紙の本 VS 電子書籍 どっちが良い?
今回は「紙の本 VS 電子書籍」。をテーマに記事にしたいと思います。
今まで散々議論や意見交換が交わされてきたテーマで今更感が否めませんが、敢えて書きます!
近年、電子書籍の普及により、読書スタイルは大きく変化しています。私は元々紙本至上主義者とも言える紙の本絶対支持者でしたが、ちょっとしたきっかけから電子書籍も日常的に利用するようになりました。
その経緯を含め、双方の使用者の立場からそれぞれのメリット・デメリットを書いていきたいと思います。
「本を読むなら絶対紙の本」だった
私はかつて「電子書籍ぃ~? そんなの読書じゃない! 紙の質感や匂いを感じながら楽しんでこそ"読書体験"だろう!」と鼻息荒く、電子書籍完全否定派でした。
幼い頃からいわゆる「本の虫」的な生活をしていた私は、小学生時代から図書室や図書館、書店や古本屋に通い、小説やマンガを楽しんできました。小中高と本好き、読書好きは変わらないまま、大学も文学部に進学しました。
筋金入りの「本好き」だったわけです。
そんな私が大学を卒業し社会人一年目を迎えた2012年10月25日、Kindleが遂に日本に上陸します(Kindle自体は2007年に登場)。
internet.watch.impress.co.jp
当初の私の思いはこの項の冒頭に書いたとおりです。
はっきり言って、「こんなもの流行るわけがない」「紙の本とはぜんぜん違う」と思っていました。
馬鹿にされてしまうかもしれませんが、「紙の本の温かみ」を信じていましたし、それは今でも信じています。
電子書籍"も"読むようになったきっかけ
さてそれから数年、私は図書館・書店・古本屋という書物の入手先に加え、「ネット通販」を利用して新品・中古問わず本を購入するようになりました。
既存の入手手段と合わせればもはや入手できない本は無し、最強の布陣……と思っていました。
ある日、私はいつものようにとある本を購入しようとAmazonや楽天を探します。
しかし、どこにも在庫がありません。
紀伊国屋などの書店の通販や、近隣の本屋さん、古本屋などを巡りましたが、どこにもありません。見つかりません。
いえ……正確には見つけてはいました。しかしその文字を見ないように、気付かないフリをしていたのです。"Kindle版"の文字を。
そう、紙の本では在庫が無かった書籍が、Kindleならばアッサリ購入できる状況だったのです。
しかし電子書籍を毛嫌いしていた、と表現しても大げさではなかった私ですから、そう簡単には屈服しません。頑張って頑張って紙の本を探しました。しかし力及ばず、最終的に探し回る心が折れました。
そして、「は、はあん? ま、まあどんなモンなのか試してやろう」みたいな自分への言い訳を重ねながら、初めてKindle本を購入したのです。Kindleが日本に上陸してからちょうど5年ほど経った、2017年の冬のことでした。
紙の本と電子書籍(主にKindle)を比較して
生理的嫌悪感から避けていた電子書籍に、Kindle本に遂に触れた私ですが、いやあその快適さに驚きましたね……。
初めてKindle本に触れて以来、電子書籍は主にスマホのKindleアプリで利用しているんですが、個人的には「中古」で安く入手できないこと、紙の質感が味わえないこと以外のデメリットは感じません。
とはいえ「もっと具体的にどうなの?」という意見もあるかと思うので、よく言われがちなそれぞれのメリット・デメリットについて個別に見ていきたいと思います。
目の疲れやすさ
よく「目が疲れやすい」というのがデメリットに挙がりますが、ぶっちゃけガラケー時代からソシャゲやTwitterを12時間以上ぶっ続けでやったり、「小説家になろう」や(一部の人には懐かしいであろう)「モバスペBOOK」などでWEB小説も丸一日読んだりしていた私からすればいつも通り、通常運転の範疇に収まります。
ビューワのシステムもよく考えられており、ストレス無く使えます。文字は見やすく、サイズや背景色も変更できます。
気になる方はそれこそブルーライトゼロを謳う「Kindle PaperWhite」を使えば目の疲れもほとんど変わらないのではないでしょうか。
電子書籍は古本が無いから高い?
