ゴーストインザヘッド

元引きこもりのオタクが送るサブカル・エンタメ系ブログ。マンガ、ラノベ、ゲーム、ガジェットなどを中心に書いていきます。読んだ人をモヤモヤさせることが目標です。

今でも色褪せない!おすすめの名作ラノベ30選

おすすめの名作ラノベ

おすすめの名作ラノベ

 
ラノベを読んで育ってきた私が、満を持して(?)おすすめの名作ラノベをご紹介したいと思います。
 
いくつもある「ラノベおすすめ記事」となるべく取り上げる作品が被らないように、かつ面白い作品を厳選したつもりです! 概ね完結済みなので一気読みにもおすすめです。
 
 
やや古いものも多いですが、しかし内容は決して色褪せない名作です。隠れた名作なんかもあったり……?

また昨今、ブギーポップやグリッドマン、シティハンターなど過去の名作がリメイクされるケースも増えてきました。もしかしたらここでご紹介した作品もリメイクされるかも……!?

というわけでさっそくいってみましょう。
 

正統派ハイ・ファンタジー『リングテイル』/円山夢久

 

魔道師達が幻影を描き、怪異とよばれているひとつ目の獣が跋扈する国<九都市>。おてんばだががんばり屋の魔道師見習いマーニに、ある日突然幸運が舞い込む。
なんと<九都市>最高の魔道師フィンダルが、マーニを弟子にしたいと言うのだ。時あたかも<九都市>の命運を賭した戦いのさなか。マーニはフィンダルと共にいさんで王の軍に加わる。
だが、戦況は苦しく、<九都市>の王はついに伝説の騎士<勝ち戦の君>の召喚を決意する。王とともに赴いた隠された都で、マーニが目にしたものは…!?
 
第6回電撃ゲーム小説大賞 受賞作品紹介ページより

 
男勝りな魔道士見習いの少女・マーニーは、あるきっかけから憧れの大魔道師フィンダルの弟子になります。
フィンダルが懇意にする王国は隣国との戦争中で、マーニーは師に同行する形で戦へ赴くことになりますが……。

戦の結末は? 伝説の騎士<勝ち戦の君>の正体とは?

「第6回 電撃ゲーム小説大賞」(現在の「電撃小説大賞」の前身)にて、審査員満票で大賞を受賞した中世ハイ・ファンタジーの傑作です。
 
 

陰キャのゾンビ妄想が現実に?!『オブザデッド・マニアックス』/大樹連司

 

授業中、いつも妄想していた。もしも今、この学校をゾンビたちが襲ってくれたら―。恐怖の叫び声を上げ逃げ惑うクラスメイトたち、何もできずおろおろする先生…。ざまあ見ろ、最高だ!ゾンビ映画ばかり観て現実と向き合えない高校生・丈二。しかし、嫌々参加したクラスメイトとの夏の合宿で、本物のゾンビハザードが丈二とクラスメイトを襲う!ボンクラでオタクな僕が、みんなを救ってヒーローになる!?さらに学校一の美少女も思いのままに!?怨念じみた妄想が現実になったとき、待ち受けるのは天国か、それとも地獄か!?―。
 
Amazon 商品説明文より

 
陰キャのみなさんなら、「授業中に突然テロリストが乱入してきて……」とか、「学園祭をジャックして屋上ライブを……」とか、「突如蔓延したゾンビウイルスによって人類の大半が動く屍と化し……」とかいう妄想を繰り広げましたよね?(断定) 私はしょっちゅう繰り広げました。

この作品はそんな妄想(ゾンビのやつ)が現実になっちゃった?! という感じの話です。これでだいたい説明できました。
 
 
クソッタレな学校も社会も、全部ゾンビがぶっ壊してくれればいいのに。そんな鬱屈とした思いを抱えるキミに贈りたい大傑作。

この作品以外も、大樹連司作品は私のような陰キャラノベリーダーに超おすすめ。全作品おすすめ。
 
 

童話の悪役たちから力を得た異能バトル『憂鬱なヴィランズ』/カミツキレイニー

 

「それは憂鬱な結末が描かれた、決して読んではいけない残酷な絵本なんだよ」
『赤ずきん』の嘘つきオオカミ、『白雪姫』のいじわる王妃、『青髭』の殺人男爵、彼ら悪役たちは“絵本”を所有した人間に取り憑き、その醜い欲望を剥きだしにする―。
消えた親友、女子中学生の連続失踪と、高校生・笠木兼亮の周囲で相次ぐ異変。そして、登校中に発生したバスジャックの最中、彼は“絵本”を回収しているという蒼い目の少女・帯刀月夜と出会う…。
悪役に借り受けた異能力を使い罪を犯す者と、それを阻止する者たちとの壮絶な戦いの幕が上がる。
 
Amazon 商品説明文より

 
むちゃくちゃ面白い能力バトルもの。全5巻。

童話の悪役(ヴィランズ)に能力を借りた人間たちが、その異能を用いて自らの欲望を満たそうとします。

主人公とヒロインは、そんなやりたい放題する奴らを止めようとする側の人間で、双方のぶつかり合いは当然異能バトルへと発展します。
 
 
双方の能力は万能ではなく、何かしらの制限や欠点があるため、展開としてパワーインフレが起こりづらく頭を使った戦いになります。ジョジョでいうと3部より4部ってイメージ。

雨の降る闇夜のようなダークで陰鬱な雰囲気を持った作品です。
 
 

謎多き惑星を舞台にしたSF抒情詩『戦略拠点32098 楽園』/長谷 敏司

 

第6回スニーカー大賞金賞受賞 千年以上も星間戦争を続ける二大勢力。サイボーグ兵ヴァロアは、敵の超機密惑星「楽園」へ降下する。だが、そこにいたのは、敵方の兵士一人と少女マリアだけだった。期待のSFロマン
 
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泣けるSFラノベその一。

円環少女(サークリットガール)』(こちらもおすすめ!)を手がけた長谷 敏司のデビュー作。一巻完結。

著者は2015年に『My Humanity』で第35回SF大賞受賞、翌2016年からは同賞の選考委員を務める実力派です。

ボロボロ泣けるというよりは、切なさと温かさに思わずホロリと来るような、哀しくも優しい物語。
 
 

タイムリープものの大傑作『紫色のクオリア』/うえお久光

 

自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかり。
クラスでは天然系(?)少女としてマスコット的扱いを受けるゆかりだが、しかし彼女の周囲では、確かに奇妙な出来事が起こっている……ような?
 
Amazon 商品説明文より

 
泣けるSFラノベそのニ。

一時期は2ちゃんねるで「名作ラノベ教えろ」みたいなスレッドが立つと、必ずといっていいほど登場していました。
 
 
タイムリープものの傑作ラノベとしても、高畑 京一郎の『タイム・リープ あしたはきのう』などとともによく名前が挙がります。

感動で泣くというよりは、想いの熱に感化されて思わず涙が溢れるような感じです。

まどかマギカやシュタインズゲートが好きな方は必読です。
 
 

ロボットものの感動作『雨の日のアイリス』/松山 剛

 

ここにロボットの残骸がある。『彼女』 の名は、アイリス。正式登録名称:アイリス・レイン・アンヴレラ。ロボット研究者・アンヴレラ博士の元にいた家政婦ロボットであった。
主人から家族同然に愛され、不自由なく暮らしていたはずの彼女が、何故このような姿になってしまったのか。これは彼女の精神回路(マインド・サーキット)から取り出したデータを再構築した情報 ── 彼女が見、聴き、感じたことの……そして願っていたことの、全てである。
第17回電撃小説大賞4次選考作。心に響く機械仕掛けの物語を、あなたに。
 
Amazon 商品説明文より

 
泣けるSFラノベその三。
一巻完結で、根強いファンの多い珠玉の名作です。

「破壊と再生」がテーマであると作者自身が述べていますが、私はこの作品のテーマに「(ロボットから見た)生命」というものを見出しました。

ラストは「もうズルいよこんなん……」とボロボロ泣けます。

(展開や設定は全く異なりますが)『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』あたりが好きな方はきっとハマるはず。
 
 

少年時代のノスタルジーが蘇る『クレイジーカンガルーの夏』/誼 阿古

クレイジーカンガルーの夏 (GA文庫)

クレイジーカンガルーの夏 (GA文庫)

  • 作者:誼 阿古
  • ソフトバンククリエイティブ
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あの少年の夏の日が、鮮やかに蘇る
大人と子供の間でさまよう中学時代。
精一杯の毎日と、いつも一緒にいる友人達。
今そこにしかない、だからこそ輝き続ける中学校の夏休み。
ノスタルジックで胸にしみいる、“帰らない日々”の物語です。
 
Amazon 商品説明文より

 
舞台は1979年の兵庫県。1979年といえばファーストガンダムがリアルタイムで放映された年です。

これは四人の中学生たちが、子供であることの閉塞感と将来への漠然とした不安感を抱えながら、一度しか来ない夏を過ごしていく物語。

使い古されて陳腐な形容ですが、あえて「和製スタンド・バイ・ミー」と表現したい胸を打つ一作。特に大人の方におすすめしたい作品です。
 
 

非リア充系青春ラノベのバイブル『AURA~魔竜院光牙最後の闘い~』/田中ロミオ

 

ウェルカム、妄想戦士!?
 
妄想はやめた。無事に高校デビューした、はずだったのに。夜の学校で出会った青いローブをまとった美少女、不登校だったそのクラスメイトとの出会いが、俺の日常を粉砕していく……。
 
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山田一名義で、『家族計画』や『CROSS†CHANNEL』といった名作ADVを手がけた田中ロミオによる作品。一巻完結。

出版は2008年。近年の学園モノ作品に見られるスクールカーストを取り扱った作品のはしり的な位置づけだと感じており、大ヒット作『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』や『中二病でも恋がしたい!』(ともに2011年)への礎を築いたものだと思います。

スクールカーストとか厨二病(邪気眼)とか、決別したい過去のイタい自分とかルサンチマンとか、そんなものをまとめてぶっ飛ばすような怒涛の展開は流石の一言。

まさかの映画化におじさん驚きました。
 
 

クソッタレな世界をねじ伏せろ。『脱兎リベンジ』/秀章

 

「宇宙人」と揶揄され、友達もいない内気な高校生・兎田晃吉。軽音楽部に所属する彼の唯一の趣味はギター。文化祭を控えるも、彼にはバンドを組む仲間もなく、イケメン部長・志鷹の嫌がらせで練習場所もない。そんな兎田と偶然出会い、事情と実力を知った漫研の部長・兎毛成結奈は、彼にリベンジを遂げさせるため、なにやら妙な友達を集め始めるのだが…。軽音部の笑われ者と、漫研の実力者、ふたりの残念な出会いが新しい才能を開花させる。クソッタレな世界をねじ伏せろ。第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞受賞作。
 
Amazon 商品説明文より

 
脳汁噴出系青春ラノベ。

基本的に青春モノを面白いと感じるメソッドって「ああこんなことあったな、こんな恋愛したな」っていう懐かしさからくる郷愁・共感か、「こんな青春したかった、こんな恋愛をしたかったなあ」っていう憧れおよび、作品に触れることで自分ができなかった青春を送れているような代替性にあると思うんですよ。

本作はそこから言えば圧倒的に後者です。
 
 
ギター一本でクソッタレな世界をねじ伏せる圧倒的カタルシスを、ぜひ体感して下さい。
 
 

これぞ元祖「艦娘」?『バトルシップガール』/橋本紡

バトルシップガール (電撃文庫 は 2-3)

バトルシップガール (電撃文庫 は 2-3)

  • 作者:橋本 紡
  • アスキー・メディアワークス
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銀河連邦軍の最新鋭艦ナツミは、慣熟航行の途中、見習いを含めた乗員2500人を乗せたまま、数千光年離れた銀河の果てまで飛ばされた。そこは連邦と対立するクォート帝国のド真ん中。さらに人格付与艦であるナツミは、あろうことか自身を普通の人間と認識ミスしてしまい、偶然船に乗り合わせた高校生・祐太郎に恋してしまう。祐太郎の言うことしか聞かないナツミに困り果てた乗員たちは、緊急措置として祐太郎を臨時艦長に任命するが…。迫り来るクォート軍に祐太郎の下した最後の決断とは!?
第4回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞者、橋本紡が贈るSFラブ・コメディ。
 
Amazon 商品説明文より

 
全6巻+番外編1巻。
著者の作品はアニメ化、実写ドラマ化までした『半分の月がのぼる空』が有名ですが、個人的にこの『バトルシップガール』を推したいです。

AI人格を付与された宇宙船「ナツミ」は、主人公の高校生・祐太郎に恋をしてしまい……? ドタバタSFコメディながら恋愛要素、シリアス要素が上手く絡み合い、「ライトノベル」としての楽しみを体現したような作品です。ナデシコとか好きなら絶対ハマると思います。
 
 

「出来るかどうかじゃねぇ……やるんだよッッ!!」『ラグナロク』/安井健太郎

 

たぐいまれなる能力をもちながら、傭兵ギルドをぬけた変わり者、リロイ・シュヴァルツァー。そして彼の信頼すべき相棒である、喋る剣、ラグナロク。二人の行くところ、奇怪な武器をあやつる暗殺者から、けた違いの力をふるうモンスターまで、ありとあらゆる敵が襲いかかる。かつてないパワー、スピード、テクニックで、格闘ファンタジーに新たな地平を切りひらくミラクル・ノベル誕生。第3回スニーカー大賞受賞作。
 
Amazon 商品説明文より

 
文章の大半が戦闘描写なんじゃないかというくらい怒涛の戦闘ラッシュ。
迫りくる難敵を次々に倒していく主人公のリロイとラグナロクの様は、まさに「疾走感」という形容が相応しいです。

リアル中二時代の私は二人(一人と一本)のカッコ良さにシビれたものです……。
 
 
無印全11巻、続編(ブクマで指摘頂きました、ありがとうございます。気付かず書いてましたが続編ではなく番外編です)のEX全9巻に加え、2017年からは無印版のリブート作品として『ラグナロク:Re』を小説家になろうにて連載中。単行本は出版社が変わりオーバラップ文庫にて刊行されています。
 
 

クラスのアイドルの秘密は「殺しのレシピ」!?『月光』/間宮 夏生

 

退屈な日常から抜け出したいヒネクレ男子・野々宮。
ある日、彼は美人で成績優秀、さらにゴシップが絶えないクラスのアイドル・月森葉子のノートを拾う。そのノートからはみ出す紙切れにアイドルとは程遠い言葉── 『殺しのレシピ』 という見出しを見つけ……その日を境に月森との仲が一気に狭まっていく。
シニカリストとキュートな悪女、そんな二人の不思議で奇妙な関係とは……!?
 
