ゴーストインザヘッド

元引きこもりのオタクが送るサブカル・エンタメ系ブログ。マンガ、ラノベ、ゲーム、ガジェットなどを中心に書いていきます。読んだ人をモヤモヤさせることが目標です。

青春やり直しストーリー「変則系クアドラングル」が面白い


画像:https://comic-meteor.jp/hensokukei/ より

変則系クアドラングル

名前のない怪物』のコミカライズでも素晴らしい連載を続けている万丈梓先生のデビュー作、『変則系クアドラングル』を今更ながらご紹介します。

ジャンルはSFファンタジー×学園×ラブコメ。全5巻で完結済みです。
 

 
【こちらもオススメ】
obake.cc
 

『変則系クアドラングル』あらすじ

例によってまずはAmazonから概要を紹介します。

主人公の槙瑛二(まき えいじ)は、高校時代、優等生の千野言葉(ちの ことは)に想いを寄せていた。
だが瑛二が引き金となった「とある事件」に巻き込まれ、言葉は心に深い傷を負ってしまう。
後悔する瑛二の前に現れたのは、「青春をやり直させる」力を持ったミオと名乗る、謎の女の子。
彼女は、疑う瑛二を本当に過去へとタイムリープさせて――?

Amazon 内容紹介より

 
 
もう少しだけ詳しく補足します。
※この項以降、ストーリーの核心に迫るものはありませんが、序盤部分のネタバレがありますのでご注意ください。
 
 
主人公の瑛二は高校時代、喧嘩を売られてはすべて返り討ちにするという荒んだ生活を送っていました。
そんな不良生徒の自分を気にかけ、分け隔てなく接してくれた優等生の千野さんに、密かに想いを寄せながらも素直になれない瑛二。
 
いずれ瑛二が素直になれば二人の関係も変わっていくかも…とはならず、かつて瑛二にボコられた不良たちに、千野さんこそ瑛二の弱みだと気付かれてしまいます。
 
千野さんを人質に取られ、不良たちからの電話で慌てて駆けつけるも、瑛二が見たのはボロボロになって路上で倒れる千野さんの姿。
 
日頃から素行が悪く、事件の原因となった瑛二は停学・謹慎となり、復学してみれば千野さんは街を離れてしまっていました。
 
もしあの時、俺が君に恋なんてしなければ、きっと君は不幸にはならなかった
 
そんな想いを抱きながら日々を送っていた瑛二の前に突如現れたのが、「時間管理局」の役人を名乗る不思議な少女・ミオ
 
当然ながら訝しむ瑛二に、ミオは言葉を紡ぎます。
 

一度やり直しを始めたらもう『キミの知ってる今』の戻れる保証はない

 

『過去』だって意図したように変わる保証もない

 

『青春』を賭けて運命を変えてみる気はあるかい?

 
そして瑛二は『青春』をやり直すことに……。
 
 

面白さ!(特徴・魅力)

過去の事件を「なかったことに」して、「未来を変える」系の物語は、類型を挙げれば両手に収まりきらないほどあります。
上のあらすじを見て、もしかすると「ありがち」だな、と思った方もいるかもしれません。

しかしこの作品、ありがちなタイムリープものとはひと味違います
 
 
レビューにもありますが、いわゆる「やり直しタイムリープモノ」においてタイムリープするのは、基本的に過去や未来を変えたい主人公(およびサポートキャラ)です。
シュタゲで言えばオカリン、紫色のクオリアで言えばガク、All You Need Is Killで言えばケイジですね。

しかし本作「変則系クアドラングル」では、「『青春』のやり直し」をしている人物が複数登場します(この事実も序盤で明かされます)。
タイムリーパーが何人いるのか、それは誰なのかという点に注目すると、ミステリー的面白さも楽しめます。
 
またキャラクターたちの表情が活き活きとしていてとても魅力的に描かれているんですよ。特にヒロインたちの可愛さの破壊力はすごいです。必見です
 

「クアドラングル」ってどういう意味?

クアドラングル(Quadrangle)とは「四角形」という意味です。
トライアングル(triangle)の次(?)、4を表すQuadに多角形の-angleが組み合わさった形ですね。

タイトルを"変則系四角形"と訳してみたら、どんなテーマが込められているか見えてきそうですね。
 
三角関係を超えた「四角関係」、そこへ更に「変則」的な要素であるタイムリープが加わることで、先の読めない物語が生まれるわけです。
 
 

新しいのに、どこか懐かしい

この『変則系クアドラングル』、私だけかもしれませんが、ガンガン・スクエニ系作品の空気感を感じるんですよ。それも今の作品じゃなくて、『東京アンダーグラウンド』や『PON!とキマイラ』みたいな2000年代の。
キャラの設定や性格、台詞から、なんだか懐かしい雰囲気がするんです。

いや決して「古臭い」と言いたいわけではないんです。
絵柄も、物語からも古臭さのようなものは感じないどころか、前項に書いた通りかなり斬新な設定です。

しかしかつてのあの頃の作品に多々触れてきた身としては、懐かしさのようなものを覚えるんですよね。

万丈先生がそれを狙っているのか、もしかしたら全くそんなこと考えていないのかもしれませんが(その場合はなんだかごめんなさい……)、かつてのスクエニ・ガンガン系作品に触れてきた人ならばこの感覚、きっと分かってもらえるんじゃないかと思います。
 
 

変則系クアドラングル まとめ

というわけで『変則系クアドラングル』の記事でした。

全五巻で綺麗に纏まっているので、「なにか面白い漫画ないかな~?」と探している方には大変おすすめです。
ぜひぜひ読んでみて下さいね~!

そして『変則系クアドラングル』が面白かったら『名前のない怪物』も読みましょう~!