ゴーストインザヘッド

元引きこもりのオタクが送るサブカル・エンタメ系ブログ。マンガ、ラノベ、ゲーム、ガジェットなどを中心に書いていきます。読んだ人をモヤモヤさせることが目標です。

電子書籍のKindle(キンドル)、実際に使って感じたメリットデメリット

Kindle(キンドル)、使ってますか?

突然ですが私、最近まで圧倒的に紙本派だったんですよ

電子書籍なんて味気ない! 読んでる気がしない! 全人類は紙の本を読むべき!!」くらいの思想を持っていました。


しかしどうしても読みたかった小説の紙本の在庫がどこを探しても見当たらず、やむを得ず泣く泣くKindle版を購入したのが数年前。

そこからです。電子書籍にドハマりしたのは。

今でも紙の本は読みますが、小説、マンガを問わず、購入する書籍の大部分はキンドルで買っています
 
 
そんな私がふと思い立ってアンケートを取ってみた結果がこれ。



・Kindleメインで本やマンガを読む:37%
・Kindleと紙の本を半々くらい:33%
・使ったことはあるが馴染めず紙に戻った:09%
・Kindleを使ったことがない:21%

と、正直想定よりもKindleユーザーが多かったのが意外でしたが、まあデバイスに親和性の高いTwitterユーザーだからというのもあるのかもしれません。

上の結果をそのまま見てもおよそ2割の方が「Kindleを一度も使ったことがない」と回答しています
 
 
そこで今回は「Kindleはいいぞ」とキンドルおじさんになってその魅力を改めて記事にしたいと思います。
 

 
 
<関連記事>
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電子書籍(キンドル)のメリット

電子書籍のメリット!」なんて言って今更ずらずら列挙しても、5,6年前ならいざ知らず、今見たら陳腐な内容になってしまいそうなのでそこまで詳しくは掘り下げません笑

ただ、私が「コレはいいな」と身を持って実感したことを2つだけ挙げたいと思います。
 
 
 

シーンを選ばず読める

実は私、Kindleを推しているくせに、Kindle専用機は使ってないんですよ。

安かったのでKindle Paperwhiteを買ったは買ったんです、

しかしながらモノグサな私は、「本を読むための端末を持ち歩く」という煩雑さに耐えられなかったため、結局実家の納戸の奥でお眠りになっています。
 
 
ではどうしているかというと、Kindleのスマホ(iPhone)アプリで読んでいます

意外と知らない人もいるんじゃないかと思うんですが、Kindleの本って専用端末がなくてもスマホアプリで読めるんですよ。

っていうかぶっちゃけた話、スマホかタブレットでいいです

Kindle専用端末って基本的に"Kindleを読む"ことに特化していてそれ以外のことはろくにできないし、その割に動作はもっさり気味だしでデメリットが多くて正直オススメできません。特にKindleでマンガを読みたいユーザはスマホや普通のタブレットの方が絶対いいと思います。

ほかのサイトでKindle専用端末がリンク付きで勧められてるの見るたびにそれ実際に自分で使ってみた上で本心から言ってる? アフィの利率がいいからでは? っていつも思いますもん
 
 
iPhoneの画面で? まともに読めんの? とお思いかもしれませんが、私個人の感想としては「めっちゃ快適に読めます」。
 
 
私が使っているのはiPhoneSE2なんですけど、思いつく良かったことを箇条書きにしますね。

文字サイズを細かく変更できる(目に優しい)

文字色、背景の色も変えられる(目に優しい)

しおり機能でどこまで読んだかセーブしておける(便利)

PC、スマホと端末を問わず本棚を共有できる(便利)

気に入った文にマーカーが引ける(あとでTwitterで使おう)

気に入った文をコピーもできる(あとでTwitterで使おう)

長時間読んでいても意外なほど電池が減らない(通信してないからかな)
 
 
このように、「スマホ読書」が大変捗る環境になっています。
 
 
「ほんとかなぁ~」と思ってくれたそこのアナタ、アプリはもちろん無料ですし、Kindleには無料本もあるので、試しに「スマホ読書」を体験してみてはいかがでしょうか?