Amazon 商品説明文より

 
性悪系美少女の月森さんと皮肉屋な野々宮くん、二人の高校生が織り成す物語。

これは学園ミステリなのか、はたまたラブコメなのか、皮肉と洒落の利いた二人のやり取りはたまりません。

キャラクターが非常に立っていて、特にヒロインの月森さんの魅力が素晴らしいです。古典部シリーズなど軽めのミステリ作品を好む方には特におすすめ。
 
 
余談ですが、同作者の別作品にはこの「月光」の二人がチョイ役で登場するんですよ。"複数作品で同じ世界観を共有してそれぞれの登場人物をカメオ出演させる作者の作品はだいたい名作"の法則(私が提唱)に従えば本作は間違いなく名作です。
 
 

少年と少女と正しさを巡る物語『サクラダリセット』/河野 裕

 

「リセット」という一言で、世界は、三日分死ぬ――
能力者が集う街、咲良田(さくらだ)に生きる時間を巻き戻す少女・美空と、記憶を保持する少年・ケイ。繰り返す日常は、若者たちに何をもたらすのか!?
 
Amazon 商品説明文より

 
舞台は当たり前のように異能を持つものが暮らしている町・咲良田(さくらだ)。

完全記憶能力を持つ主人公のケイくんと、世界を三日巻き戻す能力を持つ少女・美空。二人の能力を合わせれば、過去を改変し、現在を変えることができます。

が、バタフライ・エフェクトのごとく、過去改変の影響は思わぬところに歪みを生み……。
 
 
個人的激推しのシリーズ「いなくなれ、群青」と同じ作者による本シリーズ(全七巻)。

ここまで失速することなく、過不足なく、そして美しく終わったラノベを私は知りません。

少々クセのある文体ですが、慣れればさらさらと読めます。「いかにもラノベ」という内容が苦手な方にもおすすめです。
 
 

秘密の右手を持つ少年と世間知らずな魔法少女『RIGHT×LIGHT』/ツカサ

 

全寮制の学校に転校してきた中学三年生の啓介。彼は右手でコインを消す不思議な手品が得意で、クラスでも一目置かれていた。しかし実は、握ったものを本当に消してしまう魔力を宿していたのだった…!
 
Amazon 商品説明文より

 
個人的にめちゃくちゃ好きだった作品。
ちょうど高校三年生の受験生時代に刊行された作品で、勉強もせずに読み耽っていたのを覚えています。
 
 
右手に握ったものを消失させる異能を持つ主人公は、肉体を奪われた魔法少女アリッサに無理やり憑依され、巻き込まれ型主人公として戦いやらなんやらに駆り出されることとなります。

笑いあり、バトルあり、恋愛あり、シリアスありで、「これぞライトノベル」というお手本のような作品で安心して読めます。
 
 
見どころとしてはね、魔術の"詠唱"が堪らないんですよ!

喰らうは心
界の狭間、星を阻む牙の門
空を閉ざす天の牢
――飢え、猛り、狂うのは、満たされることなき、魔なる狼――
鋭き牙は、世界を抉れ
底なき口に、全て飲み干せ 貪れ魔狼ディバウアー

かっこいいいいい!!!!!!!!!
 
 

ゆるふわ日常ものです(大嘘)『も女会の不適切な日常』/海冬 レイジ

 

部活名:「もっと学園生活を豊かにする善男善女の会 部」 目的:青春を謳歌すること!
メンバー:
(1)ちだね先輩。僕の愛しの青春☆ヴァカ
(2)繭。化学実験厨で先輩の寵愛を独占。僕嫉妬
(3)ユーリ。僕の従妹で義妹。暴力女
(4)雛子。エア参加。ガチ百合
(5)僕、花輪廻。女子扱いされるけどお願いヤメテ。
そんなも女会はモテないし無軌道だけど、それなりに平穏だと思ってた。あの少女に出会うまで、僕らの日常が本当は不適切だったなんて、知らなかったから--。
 
Amazon 商品説明文より

 
タイトルから「喪女会」のことかと思ったら「もっと学園生活を豊かにする善男善女の会」の略でした。

そんな彼女ら彼らが青春を謳歌する日常系ゆるギャグ……ではありません。いや序盤から中盤にかけてはそんな感じの雰囲気はあるんですよ?

でも後半に全部めっちゃくちゃにぶっ壊されます。
 
 
いったい何を読まされているんだ……」という怒涛の超展開を味わいたい方はぜひ。

イラストが「インスタントバレット」や「かぐや様は告らせたい」の赤坂アカ先生なところもポイントです!
 
 

荒唐無稽なハイスクールパンク!『アスラクライン』/三雲岳斗

 

夏目智春は、幼なじみの幽霊少女に憑かれている平凡な(!?)15歳。
高校入学の前日、黒服の美女からトランクを手渡される。その中には、謎の兵器 “機巧魔神” が入っていて……。“機巧魔神(アスラ・マキーナ)” を使って世界を救うために悪魔を滅ぼせ、と命令されて大弱りの智春。しかも、その兵器を狙って自称・悪魔の巫女と、生徒会長が戦いを仕掛けてきて大ピンチに!?
 
Amazon 商品説明文より

 
第一巻は2005年刊行、全十四巻で完結済みです。
2009年には春・秋2クール分(全26話)でアニメ化もされた名作。

「ハイスクールパンク」を称する本作。主人公には幼馴染が幽霊となって取り憑いており……ってこの設定だけでもなかなかですが、高校入学の前日に謎の美女から超兵器を手渡されたせいで巨乳悪魔に襲撃されたりヤクザに襲撃されたり生徒会長に戦いを挑まれたりするけど機巧魔神(アスラマキーナ)とかいう魔神を操って戦ったり……と設定のラーメン二郎かな? という感じなのにちゃんと面白いんだなこれが。

著者の筆力は本物で、1999年には『M.G.H.』で第1回日本SF新人賞受賞、2005年には短編「二つの鍵」は日本推理作家協会賞短編部門の候補作となるなど、ライトノベル以外のジャンルでも高い評価を受けています。
 
 
余談ですが、恥ずかしながら私、タイトルをど忘れしてしまってたんですよ。

キーワード検索や期間指定検索をしてもいっこうに思い出せず、藁にもすがる思いでTwitterに助けを求めたら、

https://twitter.com/ScamCoiner_blog/status/1092419312571232256

秒で答えが帰ってきました。Twitterってスゴイ、改めてそう思った。

タイトルを思い出せばあれよあれよという間に中身もより詳しく芋づる式に思い出せました。技術に感謝。インターネットに感謝。
 
 

私が死んだら、お兄ちゃんはきっと泣くと思います―『LAST KISS』/佐藤ケイ

 

「私が死んだら、お兄ちゃんはきっと泣くと思います――」
重い病気を患っている中学ニ年生の井崎由香。夏休みに一時退院した彼女は、これまでほとんど接触のなかった兄の智弘と、“かんネェ”こと夏尾とともに過ごした夏の想い出を日記帳に綴る。
兄に帽子を買ってもらったこと、神戸の高山植物園に行ったこと、お弁当を持って須磨海岸に海水浴に行ったこと……。
だが、何気ない日々の中で少しずつ兄への気持ちは形を変えていく。揺れ動く淡い恋心を知るべくもない智弘。そして由香の気持ちを知ってしまった夏尾。結末は悲しい出来事とともに訪れた……。
 
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基本的に主人公の一人称視点・モノローグ形式で進む物語で、関西弁で書かれているため語りかけられているような没入感が味わえます。

内容は、"だいたい関西弁の「加奈~いもうと~」だよ"って言えば分かる人には分かると思います。

もう話の造りからして完全に泣かせに来てるのが分かっちゃう。でも悔しい! 泣いちゃう! グスングスン
 
 

読もう。『ウィザーズ・ブレイン』/三枝零一

 

大気制御プラントの暴走と戦争により、人類は滅亡の危機に瀕していた。
存在の『情報』を書き換えることで、物理法則すら操る《魔法士》の少年、天樹錬は、世界にただ七つ残された閉鎖型都市《シティ》のひとつ、神戸シティに輸送される実験サンプルの奪取の依頼を受けるが、同じく魔法士の《騎士》黒沢祐一に阻まれ、フィアという少女だけを連れ帰る。
それぞれに守りたい人々のため、ぶつかり合う錬と祐一。しかしフィアには、《シティ》に関する、重大な秘密が隠されていた……。
 
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通称(?)ウィザブレ。もうこれはね……読んで(懇願)。

膨大な設定と専門用語があるので時間を空けちゃうと(なんだっけか……)となりがちですが、通して読めば大丈夫です。今から読む人は(既刊までは)次巻が出るまで非常に永き時を待つ必要がないので逆に恵まれてます。羨ましい。

二次創作もかなりあってコアなファンが多い作品です。
 
 

硝煙香る銃と獣のファンタジー『ガンズ・ハート』/鷹見一幸

 

街の不良のリーダーだったケリンがひょんなことから百人隊長に!だが、勇んで赴いた先は、辺境にくすぶる、それも荒くれ揃いで悪名高い部隊だった……。持ち前のバイタリティで、ケリンは部隊の改革に大奮闘。そんな矢先、突如猛獣が大量発生し、近隣の村を襲い始める。それはかつてない災厄への予兆であった──。鷹見一幸の銃と硝煙の戦記、登場!
 
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ある惑星を舞台としたファンタジーですが、「剣と魔法」ではなく「銃と獣」の世界。
実は「キノの旅」と間違えて買ったのが出会いだったんですが、いまではその取り違えに感謝しています。

多数vs多数による戦略バトルものです。下級士族の少年が銃士隊の隊長に任命され、持ち前の負けん気と優秀な参謀役の知恵によって苦境を覆すカタルシスがたまりません。

私が「電撃戦」という言葉を知ったのもこの作品からでした。
 
 

「大賞」の貫禄。圧巻の筆致。『12月のベロニカ』/貴子潤一郎

 

幼なじみの少女と交わした小さな約束。それを果たすために私は生きてきた。『ベロニカ』――女神ファウゼルに仕える巫女の事だ――になるため、彼女は14歳の時に都会に連れて行かれてしまった。私は“ベロニカの騎士”となるべく、彼女を追いかけて村を飛び出した。だが、次代の神の代理人として重要人物となってしまった彼女に、ただの田舎者でしかない私は会うことすら許されなかった。その時から私の旅は始まった。10年の間に、兵士からたたき上げ騎士になり、ついに“ベロニカの騎士”となる13人の候補に選ばれたのだ。だが約束が果たされそうになったその時、事件は起きた。まるで何者かが私の運命を弄んでいるかのように……。過酷な宿命に立ち向かう、純粋な男たちの友情と夢、愛そして闘いを描く!第14回ファンタジア大賞受賞のエターナル・ラブ・ファンタジー!
 
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永らく「大賞」の出ていなかったファンタジア長編小説大賞(現・ファンタジア大賞)で、実に8年ぶりに大賞を受賞した珠玉の名作

文章力、キャラクターの魅力、どれを取っても一級品なのですが、特筆すべきはその……やめておきましょう(ニヤニヤ)。

詳しく書くと何を言ってもネタバレになってしまいそうなので、ぜひネットで感想など探さず(不意のネタバレを避けるため)とにかく読んでみてください! きっと「ああああ!!」となるはずです!
 
 

セカイを敵にまわす時『空色パンデミック』/本田誠

 

「見つけたわよ、ジャスティスの仇!!」「…はい?」高校受験の朝、駅のホームで僕はその少女と出逢った。
彼女―結衣さんは“空想病”。発作を起こすと正義の使者とかになりきってしまうらしい。以後なぜか結衣さんは何かにつけ僕の前に現れる。空騒ぎに付き合ってられない。最初はそう思っていた。彼女を守るため世界を敵にまわして戦うことになるなんて、思いもしなかった―。
えんため大賞優秀賞受賞、狂騒と純真の「ボーイ、ミーツ、空想少女」。
 
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セカイ系をメタ的に扱った挑戦的な作品。

発作を起こすと空想の物語の主人公になりきってしまうヒロインと、巻き込まれる普通の少年である主人公。

斬新な切り口から描かれる物語はたぶん人を選びますが、ハマる人はハマるはず(私はドハマりしました)。


※「キミ」と「ボク」(ヒロインと主人公)の関係性が世界の危機に直結するような作品のこと。エヴァや最終兵器彼女がセカイ系の代表作とされています。
 
 

女性にもおすすめな正統派ラブストーリー『約束の柱、落日の女王』/いわなぎ一葉

 

17歳でシュラトス王国の王位についた女王クリムエラは、若さ故家臣の信を得られず、いらだちを覚えていた。このままでは、周囲の敵国により国は滅んでしまう。彼女は思い詰めある禁断の呪術を行うのだが――。
 
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表紙につられいわゆる「ジャケ買い」した作品だったのですが、思いもよらず大当たりで印象に残っています。全三巻。

あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので控えますが、SF要素の取り入れられたファンタジーです。

展開は王道のラブストーリー。ラストは思わずホロリときます。
男性だけでなく女性にもおすすめの名作です!
 
