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巣くうもの(5) スレ208で、井戸の底のミニハウスと女友達Bに住み着いてるモノの 実は学生時代の話はもう一つあり、それについて最近わかったことがあって Bの学生時代の元彼Eの話は前に書いた。 学生時代、Eから貰った指輪をBが仲間内で披露してたことがあった。 589: スレ208の128 2009/05/05(火) 22:24:52 ID:+2c9Ghac0 講義室に行くと、誰もいなくてAの鞄がぽんと椅子の上においてあった。 そしたら。 590: スレ208の128 2009/05/05(火) 22:25:56 ID:+2c9Ghac0 591: スレ208の128 2009/05/05(火) 22:27:08 ID:+2c9Ghac0 ただ、後で確認したら、やっぱり足の傷は自転車の金具で切ったんじゃなく Aの怪我もそれほど酷くはなく、A鞄の中にあった指輪は、AがBから 592: スレ208の128 2009/05/05(火) 22:28:16 ID:+2c9Ghac0 でも、今考えてみるとどうしても気になって、先日、改めてAに聞いてみた。 593: スレ208の128 2009/05/05(火) 22:29:01 ID:+2c9Ghac0 Aは、それ以外は何も言わなかった。 Bは何も悪くないんだろう。普通に彼氏から貰った指輪を喜んでただけで。 596: 本当にあった怖い名無し 2009/05/05(火) 22:50:59 ID:kWbV6F6o0 まして周囲にその呪いの被害が及んでいる状況で 604: 本当にあった怖い名無し 2009/05/05(火) 23:39:08 ID:lQhQKTSi0 606: 本当にあった怖い名無し 2009/05/05(火) 23:53:30 ID:mUV58s+70 607: 本当にあった怖い名無し 2009/05/06(水) 00:07:27 ID:QHITdRyq0 611: 本当にあった怖い名無し 2009/05/06(水) 00:44:11 ID:2lA3RQ9j0 614: 本当にあった怖い名無し 2009/05/06(水) 00:50:08 ID:a/7ewWuV0 615: 本当にあった怖い名無し 2009/05/06(水) 00:57:42 ID:2lA3RQ9j0 618: 本当にあった怖い名無し 2009/05/06(水) 01:07:19 ID:tH/LZFuD0
話を書いたものです。
まとめサイトに載せて貰った様なので、説明を省きます。
話がまとまったんで、投下させて下さい。
こっちは井戸の一件同様、俺の直接体験が入って来ます。
Eは俺らの遊び仲間じゃなかったんで、井戸の一件には絡んでない。
Bとは卒業直前あたりで就職のことで行き違って別れたと聞いてる。
ひょっとしたら今も、Bを出入りしてるものの存在は知らないかもしれない。
金銀組み合わせの指輪で、仲間内の女子の言では結構いいものらしかったが、
Aが凄い微妙な様子だった。
井戸の一件の後だったので、俺は後でこそっと「あの指輪なんかある?」と
Aに聞きました。
「……うん……まずいかも。でも、どうしよう。俺くん、お祓いできる人とか
知らないよね?」
俺はAの他に「みえるひと」の本物は1人も知らなかったので、そう言うと、
Aは閉口した様子で。
Aは、自分がみえるひとだが、経験則で危ないものを避けてきただけで、
霊能者などの知り合いはいないらしいです。
「……それに、Bも貸してくれないよね……お祓いとかするところに
B本人連れて行ったら、まずBのアレと揉めるかもしれないし……」
かと言って、指輪が霊的に危ないなどといったら、Bのことだから
それこそ面白がって肌身離さず持ち歩くのが、俺にも想像できた。
「……ま、Bはアレがいるから大丈夫なんじゃん?」
と俺は言ったが、Aは複雑な顔で「ん……ていうか……ちょっとね……」と
言い、それで会話は終わりました。
次の日、大学内でAが事故って怪我した。
捨ててあった何かのガラスでサックリ切ったとかで大学の保健管理センターへ
運ばれたAは、その時一緒に居た同じ科の奴に、自分の荷物は最寄の講義室に
置いといてくれ、後で取りに行くから、と言ったらしい。
で、事故の後にそいつと俺が出くわして話した。
財布とか貴重品はさすがに放置じゃまずくないか?と言うことになり、
俺が預かっといてやるってことにした。
見覚えはあったが、他の奴のだったらまずいし、失礼して中を開けて、
何か氏名の解るものを確認しようとした。
財布の入ったポケットの中に、一緒に、小さなビニール袋に入った指輪が見えた。
前日、Bが皆に見せまくってたのとそっくりのが。
え、何で?これBの指輪か?どうしてAが?と思ったが、
単に同じもの買ったのかもしれないし、まあひょっとしたら、Aが思い切って
無断拝借してお祓いに持ち込むつもりだったのかもしれないとも考え、
とにかく財布の中の免許証を確認して、鞄を持って
部屋を出ようとしたら、後ろから「にゃー」って声がした。
振り向いたら、窓枠のとこに灰色っぽい猫がいた。
にゃあ、ってもう一度鳴いた猫がひょいっと窓から外へ下りてから少しして、
気がついた。
……さっき居なかったよな?猫。それでここ、4階だよな?外に木の枝とかあったっけ?
