将来の夢。
やりがいを感じる仕事。
人生の目標。
あなたにはそういったものがあるでしょうか。
私には全くありません。
「やりがいを見つけなきゃ」「目標を探さなきゃ」っていうような強迫観念というか自己啓発本に書いてありそうなこと、だいっきらいなんですよ。
いや本当に全く何ひとつ無いかといえば無くはないんですけど、強いて言えば、
ある日サイコキネシスの能力が宿って好き放題暴れてたら火とか雷とか出すやつらと遭遇し自分以外にも「異能」を身に着けた存在がいることを知り戦闘になるも普通に負けあーここで死ぬんだなと思ったらそいつらはなんか世界を破壊しようとしてるやつと戦ってるって言って力を貸してほしいと言われそれって実質死ぬか協力するかの二択じゃね? 脅迫じゃね? って思いながらもしぶしぶ仲間になったけどそいつらも過去に色々あったのを抱えながら戦ってることを知って柄にも無くちょっとやる気になって一緒になんとか敵を破っていくんだけどある日敵の罠にかけられて仲間と分断されて待ち受けていたのはまさかのラスボスでやけくそで単身挑むも当然力及ばず主人公にヒントを残しつつ華々しく散ることです(これほぼ花京院だ)。
こんな世界は怖いと思いますか? でもこれを三十過ぎの私が本気で考えてるってことが一番怖くないですか?(暗黒微笑)
まあ流石に三十歳なのでそんなことはありえないって分かってますけども分かってるからこそ目標とか無いんですわ。
いい歳なんだからいい加減妄想を捨て現実を見てその中で「現実的」な目標を定めればいいですか?
そんなんクソ喰らえですね。そんな妥協に妥協を重ねた歪な「目標」を据えるのならば何も無い方がよっぽどマシです。
もしかすると妄想を形にするため云々……と言い出すタイプの人は先の妄想願望について創作物や仮想現実といった「現実的な」アプローチを提案してくるかもしれませんがわかるだろ? そうじゃないんだよ。
別に「現実的」な夢や目標を抱いている人を馬鹿にしているとかそういったことは全く無いですよ。そういったものを原動力にできる人は素直にすごいと思います。
そういったものを抱けないことについて自分自身は不幸だとは思わないし無なんですが集合的無意識によって半ば強制、とまではいかずとも奨励されているような現代社会はちょっと息苦しいなと思います。
まあ資本主義の世界はそういった現実的な目標を目指して邁進していく人たちによって発展していくのだろうし一応社会の一員として片隅でひっそり生きている以上仕方がないことなのかもね。
ただ少なくとも私は、そんな目標とかやりがいとかそういうの、別に無くてもいいんじゃね? と思いますし「無いといけないのかな」と思っている人がもしもいたのならばそんなことないよって言ってあげたいです。
私なぞが言ったところでだからどうしたって話ですが、自己肯定感が著しく低い私でもそんなもの無くてもいいってことは肯定したいですね。
別にそんなん無くたってそれなりにのんびり楽しく生きていけるし人間どうせ長くても8、90年もすれば死んじゃうんだから無理はしなくてもいいんじゃね? って思うんですよ。
本当に自分が好きで好きでたまらないことや成し遂げたいことが妄想の世界以外にある人はそれをすればいいし、そうじゃない人は別に無理して探さなくたって普通に生きていけるよって。
ちなみに妄想パターンだけは豊富にあります。
剣と魔法の異世界に突如召喚された私が目覚めるは深い森の中、背後の木陰から少女の悲鳴、わけもわからないぼうっとした頭を振りながら駆ける私、掻き分ける茂み、姿を表したのは二足歩行をする大きな蜥蜴のような化け物と、腰が抜けたのか化け物の目前でへたり込む少女、蜥蜴人間の鋭い爪が少女に迫ったそのとき、声を上げながら無我夢中で飛び出した私、それに気付き大きな口を開けて威嚇してくる蜥蜴人間、ナイフのような爪が私を引裂かんと眼前に迫ったその刹那、私の身体から雷光が迸りそれは光の槍となって化け物を貫いて数瞬後そこには焼け焦げた爬虫類の死骸だけが残って助けた少女からは感謝され彼女の町へと連れて行かれ時間をかけて世界の全容を掴んでいくとどうもテンプレ的な魔王的な存在のせいで魔物が溢れかえっており高い防壁に囲まれた町以外では人々は出歩くことも危険だというのでなんやかんやで旅立った私は度々ピンチになりながらもその雷の力で乗り切っていき遂には魔王的な存在の本拠地に行き着くも多勢に無勢でジリ貧になっていきあー仲間を作ればよかったでも作り方ってわかんないやははと走馬灯が見え始めた時かつて自分が倒してきた魔物に苦しめられていた町々のメンバーで構成された精鋭が援護に駆けつけてくれてああこれが情けは人の為ならずってことかななんて考えながらなんとか群勢を退けたとおもったら出ました大ボスでなんとそいつも雷の、黒い雷の力を使ってきて実質一騎打ちみたいになってああなんでこんなに頑張ってるんだろって思いながらも必死で戦ってなんとか倒したけどこっちもダメージが大きすぎて回復できないレベルであーここで死ぬのかーって思ってたら霞んできた視界の中で涙を流す精鋭たちの中に一番最初に出会ったあの少女がいることにようやく気付いてまあこれもいいかなって思いながら死にたい。