 

異世界と現代日本の入れ替わり物語『パートタイムプリンセス』/神代 創

 

主人公の拓也は、どこにでもいるフツーの高校生。ある日、授業中に突然のめまいに襲われて以来、異世界の王女・リアンと精神がたびたび入れ替わるようになってしまった!生まれも育ちも、そして性別さえも違う二人。しかし、互いに書き置きで連絡を取り合い、徐々に理解を深めていく。同じころ、リアンの国では陰謀が渦を巻き始め、王室にも暗雲が迫る!どうする拓也!?…そうだ、リアンを守るんだ。
 
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懐かしくて涙が出そう。

ラノベ博士の皆さんでもこれ知ってる方あんまりいないんじゃないですかね。
 
 
簡単に言えばファンタジー世界と現代日本を舞台にした『君の名は。』です。

Amazonのレビューは☆1ですが面白いんだよ……ほんとだよ……。
全三巻で完結済み。誰か読んだことある人いたらこっそり教えてくださいね。
 
 

定められた終わりへのカウントダウン『最後の夏に見上げた空は』/住本優

かつて起こった戦争に投入されるはずだった兵器―『遺伝子強化兵』。無理な遺伝子強化によって望まない力を手にした代償は、17歳の夏に死んでしまうという運命だった。平和になった今―16歳の、最後から二番目の夏。それまでの記憶を全て失った強化兵の少女・小谷順子は、編入先の高校の門をくぐっていた。しかし、その高校はものものしい塀と鉄条網、銃を持った警備員に囲まれていて…。最後の日まで、あと1年。彼らはその時を待っている。あがくように、あるいは諦めたように。せつなく胸をしめつける短編連作登場。

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遺伝子強化兵として管理され、17歳までしか生きられないことを運命づけられた少女の恋の物語。

刊行当時は「キノの旅」や「しにがみのバラッド。」といった連作短篇形式が流行っており、この作品も同様の形をとっています。

淡々と日々が進んでいるようで、しかし終わりの日は確実に近づいていく……そんな心を締め付けられるような想いがします。

重い設定・雰囲気は最終兵器彼女やGUNSLINGER GIRLを彷彿とさせます。
 
 

個性的な人外たちによるほのぼのファンタジー『お留守バンシー』/小河 正岳

 

むかしむかしといってもそれほど昔ではない、科学が迷信を駆逐しつつあった19世紀中頃。かつては人々に恐れられた闇の眷属も、今ではわずかとなった聖域にこもり、ひっそりと暮らしていました。東欧の片田舎にあるお城もそんな聖域のひとつ。そこの住人たちは、実は人間ではありません。見た目は可愛らしい女の子アリアも実はバンシーという妖精。彼女は気のいい同僚たちと慎ましくも平穏な生活を送っていたのです。そんな時、アリアはご主人様から大事な役目を与えられました、それは…。とっても長く大騒ぎのお留守番、はじまりはじまり~。
第12回電撃小説大賞受賞作。
 
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(入れるかちょっと迷いましたがブコメで言及頂いたので入れます! 読んでますよ!)
 
19世紀中頃、東欧のあるお城を舞台にしたドタバタ&ほのぼのコメディ。

大賞にしては大どんでん返しやら突飛な設定やらが無い、ややもすれば地味な作品にも見えてしまいます……が、変人(?)だけど憎めないキャラクターたちが活き活きと描かれており、「やさしいせかい」に癒やされるでしょう。

打ち切りっぽい気もしないでもないけど4巻で一応完結してます。流石に大賞受賞者だけあって文章は非常に巧く、作中の世界観を損なうことなく描き切っているのは見事です。
 
 

なんだこれは……(絶句)『やむなく覚醒!! 邪神大沼』/川岸殴魚

 

自分は邪神ではないと思っていたのに『初心者らくらく邪神マニュアル+スターターキット』を入手し、その筋の道を歩き始めてしまった。ついでに、誘惑に駆られてスターターキットを使用したら、使い魔と名乗る女の子が現れて嬉し恥ずかし。しかし、次の瞬間、首の骨が折れて意識が消えかけている―。本書は、そんな初心者のラノベ主人公・大沼貴幸くんの日常について書かれた小説です。第3回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞作。
 
Amazon 商品説明文より

 
上のあらすじ読んでみて下さい。意味がわかりませんよね? 安心して下さい、読んでも意味分かんないですから。

よくこれ本にしたな……というくらい頭おかしいユニークな作品で、波長が合う人ならめちゃくちゃ笑えます。

レーベル? ガガガ文庫に決まってるじゃないですか。「セックス・バトルロイヤル!」とか「出会ってひと突きで絶頂除霊!」とか頭おかしいタイトルを見かけたら7割がガガガ文庫だと思って下さい。

川岸殴魚作品はだいたい全部こんな感じなんですが、個人的にこの邪神大沼シリーズが一番やりたい放題やってると思います。面白かったら「人生」とかぜひ他の作品も読んでみて下さい。
 
 

24人の最期の願いを叶えていく物語『テルミー』/滝川廉治

 

修学旅行での事故で失われたひとつのクラス。当日欠席したことで事故をまぬがれた少年・清隆は、ただひとりだけ生き残った少女・輝美が、亡くした恋人の遺品を持ち出したことに困惑する。問いかける清隆に輝美は、自分の中に亡くなったクラスメイトたちの最期の願いが残されていることを伝える。少女はその想いをかなえようとしていたのだ。清隆は自分にも手伝わせてほしいと申し出るが…。悲劇から始まるやさしさの物語、読んでください。
 
Amazon 商品説明文より

 
修学旅行中に起きた事故の唯一の生存者である少女・鬼塚輝美さん。

彼女は亡くなったクラスメイトたちの代わりに、自身の中に宿った最期の想いを叶えていきます……。

流れとしてはAngel Beats!(+リトバス)と近い感じで、私が読んだときには若干既視感も感じた部分も少しあります……が、まあ分かってても泣けるんですよね。あらすじを見てピンときた方にはぜひ。
 
 

この家族、全員主役級!『世界平和は一家団欒のあとに』/橋本 和也

 

星弓家の兄弟姉妹は、みんな特殊なチカラを持っている。彩美。自称運び屋。魔法を自在に操る。七美。無敵。宇宙スケールで戦うバカ。軋人。生命の流れを思いのままにする。軋奈。生命を創り出す力を持っていた。美智乃。大食漢。回復魔法の使い手。刻人。正義漢。優しいけれど怪力。彼らは世界の危機をめぐる事件に巻き込まれ、否応なくそれを解決しなければならない星のもとに生まれていた。あるとき長男の軋人は自らと世界と妹の、三つの危機に同時に直面するが―。世界平和を守る一家が織りなす、おかしくてあたたかい物語。第13回電撃小説大賞「金賞」受賞作。
 
Amazon 商品説明文より

 
ファンタジーやSFをちょっとメタ的に扱った作品。全10巻。

家族全員が物語の主人公級の能力を持っており、日常的に世界の危機を救っているらしいのですが……この作品で描かれるのはあくまで「家族の物語」です。

申し訳程度に世界を救ったエピソードや戦闘シーンがありますが、メインとなるのは兄弟姉妹や両親との関係です。

やたらスケールの大きな力を持ちながらも、普通の人間のように家族との関係に悩み、団欒を目指していく様にこの作品の面白みがあると思います。温かで爽やかな一作。
 
 

異世界を救った勇者は……最弱だった?!『ぷれいぶっ!』/高遠 豹介

 

突然、夏休みに別世界へ召喚された高校生・雪村統吾。統吾は魔王を倒し、世界を救った勇者となって現代へ戻ってきた。そんな彼の前に謎のスーツ男が現れ、別世界の人間を集めた学校へ転校することに──。 そう、雪村統吾はこの転校に人生を懸けている。強くて謙虚で人気者、「雪村くんって勇者だったんだ。すごーい!」と女の子にモテモテ学園ライフを満喫するはずが、世界を救った勇者はクラスの中でも最弱だった!? そんなアレな統吾でも、気にせず慕って最初に声をかけてくれた可愛い魔法使い・夏森朱音。彼女のために真の勇者になろうと頑張るが……。
 
Amazon 商品説明文より

 
この作品も個人的に大好きなんですよ~。何回も読み返しました。

夏休みに異世界を救った主人公の統吾は、同じように異世界を救った勇者たちや異能力者たちが集められた学校へ転校することに。

世界を救った全能感に包まれていた統吾ですが、しかし、クラスメイトは彼より遥かに強い人ばかりでした。そう、彼が救った世界は非常に難易度が低かったのです……という感じです。面白そうじゃないですか?!
 
 
世界を救う勇者をメタ的に扱っている点では上の『世界平和は一家団欒のあとに』とちょっと似てます。もっと続いてほしかったのですが全三巻で一応の完結。Kindle版もあるのでぜひどうぞ。
 
 

あらゆるメディアが禁止された街に海賊ラジオが響く!『ラジオガール・ウィズ・ジャミング』/深山 森

 

まっくらの夜を駆けるのは、機材片手のカワイイ少女♪
あらゆるメディア展開が禁じられている街の夜を、機材(アンテナ)を抱えて駆ける少女・レコリス。
なんと彼女は、禁じられたラジオ放送を市民のみんなに届ける、J・O・L(ジャック・オー・ランターン) 海賊放送局の一員なのです!
でも、軍の妨害や街全体を巻き込んだ大変な事件に巻き込まれて……!?
 
作品紹介文より

 
こういうラノベ紹介記事で単巻完結ときたら「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」が挙がりがちなんですが……私はこの「ラジオガール・ウィズ・ジャミング」を推します!

著者の作品は残念ながらこの一作しか無いのですが、「このラノ」にランクインするなど評価を得ていた作品なんです。


キャラクターの魅力もさることながら、なにより緩急が素晴らしい。最後は思わずホロリときてしまいます。

「ラジオってなんか良いな」と思える作品。
 
 

おすすめの名作ラノベ まとめ

相変わらずガガガ文庫多めになっちゃいました(だって好きなんだもん)。
 
基本的に私自身が友達いない外に出るの嫌い運動ダメ人と話すの苦手趣味はラノベ漫画ゲームってボンクラ陰キャ学生生活を送って育ってきたので、似たような属性・コンプレックスを抱えた人には特に刺さる作品群だと思います。

本当は30選にするつもりでしたが力尽きたので取りあえず公開します。ウィザブレとか入れたいので後で追加します。 追記:とりあえず6作品追加して16→22選にしました! さらに追加して30選にしました!!

でも「時載りリンネ」とか「戦闘城塞マスラヲ」とか阿智太郎作品とかまだまだ入れたいのあるので最終的に50選くらいになるかも。
 
 
さて、今回取り上げた作品はゼロ年代~2010年代前半の「やや古め」の作品が多いです。

「キノの旅」とか「SAO」とか「イリア」、「とある飛空士への~」「ハルヒ」「とらドラ」みたいな超人気作品は紹介するまでもないと思って独断と偏見で外しました。

90年代の作品も好きですよ! 「クリス・クロス」とか「ブラックロッド」とか「空ノ鐘の響く惑星で」etc...

ただ在庫や電子化の関係で、ご紹介した本がほとんど入手困難だとちょっとなと思ったので、「やや古め」な作品で固めました。

ラノベは相当読みましたが、今回ご紹介したのは個人的に特に面白かったものばかりなので、気になった作品があったらぜひぜひ読んでみてくださいね!

紙の本・電子書籍、どっちがいい?

紙の本 電子書籍

紙の本 VS 電子書籍 どっちが良い?

今回は「紙の本 VS 電子書籍」。をテーマに記事にしたいと思います。

今まで散々議論や意見交換が交わされてきたテーマで今更感が否めませんが、敢えて書きます!

