろう」に掲載されている作品です。
 
私は『名前のない怪物』に出会うまで正直、「小説家になろうの作品って流行りの異世界転生モノしか無くて、いかに捻った転生モノを出すかってことしか考えてないんでしょ」なあんてひねくれた印象を持っていました。

実際総合ランキングを覗くと大部分が異世界転生モノでしたので、ある意味ではこの印象も間違ってはいないように思います。
 
 
異世界転生モノ自体は昔からある(魔神英雄伝ワタルなんかも完全に異世界転生モノですよね)し、ある意味王道です。
加えていわゆる俺TUEEEEE!!作品も別に嫌いではないというかむしろ好きです。

ただ「それしかない」となると流石に食傷気味に感じてしまいますよね。
というわけで「なろう」の作品は若干食わず嫌いだったのですが、ある日「ジャンル別ランキング」を覗いてみたんです。


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こんな記事↑を書いているくらいには怖い話や怪談が好きな私は、まず「ホラー」ジャンルのランキングを覗きました。




するとランキング上位にこんな紹介文が。

僕はその怪物に恐怖し、魅了され、そして捕らえられた――。

深夜。
部屋に響く物音で目を覚ました僕は恐ろしい〝脚〟に遭遇する。
以来、姿を見せずに部屋で存在だけを主張するそいつは、まるで包囲網でも敷くかのように日常を侵食し、遂に僕の目の前に姿を現した。
その正体は、あまりにも美しい、『名前のない怪物』だった。

必死な抵抗も虚しく、怪物の手に堕ちていく僕。
逃げることも逆らうことも叶わず、訝しむ恋人や友人から隠れ潜むかのように、僕と怪物の奇妙な生活が幕を開けた。

静かに、人としての感覚が死んでいく僕。
崩れていく日常。
その先に待つものを知った時、僕は大きな選択を迫られる。

恐怖と謎とエロスが融合した、サスペンスホラー。
絡み付く糸から、「僕」は逃げられるか?

 
 
おんもしろそーーーーーー!!!!!!!!!!!
 
 
ってなりましたね。

私自身も小説を書くから余計に実感するのですが、「要約が巧い書き手の作品は面白い」という傾向があると思います。
一定水準以上は量を書くよりむしろ削って纏める方が腕がいるんですよね。
 
 
この要約(紹介文)にビビッときた私は、早速『名前のない怪物』を読み始めた(そしてドハマりした)というわけです。
 
この作品に出会わなければ「アリュージョニスト」や「武士は食わねど高楊枝」といった傑作にも出会うことがなかったので、そういう意味では私にとって「なろう発小説でも、異世界転生以外でこんなに面白い作品があったのか!」と転機のひとつとなった思い入れの深い作品です。
 
 
 

書籍化→反響大!

2017年7月に「第五回ネット小説大賞」のメディア賞を受賞し出版に至った本作。

とはいえただでさえ本の売れない時代。ホラーというニッチなジャンルでどれだけ闘えるか……とファンとしては余計な心配をしてしまいそうですが……、

紀伊國屋書店新宿本店 文庫・週別ベストセラー1位(2018年3月1週)

紀伊國屋書店梅田本店 文庫・週別ベストセラー1位(2018年3月4週)

そして、「続編を希望する」と答えた人92%(読者アンケートより)

と、大きな反響を呼んでいます(嬉しい)

繰り返しになりますがジャンル的にもレーベル的にも明らかに不利なんですよ、それを覆して紀伊国屋の梅田本店で週間1位を獲るって凄いことなんですよ……!
 
 
そしてそして2018年9月には第2巻が発売。
無事に続編が刊行されたものの、「2巻が出て打ち切り」というパターンもよくあるのでまだ安心できないな……と思っていたら、

さらに後述するコミカライズ版も同時発売されました。このタイミングでコミカライズ版が出るということは、出版社側もこの作品を推す気マンマンといっても過言ではないと思います!『名前のない怪物』はますます躍進していくことでしょう!
 
 
 

コミカライズ(マンガ)版もあるよ!

書籍化に次ぎ、2018年9月、待望のコミカライズ版が出版されました!!

宝島社さんの意向で残念ながらKindleやKoboなどの電子書籍は販売がありませんが(この出版社は電子版を敢えて出さないのです)、Amazonや全国の書店などで入手できます。

コミカライズ担当は、『変則的変則系クアドラングル』の万丈梓先生。

表紙イラスト、挿絵、イメージイラスト等が今まで無かったため、登場人物の容姿や物語の場面は頭の中で想像して読んでいたんですが、この万丈梓先生によるコミカライズ版はすごいです、まさにイメージどおりでした。

普通小説のコミカライズとなると多少は「ん?」と違和感を覚えることも少なくないのですが、原作を読んでいる私としてもまったく引っかかりを感じませんでした。
 
 
あ~レイ君の幸薄そうな感じが出てるゥ~~~!!!

あ~~怪物ちゃんの黒ストセーラー黒髪ロング最高なんじゃ^~~~~!!!

あ~~~京子かわいいよ!!京子!!!!!!!

ああ~~~純也~~~~!!良いやつかよお前~~~~!!!!
 
 
と、ニヤニヤしながら読めます。

それどころか「ここまで書き込む!?」って細かい小ネタまでセリフ枠外などに入れられていて「あ~~~~このマンガ家さん、めちゃくちゃ読み込んでるな~~~~~!!!!」となぜかこっちまで嬉しくなりました(信者感)。

まだ1巻が出たばかりで、物語としては起承転結の「起」といったところです。
続きが今から楽しみです!
 
 
 

まとめ(と余談)

メディアミックスが続く小説『名前のない怪物』。

書籍化、コミカライズときたらまさかまさかのアニメ化も!?!? と全力で期待したいと思います。
監督はあおき えいさん、制作はUFOTABLEかシャフト、ルイ先生はCV.石田彰でお願いします(願望)。
 
 
なお今更ですが、スプラッターやゴア描写も結構あるのでグロ耐性が無い方には若干キツいかもしれません

しかしそれを補って余りある面白さなのでぜひ一度読んでみてほしいなあと大ファンとしては願うばかりです。
 
 
さて完全に余談ですがこの私、不肖ニルス、『名前のない怪物』及び別作品である『渡リ烏のオカルト日誌』をブログとTwitterで勝手に激推ししていたら、作者である黒木京也先生とコミカライズの万丈梓先生にフォローしてもらえました(めちゃくちゃ嬉しい)。

しかも当ブログの宣伝までして頂けて……(感涙)


こういう思わぬご縁があるところがTwitterの良いところですよね。
 
 
これからもTwitterを頑張りたいと思います!!!!(ブログを書け)
 
 
※アニメ「PSYCHO-PASS」のEDテーマも「名前のない怪物」なので、今検索するとこっちが上に来ます。しかしこの記事をがんばって上位に持っていって『名前のない怪物』の周知と売上に貢献したいと思います……!
https://itunes.apple.com/jp/album/%E5%90%8D%E5%89%8D%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%84%E6%80%AA%E7%89%A9/577677565?i=577677650&uo=4&at=1000lMBH