「電子書籍は中古が無いから高い」というイメージがある方もいるかもしれませんが、たとえばAmazonでよく売っている1円中古本、送料を入れるとだいたい250円くらいになることがほとんどです。
さて、Kindleを始めとした電子書籍販売プラットフォームでは、売れ筋商品や出版社単位などで、電子書籍の値引きキャンペーンをすることがよくあります。
元が500円の文庫本だとして、40%OFFなら300円、半額セールなら250円と、中古本を買うのとそう変わらない値段で購入できることも少なくありません。
また新品でも、電子書籍版の方が若干価格が割り引かれている場合も多いです。
狙って利用するのはなかなか難しいのも事実ですが、必ずしも電子書籍の方がお金がかかるわけではない、ということを覚えておいて頂くと得をするかもしれませんよ。
書き込みの可否
「書き込みができない」というのも電子書籍のデメリットとしてよく挙がります。
しかしKindleやKoboでは、特定箇所にしおりを挟んだり、マーカーを引いたり、メモをつけたりでき、書籍内の検索(漫画は基本的に不可)もできます。
「あの場面、あのフレーズってどこだっけな……」と探す用途には紙よりむしろ電子書籍の方が向いていると思います。小説やビジネス書であれば管理面を考えても電子書籍の方が適しているかも。
ただし、資格の教本や技術書といった、図や数式などを含めた自由な書き込みにはKindleやKoboは向きません。向きませんというかフリーハンドで図を書き込むのは無理です。
しかし出版社直営の電子書籍販売サイトならその問題すら解決するかもしれません。
というのも、電子書籍の多くは「epub(EPUB)」や「mobi」というファイル形式で配信されていますが、出版社直営の電子書籍販売サイトの場合、「DRMフリーのPDF」版が購入できることがあります。
代表的なところでいうと、マイナビBOOKSや、技術評論社、O'Reilly Japanあたりで取り扱っている電子書籍の多くがDRMフリーのPDF版を用意しています。
DRMフリーのPDFであれば、多種多様なPDFリーダーアプリで開くことができます(もちろんiBooksやKindleアプリでも開くことができます)。
たとえば「Tabby Awards 2013」 Personal Productivity部門 グランプリ大賞を受賞したノートアプリの定番・「MetaMoji Note」などなど、PDFに手書きやApplePencilで書き込めるソフト/アプリはたくさんあります。
MetaMoJi Note
MetaMoJi Corporation¥960posted withアプリーチ
重くてかさばる技術書や資格教本を端末に入れ、自由に持ち歩くことも可能になるわけです。
まとめ
電子書籍を利用するようになって1年半ほど、私が特に感じているメリットは下記のとおりです。
- 多数の書籍をスマホ1つで持ち歩ける
- 上に関連して、移動時などのスキマ時間でも手軽に読書が楽しめる
- 大量の本を購入しても置き場に困ることがない
- 通販や取り寄せと違い、買ってから読めるようになるまでの「待ち」が無い
- 持っている本や内容の検索性が高い
たぶんこの1年半で、無料本含め500冊くらい買ってます。
この量をうちの賃貸に買って帰ったら絶対嫁さんに怒られますからね。「好きな本を好きなだけ買って、売ったり捨てたりといった場所の心配をしないでいい」というのが一番強く感じているメリットです。
紙の本も未だに実家には4桁冊、賃貸には数百冊あるんですが、宅配買取サービスなどを利用して少しずつ減らしています。
完全に電子書籍が中心になってしまっています。
あれだけ電子書籍を毛嫌いしていたのに、いまや定額読み放題サービスの「Kindle Unlimited」まで利用するようになるとは数年前の私は夢にも思わなかったことでしょう。読書が好きだからこそ、それだけ大きなメリットを感じているのかもしれません。
……と、なんか煙草をやめた途端に喫煙者を攻撃するようになった嫌煙家みたいな内容になっちゃった気がするので最後に少しフォローをば……。
ほぼ電子書籍にシフトした私ですが、「これは紙で読みたい」という本に出会うこともあります。
「目が疲れない」とかそんなことじゃなく、やはり「この本は手にとって、装丁を眺めて、紙をめくって読みたい」という本です。
そんなときは迷わず電子書籍を買って、さらに紙の本も買います。これで最悪家が燃えてもデータとしては残っていますし、最悪Amazonが倒産しても紙の本は手元に残ります。これが冗長化です。
……という私の嗜好は置いといて、ちょっと乱暴な切り分け方ですが、
- 「中身だけ読めればいい」本は電子書籍
- 装丁などを含めて「手にとって楽しみたい」作品は紙の本
とすると良いかもしれません。
あと今思いついたんですが、「著者のサイン本」なんかは絶対紙じゃなきゃだめですよね。
紙と電子、どちらかにすべて統一するのではなく、それぞれの良さを活かしつつ、どちらも楽しんで活用していくのもいいんじゃないでしょうか!
というわけで今回はこの辺で。ではでは~