私は元々紙本至上主義者とも言える紙の本絶対支持者でしたが、ちょっとしたきっかけから電子書籍も日常的に利用するようになりました。

その経緯を含め、双方の使用者の立場からそれぞれのメリット・デメリットを書いていきたいと思います。
 

 

「本を読むなら絶対紙の本」だった

 
私はかつて「電子書籍ぃ~? そんなの読書じゃない! 紙の質感や匂いを感じながら楽しんでこそ"読書体験"だろう!」と鼻息荒く、電子書籍完全否定派でした。
 
 
幼い頃からいわゆる「本の虫」的な生活をしていた私は、小学生時代から図書室や図書館、書店や古本屋に通い、小説やマンガを楽しんできました。小中高と本好き、読書好きは変わらないまま、大学も文学部に進学しました。

筋金入りの「本好き」だったわけです。
 
 
そんな私が大学を卒業し社会人一年目を迎えた2012年10月25日、Kindleが遂に日本に上陸します(Kindle自体は2007年に登場)。

internet.watch.impress.co.jp
 
 
当初の私の思いはこの項の冒頭に書いたとおりです。

はっきり言って、「こんなもの流行るわけがない」「紙の本とはぜんぜん違う」と思っていました。

馬鹿にされてしまうかもしれませんが、「紙の本の温かみ」を信じていましたし、それは今でも信じています。
 
 

電子書籍"も"読むようになったきっかけ

 
さてそれから数年、私は図書館・書店・古本屋という書物の入手先に加え、「ネット通販」を利用して新品・中古問わず本を購入するようになりました。

既存の入手手段と合わせればもはや入手できない本は無し、最強の布陣……と思っていました
 
 
ある日、私はいつものようにとある本を購入しようとAmazonや楽天を探します。

しかし、どこにも在庫がありません。

紀伊国屋などの書店の通販や、近隣の本屋さん、古本屋などを巡りましたが、どこにもありません。見つかりません。

いえ……正確には見つけてはいました。しかしその文字を見ないように、気付かないフリをしていたのです。"Kindle版"の文字を。

そう、紙の本では在庫が無かった書籍が、Kindleならばアッサリ購入できる状況だったのです。
 
 
しかし電子書籍を毛嫌いしていた、と表現しても大げさではなかった私ですから、そう簡単には屈服しません。頑張って頑張って紙の本を探しました。しかし力及ばず、最終的に探し回る心が折れました。

そして、「は、はあん? ま、まあどんなモンなのか試してやろう」みたいな自分への言い訳を重ねながら、初めてKindle本を購入したのです。Kindleが日本に上陸してからちょうど5年ほど経った、2017年の冬のことでした。
 
 

紙の本と電子書籍(主にKindle)を比較して

 
生理的嫌悪感から避けていた電子書籍に、Kindle本に遂に触れた私ですが、いやあその快適さに驚きましたね……

初めてKindle本に触れて以来、電子書籍は主にスマホのKindleアプリで利用しているんですが、個人的には「中古」で安く入手できないこと、紙の質感が味わえないこと以外のデメリットは感じません。

とはいえ「もっと具体的にどうなの?」という意見もあるかと思うので、よく言われがちなそれぞれのメリット・デメリットについて個別に見ていきたいと思います。
 

目の疲れやすさ

 
よく「目が疲れやすい」というのがデメリットに挙がりますが、ぶっちゃけガラケー時代からソシャゲやTwitterを12時間以上ぶっ続けでやったり、「小説家になろう」や(一部の人には懐かしいであろう)「モバスペBOOK」などでWEB小説も丸一日読んだりしていた私からすればいつも通り、通常運転の範疇に収まります。

ビューワのシステムもよく考えられており、ストレス無く使えます。文字は見やすく、サイズや背景色も変更できます。

気になる方はそれこそブルーライトゼロを謳う「Kindle PaperWhite」を使えば目の疲れもほとんど変わらないのではないでしょうか。
 
 

電子書籍は古本が無いから高い?

 
「電子書籍は中古が無いから高い」というイメージがある方もいるかもしれませんが、たとえばAmazonでよく売っている1円中古本、送料を入れるとだいたい250円くらいになることがほとんどです。

さて、Kindleを始めとした電子書籍販売プラットフォームでは、売れ筋商品や出版社単位などで、電子書籍の値引きキャンペーンをすることがよくあります。

元が500円の文庫本だとして、40%OFFなら300円、半額セールなら250円と、中古本を買うのとそう変わらない値段で購入できることも少なくありません。

また新品でも、電子書籍版の方が若干価格が割り引かれている場合も多いです。

狙って利用するのはなかなか難しいのも事実ですが、必ずしも電子書籍の方がお金がかかるわけではない、ということを覚えておいて頂くと得をするかもしれませんよ。
 
 

書き込みの可否

 
書き込みができない」というのも電子書籍のデメリットとしてよく挙がります。

しかしKindleやKoboでは、特定箇所にしおりを挟んだり、マーカーを引いたり、メモをつけたりでき、書籍内の検索(漫画は基本的に不可)もできます。

「あの場面、あのフレーズってどこだっけな……」と探す用途には紙よりむしろ電子書籍の方が向いていると思います。小説やビジネス書であれば管理面を考えても電子書籍の方が適しているかも。
 
 
ただし、資格の教本や技術書といった、図や数式などを含めた自由な書き込みにはKindleやKoboは向きません。向きませんというかフリーハンドで図を書き込むのは無理です。
 
 
しかし出版社直営の電子書籍販売サイトならその問題すら解決するかもしれません。

というのも、電子書籍の多くは「epub(EPUB)」や「mobi」というファイル形式で配信されていますが、出版社直営の電子書籍販売サイトの場合、「DRMフリーのPDF」版が購入できることがあります。

代表的なところでいうと、マイナビBOOKSや、技術評論社O'Reilly Japanあたりで取り扱っている電子書籍の多くがDRMフリーのPDF版を用意しています。
 
DRMフリーのPDFであれば、多種多様なPDFリーダーアプリで開くことができます(もちろんiBooksやKindleアプリでも開くことができます)。

たとえば「Tabby Awards 2013」 Personal Productivity部門 グランプリ大賞を受賞したノートアプリの定番・「MetaMoji Note」などなど、PDFに手書きやApplePencilで書き込めるソフト/アプリはたくさんあります。
 

MetaMoJi Note

MetaMoJi Note

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重くてかさばる技術書や資格教本を端末に入れ、自由に持ち歩くことも可能になるわけです。
 
  

まとめ

 
電子書籍を利用するようになって1年半ほど、私が特に感じているメリットは下記のとおりです。
 

  • 多数の書籍をスマホ1つで持ち歩ける
  • 上に関連して、移動時などのスキマ時間でも手軽に読書が楽しめる
  • 大量の本を購入しても置き場に困ることがない
  • 通販や取り寄せと違い、買ってから読めるようになるまでの「待ち」が無い
 
たぶんこの1年半で、無料本含め500冊くらい買ってます。

この量をうちの賃貸に買って帰ったら絶対嫁さんに怒られますからね。「好きな本を好きなだけ買って、売ったり捨てたりといった場所の心配をしないでいい」というのが一番強く感じているメリットです。
 
 
紙の本も未だに実家には4桁冊、賃貸には数百冊あるんですが、宅配買取サービスなどを利用して少しずつ減らしています。

完全に電子書籍が中心になってしまっています。

あれだけ電子書籍を毛嫌いしていたのに、いまや定額読み放題サービスの「Kindle Unlimited」まで利用するようになるとは数年前の私は夢にも思わなかったことでしょう。読書が好きだからこそ、それだけ大きなメリットを感じているのかもしれません。
 
 
……と、なんか煙草をやめた途端に喫煙者を攻撃するようになった嫌煙家みたいな内容になっちゃった気がするので最後に少しフォローをば……。
 
ほぼ電子書籍にシフトした私ですが、「これは紙で読みたい」という本に出会うこともあります。

「目が疲れない」とかそんなことじゃなく、やはり「この本は手にとって、装丁を眺めて、紙をめくって読みたい」という本です。

そんなときは迷わず電子書籍を買って、さらに紙の本も買います。これで最悪家が燃えてもデータとしては残っていますし、最悪Amazonが倒産しても紙の本は手元に残ります。これが冗長化です。
 
 
……という私の嗜好は置いといて、ちょっと乱暴な切り分け方ですが、

  • 「中身だけ読めればいい」本は電子書籍
  • 装丁などを含めて「手にとって楽しみたい」作品は紙の本

とすると良いかもしれません。
 
あと今思いついたんですが、「著者のサイン本」なんかは絶対紙じゃなきゃだめですよね。
 
 
紙と電子、どちらかにすべて統一するのではなく、それぞれの良さを活かしつつ、どちらも楽しんで活用していくのもいいんじゃないでしょうか!

というわけで今回はこの辺で。ではでは~
 

電子書籍のKindle(キンドル)、実際に使って感じたメリットデメリット

Kindle(キンドル)、使ってますか?

突然ですが私、最近まで圧倒的に紙本派だったんですよ

電子書籍なんて味気ない! 読んでる気がしない! 全人類は紙の本を読むべき!!」くらいの思想を持っていました。


しかしどうしても読みたかった小説の紙本の在庫がどこを探しても見当たらず、やむを得ず泣く泣くKindle版を購入したのが数年前。

そこからです。電子書籍にドハマりしたのは。

今でも紙の本は読みますが、小説、マンガを問わず、購入する書籍の大部分はキンドルで買っています
 
 
そんな私がふと思い立ってアンケートを取ってみた結果がこれ。



・Kindleメインで本やマンガを読む:37%
・Kindleと紙の本を半々くらい:33%
・使ったことはあるが馴染めず紙に戻った:09%
・Kindleを使ったことがない:21%

と、正直想定よりもKindleユーザーが多かったのが意外でしたが、まあデバイスに親和性の高いTwitterユーザーだからというのもあるのかもしれません。

上の結果をそのまま見てもおよそ2割の方が「Kindleを一度も使ったことがない」と回答しています
 
 
そこで今回は「Kindleはいいぞ」とキンドルおじさんになってその魅力を改めて記事にしたいと思います。
 

 
 
<関連記事>
obake.cc

電子書籍(キンドル)のメリット

電子書籍のメリット!」なんて言って今更ずらずら列挙しても、5,6年前ならいざ知らず、今見たら陳腐な内容になってしまいそうなのでそこまで詳しくは掘り下げません笑

ただ、私が「コレはいいな」と身を持って実感したことを2つだけ挙げたいと思います。
 
 
 

シーンを選ばず読める

実は私、Kindleを推しているくせに、Kindle専用機は使ってないんですよ。

安かったのでKindle Paperwhiteを買ったは買ったんです、

しかしながらモノグサな私は、「本を読むための端末を持ち歩く」という煩雑さに耐えられなかったため、結局実家の納戸の奥でお眠りになっています。
 
 
ではどうしているかというと、Kindleのスマホ(iPhone)アプリで読んでいます

意外と知らない人もいるんじゃないかと思うんですが、Kindleの本って専用端末がなくてもスマホアプリで読めるんですよ。

っていうかぶっちゃけた話、スマホかタブレットでいいです

Kindle専用端末って基本的に"Kindleを読む"ことに特化していてそれ以外のことはろくにできないし、その割に動作はもっさり気味だしでデメリットが多くて正直オススメできません。特にKindleでマンガを読みたいユーザはスマホや普通のタブレットの方が絶対いいと思います。

ほかのサイトでKindle専用端末がリンク付きで勧められてるの見るたびにそれ実際に自分で使ってみた上で本心から言ってる? アフィの利率がいいからでは? っていつも思いますもん
 
 
iPhoneの画面で? まともに読めんの? とお思いかもしれませんが、私個人の感想としては「めっちゃ快適に読めます」。
 
 
私が使っているのはiPhoneSE2なんですけど、思いつく良かったことを箇条書きにしますね。

文字サイズを細かく変更できる(目に優しい)

文字色、背景の色も変えられる(目に優しい)

しおり機能でどこまで読んだかセーブしておける(便利)

PC、スマホと端末を問わず本棚を共有できる(便利)

気に入った文にマーカーが引ける(あとでTwitterで使おう)

気に入った文をコピーもできる(あとでTwitterで使おう)

長時間読んでいても意外なほど電池が減らない(通信してないからかな)
 
 
このように、「スマホ読書」が大変捗る環境になっています。
 
 
「ほんとかなぁ~」と思ってくれたそこのアナタ、アプリはもちろん無料ですし、Kindleには無料本もあるので、試しに「スマホ読書」を体験してみてはいかがでしょうか?

Kindle電子書籍リーダー:人気小説や無料漫画、雑誌も多数

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かさばらない

いわゆる「本の虫」な私は、実家も合わせるとたぶん10,000冊くらい蔵書があります。

生活の中、自販機でジュースを買う感覚で本を買います。
現在アパートに暮らしているため、帰りがけに本を買って棚に突っ込むということを日々繰り返していると、あっという間に本棚が埋まってしまうんですよね。

カラーボックスを横向きにして積み上げた本棚も現在五段まで来ており(それが二つあって壁を一面占領しています)、金具などで補強しているとはいえそろそろ地震などがあったら危ない高さです。

そんな状況で実感したのが「電子書籍は場所を取らない」ということです。

初めて購入してから既に数百冊のKindle本を購入していますが、当たり前ですが本棚が埋まることはありません

特に賃貸に暮らしている方やミニマリストな暮らしに憧れる方は大きなメリットではないでしょうか。
 
 
なお私はひとつ嘘を付きました。
「本棚が埋まることはありません」と書きましたが、めちゃくちゃハマった本当に好きな本は電子版を読んだ後で紙本も購入しています
 
 
 

即買って読める

ごめんなさい2つっていったけど書いてるうちに3つ目の良いところ思いつきました(このブログは校正無しです)。

それは買ってから到着を待ったり、時間指定したのになかなかヤマトさんが来なくてヤキモキしたりといったことを経ずに、読みたい時に即購入して即読める点です。

買った時は「これ読みてええ!」と思ってたのにいざ届いたら「なんでこれ買ったんだっけ?」となること、ありますよね? 無い?

