ゴーストインザヘッド

元引きこもりのオタクが送るサブカル・エンタメ系ブログ。マンガ、ラノベ、ゲーム、ガジェットなどを中心に書いていきます。読んだ人をモヤモヤさせることが目標です。

「ブラッディ・メアリー(Bloody Mary)」-海外都市伝説紹介シリーズ

海外の都市伝説

実は(?)このブログ、検索サイトからのアクセスで最も多いのが洒落怖や都市伝説、SCPといった「インターネット上の怪談」関連記事です(ちなみに二番目に多いのはギャルゲー)。

さて、「都市伝説」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

「ツチノコ」? 「口裂け女」? 「メリーさんの電話」?
性別や年齢によっても変わってくるかもしれませんね。

しかし、「都市伝説(urban legends)」は何も日本だけのものではありません。
恐ろしいものから奇妙なもの、笑ってしまうようなものまで、世界中に存在します。
 
 
そこで突然ですが! 日本ではあまり知られていない、海外の都市伝説を紹介するシリーズを始めたいと思います!\ワー!ドンドン/\パフパフ~!/

記念すべき(?)第一回は『ブラッディ・メアリー(Bloody Mary)』です。
 
 

ブラッディ・メアリー(Bloody Mary)

ブラッディ・メアリー(Bloody Mary)」は、未来を告げてくれるという幽霊(あるいは悪霊)の都市伝説です。
 
f:id:nils00:20181121131324j:plain
Bloody Mary folklore in popular culture - Wikipedia より
Reproduced in Bill Ellis, Lucifer Ascending: The Occult in Folklore and Popular Culture (University of Kentucky, 2004). ISBN 0-8131-2289-9
 
 
主に集団での儀式により、彼女はその名を繰り返し唱えられた時、鏡の中に現れると言われています。
その性質は善い霊のときも悪霊のときもあり、説話によってバリエーションがあります。
 
 

有名なパターン

ブラッディ・メアリーの説話のうち、最も有名なパターンのひとつをご紹介します。
 
 

ある若い女性が、将来の夫となる男性を知るために「ブラッディ・メアリー」の儀式を行った。
 
女性は儀式の手順に従って、明かりの消えた家の中、燭台と手鏡を持って階段を上った。
 
そして彼女が鏡を覗き込んだ時、映っていたのは未来の夫ではなく、彼女の頭蓋骨だった。
 
そう、彼女は結婚することなく命を落とす自分の未来を見てしまったのだ。
 
 

呼び出す儀式(方法)

前項の話は古い類型ですが、こんにちでも「ブラッディ・メアリー」は鏡を用いた儀式によって現れると言われています。

儀式は薄暗い部屋に蝋燭を立て、主に複数名が、鏡に向かって彼女の名を繰り返し唱えることによって行われます。その名は13回繰り返さなくてはなりません。

彼女は鏡の中に幽霊、死体、魔女といった姿で現れ、時に友好的に振る舞い、時には邪悪な本性を見せます。
叫んだり、呪ったり、魂を奪ったり、目を潰したりと、彼女の邪悪な行為の伝承は様々な類型があります。
 
 
また近年のパターンでは、赤ちゃんに対する異常な執着性が彼女の振る舞いに追加されています。
これは実在の人物「血まみれメアリー」ことメアリー1世 (イングランド女王)が不妊や流産に悩まされた事実から追加された属性と見られています。

元々関係がなかった2者(?)が、同じ呼び名であることから関連付けられたわけですね。伝承の変遷を見るようで非常に興味深いです。
 
 

都市伝説「ブラッディ・メアリー」 まとめ

日本で「ブラッディ・メアリー」というと前項のイングランド女王や、300人以上を処刑した女王を由来とするカクテル(ブラッディ・マリーとも)を思い浮かべる人がほとんどではないでしょうか?

しかし海外では有名な都市伝説で、「Urban Legend」シリーズや「Xファイル」シリーズなど多数の映画・ドラマに登場する他、「ユニバーサルスタジオフロリダ」のハロウィンイベントにも登場するなどかなり知名度のあるもののようです。
 
 
なお鏡に映った像が変化するという特徴を持つ「ブラッディ・メアリー」ですが、薄暗い部屋で長時間鏡を見つめることで脳の顔認識システムが異常をきたし、「奇妙な顔幻覚(strange-face illusion)」と呼ばれる状態を引き起こすことがこの都市伝説の原因ではないか、とイタリア・ウルビーノ大学の教授が指摘しています。
 
 
集団で「呼びかけ」を行う点、「数」が召喚儀式の内容に盛り込まれている点、時に残虐な振る舞いをする点など、日本の「トイレの花子さん」との類似点も見出だせる都市伝説です。
 
 
今後も面白い海外の都市伝説があればご紹介していきたいと思います。
ではでは。
 
 

  
 
参考:
https://en.wikipedia.org/wiki/Bloody_Mary_(folklore)
https://en.wikipedia.org/wiki/Bloody_Mary_folklore_in_popular_culture