慌てて鞄を置いて窓に駆け寄って見ると、窓の外には何もない。
木の枝が張り出してもいないし、建物の外側のどこにも猫はいないし、
勿論落ちて死んでたりもしない。
……4階位なら飛び降りて逃げられるモンなのか?と思いつつ戻ってAの鞄を手に持って、
仰天した。絶対さっきまでなかった派手な裂き傷が鞄についてた。
駄目押しにもう一度、足元で「にゃー」って声がするに至って、ようやく俺は、
Aがしきりに気にしてた例の指輪が俺の持ってる鞄の中にあるんだ、という事実に
気がついた。
「………」
ぞく、と背筋が寒くなったところへ、また「にゃー」さらにガリッて音が続いた。
見下ろすと、俺の靴ヒモが結び目のとこで何箇所か裂けてた。もちろん猫は居ない。
にゃー。にゃー。にゃー。
かなりの至近距離に聞こえるその声は、何だか段々と嫌な感じになってきてた。
冷や汗をかき始めた俺の周りをうろうろしてた鳴き声に、ぼそっと暗い感じの
人間の声が重なった。
『……なんか、死んじゃえ。死ねばいいのに』
エコーをかけたような変な声だった。
「……!」
硬直した俺は、咄嗟に大急ぎで携帯電話を出して、速攻で電話をかけた。
プルル、プルル、と呼び出し音が鳴る間も、足元で見えない猫が鳴いてた。
靴や鞄がカリカリ音を立てて、ちらっと見下ろすと床にも何だか、
傷が増えてきてるような気がした。
ガリッと衝撃があって足首に痛みが走ったのと同時くらいに、電話が繋がった。
『はーい、もしもしー?』
「Bか!?あのさ、俺だけど、えっとAのこと聞いた?」
有難いことに、Bは学内にいた。急いでAの怪我の件を説明し、
荷物を預かってくれと頼むと、Bは快諾した。
電話を切った俺は、Aの鞄を持ってダッシュしてBと待ち合わせた場所へ向かった。
エンドレスに足元から聞こえる猫の鳴き声に混ざって、ぽそ、ぽそ、と
『死んじゃえ』とか『死ねばいい』とか呟く女の声がし続けた。
建物を出たあたりで、しゅっ、と足の間を通り抜けるような感触がして、
足がもつれて思いっきりこけて、止めてあった自転車に突っ込んだ。
「うわー俺君!?大丈夫?」
待ち合わせしてた自販機の所から、大声で言いながらBが駆け寄ってきた。
「俺君、手!それに足も血が出てんじゃん!」
Bが騒ぎながら俺に手を貸してくれ、荷物を持ってくれて、気がついたら
猫の声も変な女の声もしなくなってた。
爪で引っかかれた傷でした。
借りたものでした。
同じようなのがどうしても欲しいから、お店で見せて「こう言うのが欲しい」と
言うのに見本にしたい、と言って借りたそうで。
ただ、俺が鞄をBに預けた話をすると、Aは「……あ、そう」と
言ったきりで、猫と女の声についても何も説明してくれなかった。
……今になって俺がこの話を思い出したのは、最近AがB宅を訪問したときの
件があったからでした。
Bの部屋の話、白い衣装と神社の一件の話を聞き、
「Bの中にいるものは、Bを守るだけで、悪霊退治をするわけではない。
周囲の人がとばっちりを受けても祟られても、Bが無事なら何もしてくれない」
と言うことを知って急に気になったのが、この一件だった。
俺はこの後、Bと指輪の話をしたことがある。
Bはその時、Aから返却されたその指輪をはめてた。
「Aが同じようなの欲しがってたけど、見つからなかったんだよね。あれ、Eが
親戚の子に選んで買ってきてもらったんだって」
で。
Eに指輪を選んでくれた、その女の子が、Eの在学中に亡くなってるんだ。
Eが葬儀に出たと言っていたのは、確か、この一件の少し後だった。
当時は、俺が女の声を聞いたときには生きてたわけだから無関係だと思ってた。
あの一件は、Bの手元に指輪が戻ってBには何も起こらなかった事で
片付いたつもりでいた。
Aは物凄く迷ってたが、やっぱり黙ってるのがしんどかったようで、
しつこく聞いたら最後には話してくれた。
クロだった。
「……その親戚の子、Eが好きだったんだと思うよ。どこで呪いの方法を