Kindleなら購入時の高いモチベーションを保ったまま即内容を読むことができるため、妙なクールダウンをすることなしに作品が楽しめるというわけです。

 
 
 

電子書籍の規格

日本において、Kindle以外にも電子書籍のプラットフォームは複数存在します

実は私、物書きという職業柄(?)、電子書籍の規格の知識は人並み以上にあります。
 
そこでどんな違いがあるのか? 成り立ちは? など電子書籍の規格について簡単に解説したいと思います。そこそこ長いので興味のない方は読み飛ばしてください
 
 
さて、電子書籍の黎明期は、各社ごとにバラバラの規格やPDFなどが入り乱れ、書籍データの互換性が全くない状態でした。

この状態では電子書籍をリリースしていた会社が潰れたら、折角購入した電子書籍が全部読めなくなってしまう、という事態もありえます。
 
 
そこで将来に渡って互換性のある共通規格として策定が進められ、オープンな規格として現在最も広まっているのが「EPUB(イーパブ)」です。

EPUBは「Electronic Publication」の略で、XHTML(EPUB3ではHTML5)とCSS、各種画像データがパッケージ化されたものです。


共通規格として推進されているEPUBですが、しかし、現状大手の電子書籍プラットフォームの大部分は「EPUBファイルをそのまま使用している」わけではありません。

EPUBをベースとした独自ないし異なるフォーマットを用いている場合が多いのです。

例えばKindleリーダーではEPUBファイルをそのまま読み込みことすらできず、.mobi形式(など)に変換する必要があります。

また楽天Koboの場合も、kepub.epubという形式に変換されます。

その他、固定レイアウトや文字の回り込み対応の有無など、各社フォーマットが完璧に統一されているとは現状言い難い状況です。
 
 
とはいえ現状のプラットフォームの多くはベースにEPUBを用いているため、最悪「あの大手電子書籍プラットフォームが事業撤退!」なんてことになっても別のリーダーソフトで読めるように変換する救済措置は取れるんじゃないかと思っています。

しかしながら「スマホしか持ってないんですけど……」といった場合、データの変換ができない事態も同時に得るんじゃないかと思います。
 
 
そういう意味でも、圧倒的な商品数、リーダーソフトの性能、そして企業としての盤石さから、私は電子書籍を購入する際は基本的にKindleのみを利用しているのです。

(まあそうはいっても電子書籍プラットフォーム自体の淘汰はかなり進んできているため、現在まともに電子書籍販売事業を展開しているプラットフォームであればそうそう潰れることも無いとは思いますが)
 
 
 

Kindleのダメなところ

これも事細かに挙げていったらいっぱいありますね。
ソート機能が全然役に立たないこととか。

なによりも声を大にして言いたいデメリットは、iPhoneやiPadのAmazonアプリでは、直接Kindleの本を購入することができないことです。

これは紛うことなきクソ改善すべき仕様だと思うんですよね。Apple側の規約と何かバッティングするんでしょうか……。
 
 
もちろんiPhoneで購入ができないわけではありません。

面倒ですがSafariなどからAmazonのWEBサイトに行き、購入することでKindleアプリ側でも同期がされます。
 
 
 

Kindleはいいぞ

というわけでKindleを今更ゴリ押しする記事でした。いかがだったでしょうか?

たぶん「言われるまでもなく使ってる」っていう人もいるかと思うんですけど、この記事をきっかけに一度試してしばらく離れていた方とか、一度も使ったことのない方が「んじゃ、いっちょ試してみるかね」となってくれたらいいなと思います。

無料で読める!オススメのネット小説ランキング!

無料で読める!オススメのネット小説ランキング!

オススメのWEB小説ランキング!

今回は、無料で読めるオススメのネット小説をランキング形式でご紹介したいと思います!

WEB小説、ネット小説、オンライン小説……言い方は色々ありますが、乱暴に言えば要はネットで読める小説のことです。

ネット小説の良いところはなんと言っても、そのほとんどが無料で読めるところです。
スマホやタブレットで読めるから、空き時間とかにサクッと楽しめる点も◎!
 
 
ネット小説サイトはブックマーク(しおり)機能とか本棚機能とか充実していて、有料電子書籍プラットフォームと比べても、操作性の面ではそこまで差がないと思うんですよね!

さらに人気の作品はバンバン書籍化やメディアミックスもされるので、(ジャンルにもよりますが)面白さ、クオリティ的にもかなり質の高い作品が多いです

文章の体裁や質やらは流石にプロのライトノベルのほうが水準は上ですが、「面白さ」という点で見るなら、ネット小説は書籍化作品に全く引けを取らないと思います。連載を追いかける楽しさみたいなものも味わえますしね。
 
 
そんなネット小説ですが、やっぱりプラットフォームとしてはダントツの人気を誇る「小説家になろう」、それから数年前に立ち上がったKADOKAWA&はてな主導の「カクヨム」。

ネット小説界のトップを走るこの2サイトから、ジャンルも長さもバラバラ、私の独断と偏見で作ったランキング形式で面白かった小説を発表したいと思います!

 

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第12位「魔法? そんなことより筋肉だ!」

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森の奥深くで人知れず暮らしていた少年、ユーリ。
彼は鍛えぬいたその肉体によって、ほとんどの魔法を受け付けないという特殊な体質を持っていた。
そんなユーリの元に、ある日美少女エルフのフィーリアが迷い込んでくる。
まだ見ぬ外の世界に惹かれたユーリは、フィーリアと共に外の世界へと飛び出すのだった。

「ユーリさんって何か魔法使えるんですか?」
「使えるぞ。筋肉魔法だ」
「……何ですか、それ?」
「魔力の代わりに筋肉を使って放つ究極の魔法だ」
「それは魔法じゃなくてただの力技です」

これは筋肉を極めた一人の男が、絶世の美女であるエルフと共に世界を回るお話。
 
 
紹介文より引用

剣と魔法のファンタジー世界なのに、主人公のユーリには全く魔法の才能がありません。
しかし、彼は素晴らしいものを持っていました。そう……筋肉です。

なお、彼自身は魔法──独自に編み出した「筋肉魔法」が使えると言い張ります

たとえば、パンチ超高速で繰り出すことで空気との摩擦で拳が燃え上がる「火属性の筋肉魔法」など。
そうです。ムチャクチャなギャグです。だがそれがいい。

これと通ずるものが作品です。
https://obake.cc/entry/muscleobake.cc

みんなも筋肉を鍛えて筋肉魔法を習得しよう!

 



 

第11位「浅草鬼嫁日記~あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。~」

kakuyomu.jp

 浅草に住み、浅草グルメをこよなく愛する女子高生、茨木真紀。
 人間のくせに日々あやかし関連の厄介ごとに首を突っ込んでは腕力で解決する彼女には、秘密があった。
 それは、真紀が前世の記憶を持っていること。
 そして、その前世は人間ではなく、平安時代にその名を轟かせた鬼の姫――"茨木童子"だということ。
 前世で「夫」だった"酒呑童子"の生まれ変わりである同級生・天酒馨を引き連れ、ブラックバイトに苦しむ手鞠河童や老舗そば屋を営む豆狸の一家など、悩めるあやかしたちのために「最強の鬼嫁」は今日も浅草の街を駆け回る!
 
 
紹介文より引用

現代社会に生きるあやかしたちを、前世があの茨木童子だという女子高生・茨木真紀の視点から描いた作品。
ジャンルとしてはラブコメ×ほのぼの日常コメディがベースでしょうか。

設定の破綻もなく、文章は読みやすく、キャラクターも活き活きと魅力的です。
あらすじにピンときたらぜひぜひ読んでみて!

書籍化済みです。

 
なおこの作品は当記事唯一の癒やしポイントです。ここから先は地獄だ、覚悟しろ……。
 
 

第10位「ブラックホール・ブラックアウト」

kakuyomu.jp

「最初の1体」は、2016年6月、
南米ブラジル北東部のアマゾン川流域都市・マナウスで見つかった。
死傷者527名――CNNのインタビューに応じた、顔面に重傷を負った生存者はこう語った。
『二本足で立ってること以外は、人間とは似ても似つかなかった。「それ」は突然人びとを殺し始めた。あれは悪魔だ。「ディアーボ」だ』
 
 
紹介文より引用

突如現れた「ディアーボ」という存在に、人類はまるで紙切れを引き裂くように殺されていく。

エグい・グロい描写も多く、残酷描写が苦手な方、お食事を控えている方にはおすすめできませんが、読み手を引きつける力のある文章で先を読む手が止まらなくなります。
人類に対して圧倒的な強者の出現。パニックホラーものかと思いきや物語は思わぬ方向に展開していきます。おすすめ。
 
 

第9位「コンビニで夜勤バイトを始めまして。」

kakuyomu.jp

『新人はもれなく一週間前後で消えていく』。

時給に釣られ、25歳フリーターの袴田さんが勤めることになったのは、自殺の名所のど真ん中に建つ、いわく付きのコンビニでした……。


コンビニ店員VS心霊現象。
 
 
紹介文より引用

心霊現象の中心となったコンビニを舞台に展開する連作短編集。
『新人はもれなく一週間前後で消えていく』と言われる曰くつきのコンビニ。
心霊現象はもちろん、そんなコンビニで働く人たちは一癖も二癖もあり……?

書籍化している作品です。
 

 
ひとつひとつの話は短いので少しずつサクサク読めます。ホラー好きにおすすめ!
 
 

第8位「狩人と奴隷少女の日本”ゾンビ”列島紀行」

URL: https://ncode.syosetu.com/n7777do/ncode.syosetu.com

 ヒト寄生型ゾンビ・ファンガスと共生する新生命体――NPC(New Pollution Carrer )の大発生と、その後に起こった南海トラフ大地震の影響で荒廃した日本列島を、NPC狩人の黒神武雄(くろかみたけお)と奴隷少女の新宮りさ(にいみやりさ)ちゃんが、硝煙と埃にまみれながら旅します。
 
 
紹介文より引用

いわゆるゾンビウイルスにより日本の文明が崩壊し、人々はかつての都市部に障壁を築いて暮らしています。
元々は車の販売員をしていた主人公は、ゾンビを狩ったり障壁の外を調査したりして報酬を得る「狩人(ハンター)」としてパンデミックから何年も生き残っています。

ゾンビの襲撃を受けたり、倒したり、人間同士の軋轢があったりといった「ゾンビもの」のお約束から遠く外れていることはそうそう無いのですが、何しろゾンビが現れて年単位の経過した世界なので、ある意味ゾンビがいることが「当たり前」の世界なので、その対応手段もより洗練されています。ショッピングモールに立てこもって工作機械で戦うようなことはせず、基本的に「近づかれたら終わり」と銃火器で戦闘を行います。

主人公がサイコパス気味なこと、人間の汚い面を臆さずバンバン描くことからメディアミックスはかなり厳しそうですが、文章にはグイグイ読ませてくる力があります
エログロなシーンも少なくないので苦手な方にはちょっと厳しいかもしれませんが、耐性のある方にはめちゃくちゃおすすめです。
 
 

第7位「即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。」

URL: https://ncode.syosetu.com/n5691dd/ncode.syosetu.com

成長チート? 無限の魔力? 全属性使用可能? そんなもの即死能力で一撃ですが?
本当に最強なら、戦いにすらならない! 全ての敵が即死する、超お気楽異世界召喚コメディ!

修学旅行中の高校生、高遠夜霧が目覚めると、乗っているバスがドラゴンに襲われていた。
バスに残っているのは夜霧と、パニックになっている美少女、壇ノ浦知千佳だけ。
どうやら異世界に来てしまったようで、わけのわからないままいきなり危機的状況に陥った夜霧。
だが夜霧は、この世界の基準では計れないほどの力、《即死能力》を持っていた!
 
 
紹介文より引用

やや異色の異世界転生モノです。

序盤はクラスごと異世界に転移させられる、今ではありがちとなった設定ですが、主人公はありがちではありません。
主人公の高遠夜霧は「死ねと思った相手が死ぬ」能力を持っており、即死能力には自動迎撃機能まで付いている文字通り「最強」です。

派手な演出も、詠唱も必要なく、ただただ並みいる強豪たちが即死していきます。バトルすらしないので俺TUEEEEEEEともちょっと違った不思議な感じです。
話の造りは、
・こんなやつどうやって倒すんだよ……と絶望するレベルの強敵が出てくる

・即死チートで死ぬ
この繰り返しです(笑)

設定こそ違いますが、「ワンパンマン」の感覚に近いかも。

書籍化&コミカライズ済み。
普通の異世界転生モノに疲れたあなたにオススメ。

 
 

第6位「13月の解放区」

URL: https://ncode.syosetu.com/n8156ce/ncode.syosetu.com

13月32日、世界はあまりにも小さい。

奇妙な地下施設で集団生活を余儀なくされている70名の少年少女たち。
誰も気がつかないうちに一人の少年が消えた。その消息を追ううちに、少年たちは施設の闇と、不可解な謎に直面する。
崩壊しつつある秩序、法外の法の下――ある者は暴力に走り、ある者は新世界の創造を始め、そしてある者は外世界への脱走を企てる。
 
 
紹介文より引用

 
現在も連載中です。ジャンルとしてはパニックホラーになるのでしょうか。
 
 
宗教団体が運営する地下施設で集団生活を送っている少年少女たち。

施設に隠された闇、散りばめられた謎、次第に集団は狂気にとらわれていく。

それらに呼応するように変化を余儀なくされる主人公たち。
 
 
詩的な描写、怒涛の展開、華麗な伏線回収と、読み物として非常にレベルが高いです。

作者は、当ブログで何度もご紹介しているブログ「オカルト・クロニクル」を運営している松閣オルタ氏(PNは"まつかく"表記)です。

「オカクロ」はその緻密な調査と軽妙洒脱な文章から非常にファンの多いブログで、彼が書いていると知ったときはその面白さ、質の高さにも納得でした。
 
 
暴力や性描写などややエグめ(R-15くらい)もちょいちょいありますが、意味もなく暴力を肯定するような内容ではありません。

ぜひご一読いただきたい作品です。
 
 

第5位「名前のない怪物」

URL: https://ncode.syosetu.com/n8809bk/

僕はその怪物に恐怖し、魅了され、そして捕らえられた――。
 
深夜。部屋に響く物音で目を覚ました僕は恐ろしい〝脚〟に遭遇する。以来、姿を見せずに部屋で存在だけを主張するそいつは、まるで包囲網でも敷くかのように日常を侵食し、遂に僕の目の前に姿を現した。その正体は、あまりにも美しい、『名前のない怪物』だった。必死な抵抗も虚しく、怪物の手に堕ちていく僕。逃げることも逆らうことも叶わず、訝しむ恋人や友人から隠れ潜むかのように、僕と怪物の奇妙な生活が幕を開けた。静かに、人としての感覚が死んでいく僕。崩れていく日常。その先に待つものを知った時、僕は大きな選択を迫られる。
恐怖と謎とエロスが融合した、サスペンスホラー。
絡み付く糸から、「僕」は逃げられるか?
 
 
紹介文より引用

怪物の特性を活かした「テラフォーマーズ」みたいな能力バトルモノっぽくなっていくんですが、戦闘がめちゃくちゃ熱いんですよ。
特に続章の蜂篇はその描写に鬼気迫るものがあり、バトルモノのラノベというざっくりした括りでみても個人的に歴代トップクラスです。

また登場キャラクターがかなり多いのですが準レギュラークラス以上はかなり過去や人物が掘り下げられ「使い捨て」感がありません。

グロいのが大丈夫、バトルモノが好きという方には激推しです。

 
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第4位「渡リ烏のオカルト日誌」

URL: https://ncode.syosetu.com/n6477dp/

「私、メリーさん。今、貴方の隣にいるの」

大学入試で都会へ出てきた男子高校生、滝沢辰は、そこで自らを都市伝説の一角だと名乗る、風変わりながら美しい、女学生に出会う。
互いに言い様のない親近感を覚えていた矢先、二人は奇妙な怪現象に巻き込まれることとなり、人知れず奔走するのだが……。
「きっとあれは運命だったのよ」自称都市伝説の女は、夢見がちに語り。
「奇妙な縁だった事は認めるよ」男はそう言って、照れ臭げに肩を竦める。
 
なんやかんやで同じ大学に進学した二人は、その時の体験や自分達の〝特異体質〟の事情を切っ掛けに、趣味も兼ねたサークルを立ち上げた。
『渡リ烏倶楽部』
それは、幽霊やその他、この世に存在するありとあらゆる怪異や謎。超常現象。都市伝説に触れて回るオカルト研究サークル。
この物語は、そんな幽霊が視える二人の出会いから始まった、摩訶不思議な怪奇譚目録である。
 
時に恐怖に震え、時に心踊らせながら、友達以上恋人未満の二人が今日も行く――。
 
 
紹介文より引用

第5位の「名前のない怪物」と同じ作者さんによる作品です。

霊感を持ってる男子大学生の主人公が、同じく霊感を持つハーフ美女の同級生とサークル「渡リ烏倶楽部」を結成し、色々な事件に出会う……という話。

こちらの記事(↓)でも解説してますが、マジで面白いです。青春オカルト活劇的な話が好みの方にはドンピシャかも。大学生×オカルトというと大人気作品「ホーンテッド・キャンパス」を連想しそうですが、どっちも読んだ上で私はこちらのほうが好みです

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世界観を共有しているので「名前のない怪物」と登場人物が時折相互に登場し合うのがアツいです。
 
 

第3位「武士は食わねど高楊枝」

URL: https://ncode.syosetu.com/n1872bu/ncode.syosetu.com

もうね、めっちゃくちゃおもしろいから読んで。

かなり鬱展開ですがハマる人はドハマリすると思います。

面白すぎて個別記事書いたレベルです。
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ぜひご一読を。
 
 

第2位「幻想再帰のアリュージョニスト」

URL: https://ncode.syosetu.com/n9073ca/ncode.syosetu.com

 異世界転生保険とは契約者本人を受取人として、保険量(インシュランス・クオンタム)である新たな人生を給付する制度である。無事支払い条件を満たしていたのはいいが、新たな世界で目を覚ますと何やら開幕から左手を怪物に食い千切られているという大惨事。おまけに原因不明のトラブルで言葉も通じないわ、現代日本の技術を異世界に持ち込んでしまうわで第二の人生は開始早々に前途多難。戦わなければ生き残れない仄暗い迷宮で、片腕を失った男は現代日本の技術を駆使して戦うことを決意する。現代日本の技術――すなわち、サイバネティクスの粋を集めた、機械義肢とサイバーカラテを。
 
 
紹介文より引用

 
半ばカルト的なファンが多数いる奇作。

もうね、これを読まずしてなろう小説は語れないといっていいレベルです(私調べ)。
 
 
膨大な文章量と世界設定、目まぐるしく強引にしかし辻褄を無理やりつなぎ合わせた展開、そしてサイバーカラテ。

情報の洪水に溺れながらもしかし、読み手はきっと作品に込められた「」を痛いほど感じるはずです。

会話文主体の軽い文章を中心に読んでいる人にはツラいかもしれません。しかし、一人でも多くの方にこの作品の熱を体感してほしいと願ってやみません。
 
 
<さらに詳しく>
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第1位「リビルドワールド」

URL: https://ncode.syosetu.com/n9736dt/ncode.syosetu.com
 

 命賭けで足を踏み入れた旧世界の遺跡で、少年は全裸でたたずむ奇妙な美女と出会った。
 スラム街から這い上がるためにハンターとなった少年の名はアキラ。アキラにしか見えない非現実的な美貌と、誰にも触れられない魅惑的な肉体を持つ、得体の知れない美女の名はアルファ。
 アルファは真意など欠片も見せない微笑みでアキラに依頼を持ちかけて、アキラはハンターとして成り上がるためにその依頼を引き受けた。
 2人の契約が成立したその時から、アキラとアルファの数奇なハンター稼業が始まった。

 科学文明崩壊後再構築世界
 少年ハンターと奇妙な美女の東部ハンター稼業録
 
 
紹介文より引用


はい優勝。優勝です。

何を書いてもネタバレになりそうなので、気になるキーワードだけ置いておきます。

ロストワールド×スチームパンク×ハンターもの(×おねショタ)

旧世界(旧文明)成り上がり賞金稼ぎ謎の美女世界の謎……

もうね、面白くないわけないでしょこれ。
 
 
今まで好きになった作品は、

面白い・超面白い・面白い・うおおおおおお!!!!……

とある種の「波」があったんです。
 
 
しかし『リビルドワールド』は、

超面白い・超面白い・ハチャメチャに面白い・超面白い・超面白い・ぬわああああああああ!!!!!!……

と、常時面白さメーターが振り切れた状態なんですね(語彙)
 
 
私が勝手に一人で面白いと喚いているわけではありません。

本作は『電撃《新文芸》スタートアップコンテスト』で、応募総数2,429作品の頂点である《大賞》に輝いています。

dengekionline.com


ソードアート・オンライン』『魔法科高校の劣等生』と、ネット発の大ヒット作品を手がけた電撃文庫の目に留まった作品というわけ。これはとんでもないことですよ……!

書籍化とコミカライズが同時進行しているそうで、近い未来が実に楽しみです。
この部分を書いた(2019/3/20)一年後には誰もが知る作品になっているかもしれません。
 
 
2019/5/8追記

ついに電撃文庫から発売されます!!!!

 
  

殿堂入り「玉葱とクラリオン」

URL: https://ncode.syosetu.com/n0632db/ncode.syosetu.com
 

 ソシャゲで遊んでたら異世界に迷い込んでいた青年、但馬波留。剣と魔法が支配するゲームみたいな世界に困惑しつつも、現代人の知識を頼りに立身出世しようと目論むが……そこはかつて勇者が君臨していた内政チート国家だった。
 空腹は満たされ清潔な衣服を纏う人々。経済的に町は潤い鉄筋コンクリートの家が建ち並ぶ。生半可な知識は通用せず、ろくな職にもつけず埋没する彼は、生き残りをかけた起死回生の策に打って出た。
「他ならぬあなただけに、特別なお話があるんです。いえいえ、怪しくなんかありません。私の故郷ではねずみ講と言うのですが……」
 これは詐欺師と蔑まれ、後にソープ王と呼ばれた男の異世界サクセスストーリー。
 
 
紹介文より引用


リビルドワールドが優勝ならこの作品は殿堂入りです。

上のツイートだけで私のドハマリっぷりがわかると思います。
小説家になろうで「記憶を消してもう一度楽しみたい」と思った作品はこれが初めてです。

ゲラゲラ笑って、ほ~ぉと感心して、手に汗握って、鳥肌が立って、ボロッボロ泣いて、これ以上ないほどに感情を揺さぶられました。
ぜひ、先入観なしに読んでいただきたい作品なのであまり内容に突っ込んだ紹介はしたくないのですが、ひとつだけいいます。

紹介文は詐欺です。

 
  

おすすめのネット小説 まとめ

「筋肉」「心霊」「即死」「ゾンビ」「グロ」と蓋を開けてみたら私の性癖好みが露呈する結果となりましたね(ニッコリ)。

大丈夫!めちゃくちゃ偏ったランキングである自覚はあります!

でも好きな人は好きだと思うな!
上記のキーワードにビビっと来たそこのアナタ、ぜひぜひ読んでみてね!!!
 
 
ジャンルもそうですけど、ネット小説それ自体「食わず嫌い」な人もいるんじゃないでしょうか?

実は(?)私自身、四大の文学部を卒業しており、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰に芥川、吉本ばななに村上春樹といった国内純文学や、プルースト、サリンジャー、フィッツジェラルドにガルシア・マルケスといった海外文学まで雑多・多種多様な作品に手を出しています。
 
それでもラノベやネット小説を「下に」見たことはありません!!
 
表現技法、時代背景、思想、哲学、コンテクストと、いわゆる文学作品には「物語(ストーリー)」の枠を超えた拡がりがあり、そこがまた興味深いところでもあると思います。

しかしながら物語展開に比重を置いたエンタメ作品やライトノベル、ネット小説が「劣る」存在であるかといえば、全くそんなことは無いと思うんですよね。
 
 
何を重視し、込められているかが異なるだけで、優劣をつけるようなものではないと私は思っています。
なにより、面白いものは面白いですからね。

また、商業的にあまり売れそうにないジャンルやストーリー展開でも、編集さんからのテコ入れがないのがネット小説の良いところです。(総合ランキング入りを目指す場合はまた話は変わってきますが、)作者さんが「自分の書きたい話を売上に左右されずに書ける」点がネット小説の一番魅力的な点かもしれません。
 
 
「食わず嫌い」の方もぜひ一度偏見を捨てて、WEB上のエンターテイメント作品に触れてみてくれたら良いなと思います!
 
 

 

村上春樹「螢」に見る再会と喪失

村上春樹「螢」に見る再会と喪失

村上春樹「螢」に見る再会と喪失

村上春樹の短編小説「螢」をご存知でしょうか?

「螢」は大ベストセラーである『ノルウェイの森』のプロトタイプと言われる作品です(春樹自身も『ノルウェイの森』のあとがきでその旨を述べています)。
 

 
実際、物語の流れはほとんど『ノルウェイの森』と同じであり、『ノルウェイの森』の序盤にあたる部分で物語は終わっています。
 
 
しかしながら私は、この「螢」という作品が、単に『ノルウェイの森』の一部としてではなく、一つの完成された作品としてみています。

今回はこの短編作品「螢」について、『ノルウェイの森』との比較を交えながら見ていきたいと思います。

状況の説明をなるべく添える努力はしていますが、バンバンネタバレもしますので、できれば「螢」をお読み頂いた上、駄文にお付き合いいただければ幸いです(もちろん既読のハルキストは大歓迎です)。
 
※本文引用は村上春樹『螢・納屋を焼く・その他の短編』第九版に依ります
 

 

「螢」という作品の主題

この「螢」という作品の大きなテーマは「僕」の「彼女」の喪失にある、と私は読みます。
 
 
主人公である「僕」は学生寮で暮らす日々のなかで、亡き友人である「彼」の恋人だった「彼女」と再会します。

「僕」は「彼女」とデートを重ねるようになり、何度か会ううちに「彼女」は「僕」の腕にすがり、温もりを求めてくるようになります。しかし「僕」は気付いていたのでした。
 

彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。彼女の求めているのは僕の温もりではなく、誰かの温もりだった。

 
この一文は、『螢』という作品の主題のひとつを投影していると考えられます。

即ち、《愛する者から求められない悲哀》です。
 

時々彼女は何の理由もなく、僕の目をじっとのぞきこんだ。そのたびに僕は悲しい気持ちになった。

 
彼女は僕の中に「誰か」を追い求めていました。
彼女が求めていたのは「僕」ではない「誰か」なのです。

僕の目を見つめる彼女が、僕を見ていないことに気付いていたため、僕は「悲しい気持ち」になったのでした。
 
 
この「誰か」とは僕の死んだ友人であり、彼女の恋人であった「彼」と考えて間違いないでしょう。

「彼女」が真に求めているのは死者である「彼」であり、「彼」の温もりを得られぬ寂しさを「誰か」の温もりで紛らわそうとしているのです。残念ながらその「誰か」が、「僕」である必然性は全くありません。

そのことを「彼女」の「どこにも行き場のない透明」な目から「僕」は感じとっていたのでしょう。

また「僕」の目は、かつて友人であった「彼」を映していたはず。「彼女」は僕の目の中に「彼」の残滓が僅かでも残っていないかと、じっと覗きこんだのかもしれません。
 
 