見つけたのか知らないけど、実際に猫を殺して本格的に呪いかけるくらい、
Bが憎かったんじゃないかな」
俺が聞いたのは、やっぱりその子の声らしかった。Eから指輪を貰う女に対して、
死んじゃえ、と呟いて猫を殺した時の声なんだろう、と俺は思った。
そしてAが心配してたのは、Bが呪われることじゃなかった。
Bの中にいるものの性質をかなり正確に把握してたAは、動物を殺して形を整えて
行われた呪いの、「返り」を気にしてたんだった。
「……私も俺君も大怪我じゃなかったでしょ?呪い自体には、人を殺すような力は
無かったんだと思う。だけど」
Bにはアレが居たから。
Bをターゲットに真っ直ぐ飛ばされたものを、アレが真っ直ぐ打ち返したときに、
「加速がついちゃった」んだと、思う……
多分、当時のAは、指輪をどこか霊能者のところへ持ち込んで、
呪いを外してもらおうと考えてたんだと思う。
正直、Aと話してから、少し気持ちの整理がつかなくて、混乱してる。
俺がBを呼んでAの鞄を渡さなかったら、Eの親戚の子は死ななかったんだろうか。
BにAの鞄を預けたと言ったとき、Aが取り戻そうとしなかったのは、
もう間に合わないと思ったのか、怪我して怖くなったのか、俺は解らない。
いずれにせよ、もう何年も前の話だ。
少し大雑把だけどイイ子で、同じものを探すのに貸してと言ったAに
快く指輪を貸し出してくれるような奴だったわけで。
でも、俺が悪いんだとも思いたくない。
Aも俺も巻き込まれただけじゃないか、って気持ちが消えない。
同時に、猫を殺して呪いをかけた女の子は確かにゾッとするけど、
相手がBでなかったら、死人は出なかった話だったんだと思わずに居られない。
Aが複雑な顔で「何もできないんだよね」って繰り返す気持ちが初めてまともに
解った気がした。
吐き出させてもらってすまない。
以上です。
うん、そうだよ
少なくともその親戚の子には呪うほどの殺意があったわけで
その殺意を返されても文句は言えない
とばっちりを受けた被害者が気に病むことじゃないよ
Bが散々な言われようでかわいそうだ
猫殺して呪いかけるような女じゃなく
悪いのはBって周囲から思われてるってのがな
後味悪すぎる
面白いと思って読んでるけど、
どうもAが好きになれないなー
Bの中にいるものが恐ろしいのは判ったけど
Bはどう考えても何も悪くないし。
Aは関わってしまっているんだから、なんかもっと対策は出来ないんだろうか…
Bの周囲で色々障害が出ているわけだし
その辺がコトリバコと違うな。
確かに、指輪だって別に何もしなくても同じ結果になったんじゃねーのと思う
主人公?がAの言うことだけを鵜呑みにしてるのが…
寝ているBを井戸に連れて行こうと主張したのもAだしさ
夜だし何か起こるかもしれんのに、
普通は寝ている人間をつれてかないよ
ちょっとAはおかしくないか
>>611
その後の出来事はおかしくないのかwww
>>614
だって霊感のあって行くの嫌がってたAがBを井戸につれてこうとするのは
どうしても腑に落ちんのよ
霊感なぞなくても、普通は夜道歩かせるのは危ないから
見張り役の男1人と一緒に車の中に置いてかね?
>>615
それしたら自分達が助からないじゃまいか
「巣食うもの」感想・解説
「巣食うもの」は、語り手の女友達Bに取り憑いた……巣食ったモノの周りで巻き起こる怪異譚です。
Bに取り憑いた異常に強力なナニカは、普通であれば遭遇したらまず助からないレベルの悪霊も一蹴。ホラーなのに謎の爽快感があるストーリーです。
巣食うものが結果的にBと周囲を"救うもの"になっているという言葉遊びが思い浮かびます。
最も、Bに巣食うナニカは決して善性のモノではないので、二次被害が出ることもあるのですが。
某有名な漫画作品も本作の影響を受けているように感じます。
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