「彼」の喪失

かつて、「僕」と「彼女」の関係は、「彼」の存在を介してのみ成立するものでした。

「彼女」にとって「僕」は恋人の友人であり、「僕」にとって「彼女」は友人の恋人、それ以上でもそれ以下でもなかった危うい三角形です。
 
 
しかし「彼」が死によって退場したことにより、「僕」と「彼女」の関係はもはや成立し得なくなってしまったのです。

二人の会話中に「彼」が登場することは決してありませんでした。かつての「僕」と「彼女」の関係は「彼」がいてこそ成り立っていたのにです。「彼」を意図的に排除した関係は、非常に空虚であるといえるでしょう。

「僕」は「彼女」を求めていますが、「彼女」が求めているのはあくまで故人となった「彼」なのですから。
 
 
「彼女」が「僕」を求めていない以上、やがて「彼女」が「僕」の元を去ってしまうのはある意味必然でしょう。ここから、《愛する者の完全なる喪失》という、作品のもうひとつの主題が浮上します。
 
 

ノルウェイの森との比較

さて、ここで『ノルウェイの森』と比較してみましょう。

「螢」では「僕」「彼女」など代名詞が用いられ、人名が登場しません

対して『ノルウェイの森』では、僕にあたる人物に「ワタナベ」、彼女にあたる人物に「直子」と、固有名が与えられています

名前をつけるという行為は呪術の一環としての側面も有り、存在を規定し、縛ることに繋がります。
たとえば、妖(あやかし)に名前をつけることでその存在を規定し御しやすくする……ということは数多く言及されています(小説で言えば京極作品や夢枕獏の「陰陽師」などなど)。

「螢」から『ノルウェイの森』へと作品が再構成される際に、「僕」や「彼女」といった代名詞から、固有名に変化することで、登場人物の存在が規定され、より強固になったと考えられないでしょうか。

逆に言えば、固有名の与えられぬ存在は、非常に曖昧で、不安定であると言い換えても良いかもしれません。
 
 
まるで闇夜に消える蛍のように忽然と消失した「彼女」は、『ノルウェイの森』で、「直子」という固有名を与えられることで再び現実へ帰ってくる……。

『ノルウェイの森』において直子は自殺という形で死を迎えますが、これはあくまで現実に生きる人間としての死です。

直子は、直子という人間が確かに存在したという確かな痕跡を残して、死の世界へ向かったのです。
 
 
対して『螢』の「彼女」は、手紙だけを残し「僕」の前から消えてしまいます。

生死は分かりません。文字通り蛍の如き消失です。
 
 
「螢」という作品において、蛍が彼女を象徴しているのは明白です。

しかし『ノルウェイの森』においては蛍=直子の象徴であるとは言い難いです。

「螢」における「彼女」=『ノルウェイの森』の直子の図式がここで崩れるわけです。
 
 

「彼女」の喪失

 

彼女が二十歳になるというのはなんとなく不思議な感じがした。僕にしても彼女にしても本当は十八と十九のあいだを行ったり来たりしている方が正しいんじゃないかという気がした。十八の次が十九で、十九の次が十八――それならわかる。

 
これは「僕」の願望です。この願望に反して、「彼女」は「僕」より先に二十歳を迎えます。

二十歳とは、十代と二十代という差異を超えた何かを分かつ重大な境界です。

「僕」を置いて「彼女」がその境界へ到達し、超えてしまうことは、「僕」に「彼女」の喪失を予感させたのでしょう。

まるで去っていく「彼女」を繋ぎ止めようとするかのように、「彼女」が二十歳の誕生日を迎えたとき、「僕」は「彼女」と寝ます。触れられぬ存在であったはずの「彼女」に触れてしまったのです。
 
 
そして「僕」は「どうして彼と寝なかったのか」とまで訊ねました。これまで完全に排除してきた「彼」の話題までも出してしまったのです。

この時「僕」は、「僕」と「彼女」の間に横たわっていた、ある種の禁忌(タブー)を犯してしまったのです。

そして翌日、「彼女」は「僕」の前から完全に姿を消してしまいます。
 
 

記憶の中の蛍と、「彼女」との離別

 
物語の最後、「僕」は同居人から、インスタントコーヒーの瓶に入った蛍を貰います。
 

瓶の底で、螢は微かに光っていた。
しかしその光はあまりにも弱く、その色はあまりにも淡かった。
僕の記憶の中では螢の灯はもっとくっきりとした鮮やかな光を夏の闇の中に放っているはずだ。
そうでなければならないのだ。

 
「僕」の記憶の中ではもっとくっきりとした鮮やかな光を夏の闇に放っているはずの蛍の光は、あまりにも弱く、その色はあまりにも淡いものでした。

繰り返しになりますが、ここに登場する「蛍」とは「彼女」の象徴です。

それゆえに、記憶の中で力強い光を放つ蛍を思い浮かべた「僕」は「そうでなければならないのだ」と強く願います。しかし、現実の蛍の光は、弱々しいままでした。
 
 
「僕」は蛍を放とうと、給水塔の縁に蛍を置き、じっと見守ります。

「まるで息絶えてしまったみたいに」動かなくなった蛍を、「僕」はいつまでも待ち続け、ついに蛍は「僕」の元を飛び去ります。
 

蛍が消えてしまったあとでも、その光の軌跡は僕の中に長く留まっていた。目を閉じた厚い闇の中を、そのささやかな光は、まるで行き場を失った魂のように、いつまでもさまよいつづけていた

 

僕は何度もそんな闇の中にそっと手を伸ばしてみた。指には何も触れなかった。その小さな光は、いつも僕の指のほんの少し先にあった

 
「螢」という作品の主題を孕んだ、非常に象徴的な文です

時系列的に言えば、蛍を放つ場面は「僕」が「彼女」と寝る場面よりも後のことです。

しかし、螢の光は「いつも僕の指のほんの少し先にあった」のです。

「僕」は気付いていたはずなのです。「彼女」は、届きそうなところにいるが、「僕」の差し出す手は決して届きはしないということを。

それを知っていながら、「僕」は「彼女」と寝てしまいました。

常に喪失の予感を感じながらも、「僕」は愛する「彼女」に触れずにはいられなかったのです。それほどまでに、「彼女」という蛍の放つ光に魅せられていたのです。

結果、蛍が飛びさるかのように、小さな光の残滓だけを残して「彼女」は「僕」の前から消え去ったのでした。

これは完全なる喪失です。「彼女」は、生や死という枠を超えて、「僕」の手が決して届かぬ場所へと行ってしまったのです。
 
 

直子と「彼女」

『ノルウェイの森』でもこの蛍を闇に放つ場面が描かれていますが、しかし、直子はワタナベの前に再び現れます。

先程触れた名付けの力を考慮するならば、直子は、「直子」という固有名を得たことで、自身が消失してしまうほどの曖昧な存在ではなくなったということではないでしょうか。
 
 
直子は確かに、生きていく強さを持たない女性です。

しかし言い換えれば直子は、生きながらにして死者の世界に属している存在と位置づけられるのではないかと考えます。

そう考えると、『ノルウェイの森』では緑という女性が追加されたことで、生の象徴たる緑、死の象徴たる直子という対比構造も生まれます。
 
『ノルウェイの森』においては、直子は<死>を担っている存在なのです。
 
 
しかし「螢」の「彼女」は違います。
 

目を閉じた厚い闇の中を、そのささやかな光は、まるで行き場を失った魂のように、いつまでもさまよいつづけていた

 
「彼女」が向かったのは死者の世界ではなく、「僕の指のほんの少し先」なのですから。

生者の世界にも死者の世界にも向かわなかった「彼女」は、まさに「行き場を失った淡い魂」なのです。

たとえ「僕」が死の世界へ向かっても、「彼女」には決して届かないのです。

これこそが、「彼女」の喪失――《愛する者から求められない悲哀》であり、《愛する者の完全なる喪失》なのです。
 
 

まとめ

 

僕は何度もそんな闇の中にそっと手を伸ばしてみた。指には何も触れなかった。その小さな光は、いつも僕の指のほんの少し先にあった

 
これは私の読んだ文学作品の中でももっとも印象に残る、哀しく美しい名文だと感じています。

性的なシーンばかり悪い意味で注目されがちな春樹ですが、その実非常に美しい文を綴る作家なのです。
 
 
騎士団長殺し』『海辺のカフカ』そして『ノルウェイの森』と長編作品が注目されがちですが、個人的に、春樹の本質は短編にこそありと感じています。

「螢」の収録されている『螢・納屋を焼く・その他の短編』のほかにも『パン屋再襲撃』など素晴らしい短編集が多くありますので、春樹作品にはじめて触れる方や、長編は苦手だな……と感じている方にこそぜひぜひお読み頂きたいです。
 
 
というわけでかなり長くなってしまいましたが今回はこのへんで! ではでは。

「洒落怖」をテーマにした漫画「裏世界ピクニック」

「洒落怖」をテーマにした漫画「裏世界ピクニック」

洒落怖(死ぬほど洒落にならない程怖い話)」やネット上の怪談について幾度も記事にしている当ブログですが、そんな怪異譚をテーマにした「裏世界ピクニック」という作品が面白いです。
 

 

裏世界ピクニック あらすじ

 

仁科鳥子と出逢ったのは〈裏側〉で“あれ”を目にして死にかけていたときだった――その日を境に、くたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を探すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる――気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!
 
Amazon 商品紹介より

 
「裏世界ピクニック」は「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」といった、ネット上で有名な怪異譚・ネットロアが登場する冒険ものの作品です。

主人公が「裏側」「裏世界」と呼ぶ、時間も距離も歪んだ異世界の入り口は、現実世界のいたるところに隠れていました。

「裏世界」は、ネット上で語られる怪異が数多く潜む危険な場所です。
 
 
人付き合いが苦手で、自分だけの場所を欲していた女子大生の紙越空魚は、偶然見つけた入口から興味本位で「裏世界」に出入りしていました。

そんな空魚ですが、ある時危険な怪異に出くわしてしまい、あわや命を落としかけます。そこを別の入口から裏世界へと来ていた仁科鳥子に助けられます。

鳥子は大切な友人を探すために裏世界へ幾度も足を踏み入れているらしく、空魚はなし崩し的に鳥子と二人で裏世界探索を行うようになりますが……。
 
 
というのがざっくりとしたあらすじです。

原作は小説ですが、ガンガンコミックスから漫画版も出ています(私は漫画版から入りました)。
 
■小説版

 
■漫画版 
 
どちらもおすすめですが、原作小説の方だとちょっと何が起きているのか分かりづらい部分もあり……視覚的に楽しみたい方は漫画版のほうがおすすめです。
 
 

裏世界ピクニックのおすすめポイント

 
冒頭で引用したツイートにも書きましたが、「裏世界ピクニック」の魅力はネットロアを「単なるギミックとして出してみました~」というだけでなく、独自の解釈・考察がなされている点です。

一例としてこんな感じです。

裏世界ピクニック1
裏世界ピクニック2
画像:『裏世界ピクニック』一巻より

上記の「くねくね」と「八尺様」はともに水神・蛇神をモチーフとしている説は、長いこと洒落怖等に触れてきた私もなるほど思わされました。
このように面白い解釈が展開されることで、より「洒落怖」などが楽しめるようになる点もひとつの魅力です。
 
 
作中の「裏世界」という設定自体も、いわゆる「時空の歪み」系のネットロアをモチーフとしているようで、インターネット怪異譚を幅広くカバーしつつ、独自の解釈を交えながらも巧く一つの世界観に落とし込んでいる点は個人的に高く評価しています。
 
 
洒落怖などが好きな方はもちろんのこと、今まであまり触れてこなかった方でも楽しめる内容となっています。
 
 

裏世界ピクニック まとめ

 
「ピクニック」なんてタイトルからゆる~い探索モノかなと思われるかもしれませんが、実際は常に死と隣り合わせのかなりヤバい世界観です。

少女二人の百合っぽい絡みでややマイルドになっていますが、ホラー要素を求めている方は安心して下さい普通に怖いです。八尺様の回とか怖すぎて鳥肌が立ちました。
 
 
世界観や登場人物の過去に謎も多く、冒険・ホラー・ミステリー(それから百合)と様々な要素が絡み合った作品です。

気になった方はぜひぜひチェックしてみて下さい。
 
<関連記事>
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なろうホラーなら「渡リ烏のオカルト日誌」が断トツでおすすめ!

渡リ烏のオカルト日誌

ブログでもTwitterでも個人的に激推ししているWEB小説『渡リ烏のオカルト日誌』。(この記事とかこの記事とか)
満を持して(?)個別記事にしたいと思います。
 
作品リンク:
『渡リ烏のオカルト日誌』
https://ncode.syosetu.com/n6477dp/

 
『渡リ烏のオカルト日誌』とは、日本最大の小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載されている、黒木京也先生による小説作品です(本編完結済み。番外編が連載中)。

黒木先生は別作品で書籍化・コミカライズ済みの実力派ですので、筆力はお墨付きです。

ジャンルはライトなホラー。霊能力持ちの大学生の男女が主人公で、連作短編形式で物語が進みます。

「渡り鳥」じゃなくて「渡リ烏」(ワタリガラス。"リ"はカタカナ)な点に気をつけてくださいね!(?)

「渡リ烏のオカルト日誌」概要・あらすじ

まずは「渡リ烏のオカルト日誌」ってどんな話? ということで本家の作品概要を引用させて頂きます。

「私、メリーさん。今、貴方の隣にいるの」
 
大学入試で都会へ出てきた男子高校生、滝沢辰は、そこで自らを都市伝説の一角だと名乗る、風変わりながら美しい、女学生に出会う。
互いに言い様のない親近感を覚えていた矢先、二人は奇妙な怪現象に巻き込まれることとなり、人知れず奔走するのだが……。
「きっとあれは運命だったのよ」自称都市伝説の女は、夢見がちに語り。
「奇妙な縁だった事は認めるよ」男はそう言って、照れ臭げに肩を竦める。
 
なんやかんやで同じ大学に進学した二人は、その時の体験や自分達の〝特異体質〟の事情を切っ掛けに、趣味も兼ねたサークルを立ち上げた。
『渡リ烏倶楽部』
それは、幽霊やその他、この世に存在するありとあらゆる怪異や謎。超常現象。都市伝説に触れて回るオカルト研究サークル。
この物語は、そんな幽霊が視える二人の出会いから始まった、摩訶不思議な怪奇譚目録である。
 
時に恐怖に震え、時に心踊らせながら、友達以上恋人未満の二人が今日も行く――。
 
 
「渡リ烏のオカルト日誌」トップページより



主人公・滝沢辰(たきざわ・しん)くんは上京大学生。

彼は小学生の頃、ある事件……存在しないはずの遊園地で遊んで帰ってくるという事件をきっかけにいわゆる「見える人」になります。

こういったホラーものですと先天的な体質である場合が多いですが、辰くんの霊媒体質は明確に後天的なものであると記されています(このこと自体も後々伏線になるんです)。
 
 
それ以来、「お葬式では、御本人が視えて」、「墓場ではよく幽霊とすれ違い」、「事故現場では恨みや未練を残した、悪霊を目撃する」霊媒体質としてオカルト的存在に度々接触しながら人生を送ってきた辰くん。

そんな彼が大学に進学し一人暮らしを始めて……何も起きないはずがありません

そう、青春オカルト活劇が始まるのです。
 
 

ヒロイン・メリーさん

都市伝説「メリーさんの電話」をご存知でしょうか?

多くの方がご存知かとは思いますが、復習も兼ねてWikipediaの記事から引用します。

少女が引越しの際、古くなった外国製の人形、「メリー」を捨てていく。
 
その夜、電話がかかってくる。
 
「あたしメリーさん。今ゴミ捨て場にいるの…」
 
電話を切ってもすぐまたかかってくる。
 
「あたしメリーさん。今タバコ屋さんの角にいるの…」
 
そしてついに「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」という電話が。
 
少女は思い切って玄関のドアを開けたが、誰もいない。やはり誰かのいたずらかと思った直後、またもや電話が…
 
「あたしメリーさん。今 あなたの後ろにいるの」

怪奇系都市伝説として非常に有名な説話で、多くの類型・類話が存在します。
 
 
本作「渡リ烏のオカルト日誌」では、この「メリーさん」を名乗る不思議な美女が登場します。
彼女がヒロイン、そしてもうひとりの主人公として物語に関わるようになったきっかけは、辰くんがまだ高校三年生だった頃のことです。

二月、受験生として都心へ出てきた辰くんは『渋谷の幽霊ホテル騒動』と名付けられた事件に巻き込まれます。
詳細は是非本文をお読み頂くとして……「メリーさん」としての初登場シーンをご紹介しましょう。

 整った顔立ちは、まるでお人形さんのよう。女の子をそんな風に喩えるのは本や映画の中だけの話だと勝手に思っていたのだが、彼女に関しては間違いなく。それが一番しっくりくる表現だった。
 
 まずは髪。見事な亜麻色のそれは、肩ほどまでのセミロングで、ゆるくふんわりとしたウエーブがかかっている。
 
 肌は白い。色白とかそういうレベルではなく、本当に日本人離れした、ビスクドールを思わせる白さ。
 
 極めつけは、目だ。青紫の宝石を思わせる瞳は、不思議な輝きを放つようで。総じて異国の血が流れているか、あるいは完全な外国人なのだろう。そんな子が……文庫本を片手に、どこかの高校のものであろう、ブレザー姿で座っていた。
 
 
『渡リ烏のオカルト日誌』第一章 オカルティック・ホテル「不吉な歓迎」より

 

非公式イメージ画像です。
 

日本人離れした、どころか人間離れした容姿を持つ彼女は、果たしてどのようにストーリーへ関わってくるのか? それは読んでみてのお楽しみです
 
 

作品の魅力

この項ではなるべくネタバレに配慮しつつ作品の魅力について語りたいと思います。

まず魅力的なのが「会話」です。

辰くんは作者である黒木先生の別作品「名前のない怪物」の主人公レイくんとは違い、モノローグ以外でもよく喋ります(いい意味で)。

言葉遊びや謎掛け風のやり取りがよく出てきて、読んでいてそのテンポ感がとても気持ちいいです。たとえるなら「化物語」シリーズの会話のようなイメージでしょうか。

彼(と彼女)は小説や映画のフレーズから引用するのが好きなので、元作品を知っていると思わず「ニヤリ」とさせられます。

この会話がスパイスとなり、重々しくなりがちなオカルトホラーに絶妙なリズムを与えています
連作短編形式であることも相まって、非常に読みやすい作品になっているのです。
 
 
連作短編形式と書きましたが、実は各話は完全に完結(解決)し、過去の出来事として置き捨てられているわけではありません。
辰くんたちが「事件」に巻き込まれ、終息したはずのそれらは伏線となり、本編ラストに収束していくんです。その構成が非常に見事で、アツく、「うおおおおぉ!」ってなります(語彙)。書き手の立場としても思わず舌を巻きました。
 
 
また先に挙げた別作品『名前のない怪物』と世界観がリンクしている点も最高です。私そういうの大好き!
主人公は設定上同じ大学に通っており、時折内容がリンクします。それもわざとらしくなく、ごくごく控えめなので、知っている人は「ニヤリ」知らない人も違和感なく読めるという絶妙なさじ加減です。最高。
 
 

「渡リ烏のオカルト日誌」まとめ

というわけで『渡リ烏のオカルト日誌』(作品はこちらから)のご紹介でした(後々「これ書き忘れた!」ってことあったらどんどん追記したいと思います)。

既に書きましたが、小説として非常に読みやすい作品ですので、「異世界転生以外の作品を何か読みたいな~」「特にホラーでなにか面白い作品はないかな~」と探しているそこのアナタにはぴったりです!
 
 
なお、「名前のない怪物」よりもグロ・ホラー描写は随分控えめなので、そういった内容が苦手な方にも恋愛モノとしておすすめできます。

こんな作品が好きな人におすすめ! で言うと「物語」シリーズ、「怪物王女」、「ホーンテッド・キャンパス」あたりでしょうか(全部大好きな私がドハマリするのは必然でした)。
 
 
ドハマリした作品を布教したがるのはオタクの基本習性ですが、本作も例に漏れずTwitterで布教しまくりました。

その結果、何名かの方が読み始め、無事ドハマリしていただきました

https://twitter.com/fainalpanpu_EX/status/985049365055094784

舞台だけ現代でほぼ完全に非日常に近いローファンタジーと異なり、本作は絶妙な非日常感が大変魅力的な作品です。
機会があればぜひぜひ読んで、私のようにドハマリしてくださいねっ!

『名前のない怪物』のように書籍化も心待ちにしています!!!
 
 

 

オタクが選ぶ「ラノベの奇書10選」

ラノベオタクが選ぶ「ラノベの奇書10選」

#ラノベの奇書10選」というタグを見かけたので、

私も自分なりの「ラノベの奇書10選」を記事にしたいと思います。
 
 
日本小説の三大奇書といえば夢野久作『ドグラ・マグラ』、小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』ですが、ラノベの場合どんな作品が選ばれるのでしょうか!?(まあ私が選ぶんですが)

結構マイナーな作品多めなラインナップになったと思います(7:3くらいかな?)。
さっそくいってみましょう。
 

 
 

1. 丘ルトロジック


個人的にめちゃめちゃ大好きな作品。全ラノベでも5本の指に入るくらい好きです。

宗教、フェチズム、テロリズムまで雑多に内包され、頭のおかしいキャラしか登場せず、頭のおかしい奴らが頭のおかしい行為を一般人を巻き込んで実行するという最悪の物語。でもそれが癖になる。クレイジー&バイオレンス。最高です。
 
 

2. 俺、ツインテールになります


私、こんな作品も知ってますけど?」と自己顕示欲を展開したい側からするとメジャーすぎるから外そうかと思ったのですが、やっぱり奇人変人のオンパレードなガガガ文庫でも特に頭のおかしいラノベだと思うので載せました。
 
書き出しからすごい。「凄み」を感じる。

ツインテールが好きだ。

まるで「国境の長いトンネルを抜けると~」とか「石炭をば早や積み果てつ」みたいな完成されたシンプルさ。「ツインテールが好きだ。」そうか。君はツインテールが好きなフレンズなんだね。

これにGOを出すガガガの、小学館の懐の深さを実感できる作品です。
 
 
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3. ゴほうし!


第1回メガミノベル大賞属性賞「」賞受賞。

うん……?

ボロアパートに住む主人公はある日、部屋にきのこの少女「きの子」が生えていたのを見つけます。

えっと……?

もうこの時点で頭がおかしいんですが、このあとキノコ娘が増えたり「あーもうめちゃくちゃだよ」って展開になります。
イラスト担当があのみさくらなんこつ氏の時点で察してくれ。
 
 

4. ゴミ箱から失礼いたします


主人公が突然、妖怪ゴミ箱男になってしまう作品。
考えるな、感じろ。

なお当初は、同じ作者の「勇者が修羅場すぎて世界を救ってる場合じゃない 魔王の呪いでヒロインたちを同時攻略しなければなりません」を紹介しようと思ったのだけれど、Google先生とか各所に怒られそうなので自粛しました。
 
 

5. キミとは致命的なズレがある


気を抜くと10選が全部ガガガ文庫で埋まりそうになるのでガガガからはこれで最後にします

まずこの作者・赤月カケヤさん。この作品が小学館ライトノベル大賞の優秀賞を受賞してデビューしたんですが、応募時のペンネームが「名前で悩むくらいならまずカケヤ」さんです。

「あーちょっとヤバイ人かな?」って生暖かい目を向けそうになりますが、真実と虚構が入り混じった中盤までを、力技で張り巡らされた伏線を一気に畳み掛けるように回収した手腕は見事です。
 
 

6. ロクメンダイス


この中村九郎という作者は局地的に有名な方で、この作品に限らず読んでいる方が不安定な気持ちになる文章を書くんですよ。
洒落怖の「全く意味がわかりません」みたいな。そこまで支離滅裂ではないというか、この作者は既存の文法規則に則らずに出来事と想いを綴っているだけなのだと思うんですが、それが非凡な文章を作り上げています。

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まさに「奇才」の名に相応しい作者だと思います。

7. ブラックロッド

ブラックロッド (電撃文庫 ふ 3-1)

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サイバーパンク、SF、オカルトと『幻想再帰のアリュージョニスト』はこの作品からもかなり影響を受けていると思います。
アリュージョニストが気に入ったなら是非読んでほしい作品。

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8. インテリぶる推理少女とハメたいせんせい - In terrible silly show, Jawed at hermitlike SENSEI


タイトルがどうかしてるぜって感じですが受賞時のタイトルは500%増しでイカれてます
このタイトルつけて応募した作者は頭おかしいし受賞させたHJ文庫はもっとおかしい。

受賞時タイトルはとてもここには書けませんが興味のある方はぜひWikipediaで確認してみてね☆

本作をひとことで言うと「解決編しか無いミステリー」。
なお紳士諸君には残念なお知らせですが、エキセントリックなタイトルのわりに直接的な描写はありません。

9. ざるそば(かわいい)


MF文庫J新人賞史上最大の問題作」として売り出され、海外でも話題になりました。

主人公がある日ざるそばの出前を頼んだら、麺類寄りの魔法少女・姫ノ宮ざるそば(かわいい)が届く……という、うん、意味がわからないね。
読んでも意味はわからないと思う。

10. 後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール


ここは皇帝が支配する国。
皇帝の暗殺を目論む主人公は、女装して後宮に潜入。
しかーしッ! そこは帝国中から集められた美少女が、皇帝の寵愛を受けることを野球により争う熱狂の楽園だったッ!

そうこれこそッ! 「ハレムリーグ」であるッ!!

なぜ、野球、ホワイ。もうノリが「そんなことより野球しようぜ!」なんですよね。
たぶんコロコロコミックの世界と同じでカードバトルやビーダマンで白黒つける感覚なんだと思います。

なお作者の石川博品氏は、「耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳」というタイトルだけで「あ、やべーやつだ」と察せる作品を書いています。
でも本当は「ヴァンパイア・サマータイム 」みたいな綺麗な青春恋愛小説も書ける人です。凄い方です。

 
 

まとめ

というわけで私ニルスの選ぶ「ラノベの奇書10選」でした。

ディスコ探偵水曜日』とかも入れたかったんですがレーベルと作者的にいわゆる「ラノベ」かというと微妙だなと思ってやめました。

あと「みーまー」とか西尾維新作品のキャラは(共感できるかどうかは別として)意外と筋が通ってると思うので外しました。

それから「Happy Death Day 自殺屋ヨミジと殺人鬼ドリアン」「せきゆちゃん(嫁)」あたりは僅差で漏れました。
 
 
結果、頭のおかしい独特な、まさに奇書と呼ぶに相応しいラインナップになったんじゃないかと自負しています。

決してつまらないわけではなく、刺さる人には刺さっちゃいけないところまで刺さるような作品ばかりですので、気になった作品があったらぜひ読んでみてくださいね~