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かさばらない

いわゆる「本の虫」な私は、実家も合わせるとたぶん10,000冊くらい蔵書があります。

生活の中、自販機でジュースを買う感覚で本を買います。
現在アパートに暮らしているため、帰りがけに本を買って棚に突っ込むということを日々繰り返していると、あっという間に本棚が埋まってしまうんですよね。

カラーボックスを横向きにして積み上げた本棚も現在五段まで来ており(それが二つあって壁を一面占領しています)、金具などで補強しているとはいえそろそろ地震などがあったら危ない高さです。

そんな状況で実感したのが「電子書籍は場所を取らない」ということです。

初めて購入してから既に数百冊のKindle本を購入していますが、当たり前ですが本棚が埋まることはありません

特に賃貸に暮らしている方やミニマリストな暮らしに憧れる方は大きなメリットではないでしょうか。
 
 
なお私はひとつ嘘を付きました。
「本棚が埋まることはありません」と書きましたが、めちゃくちゃハマった本当に好きな本は電子版を読んだ後で紙本も購入しています
 
 
 

即買って読める

ごめんなさい2つっていったけど書いてるうちに3つ目の良いところ思いつきました(このブログは校正無しです)。

それは買ってから到着を待ったり、時間指定したのになかなかヤマトさんが来なくてヤキモキしたりといったことを経ずに、読みたい時に即購入して即読める点です。

買った時は「これ読みてええ!」と思ってたのにいざ届いたら「なんでこれ買ったんだっけ?」となること、ありますよね? 無い?

Kindleなら購入時の高いモチベーションを保ったまま即内容を読むことができるため、妙なクールダウンをすることなしに作品が楽しめるというわけです。

 
 
 

電子書籍の規格

日本において、Kindle以外にも電子書籍のプラットフォームは複数存在します

実は私、物書きという職業柄(?)、電子書籍の規格の知識は人並み以上にあります。
 
そこでどんな違いがあるのか? 成り立ちは? など電子書籍の規格について簡単に解説したいと思います。そこそこ長いので興味のない方は読み飛ばしてください
 
 
さて、電子書籍の黎明期は、各社ごとにバラバラの規格やPDFなどが入り乱れ、書籍データの互換性が全くない状態でした。

この状態では電子書籍をリリースしていた会社が潰れたら、折角購入した電子書籍が全部読めなくなってしまう、という事態もありえます。
 
 
そこで将来に渡って互換性のある共通規格として策定が進められ、オープンな規格として現在最も広まっているのが「EPUB(イーパブ)」です。

EPUBは「Electronic Publication」の略で、XHTML(EPUB3ではHTML5)とCSS、各種画像データがパッケージ化されたものです。


共通規格として推進されているEPUBですが、しかし、現状大手の電子書籍プラットフォームの大部分は「EPUBファイルをそのまま使用している」わけではありません。

EPUBをベースとした独自ないし異なるフォーマットを用いている場合が多いのです。

例えばKindleリーダーではEPUBファイルをそのまま読み込みことすらできず、.mobi形式(など)に変換する必要があります。

また楽天Koboの場合も、kepub.epubという形式に変換されます。

その他、固定レイアウトや文字の回り込み対応の有無など、各社フォーマットが完璧に統一されているとは現状言い難い状況です。
 
 
とはいえ現状のプラットフォームの多くはベースにEPUBを用いているため、最悪「あの大手電子書籍プラットフォームが事業撤退!」なんてことになっても別のリーダーソフトで読めるように変換する救済措置は取れるんじゃないかと思っています。

しかしながら「スマホしか持ってないんですけど……」といった場合、データの変換ができない事態も同時に得るんじゃないかと思います。
 
 
そういう意味でも、圧倒的な商品数、リーダーソフトの性能、そして企業としての盤石さから、私は電子書籍を購入する際は基本的にKindleのみを利用しているのです。

(まあそうはいっても電子書籍プラットフォーム自体の淘汰はかなり進んできているため、現在まともに電子書籍販売事業を展開しているプラットフォームであればそうそう潰れることも無いとは思いますが)
 
 
 

Kindleのダメなところ

これも事細かに挙げていったらいっぱいありますね。
ソート機能が全然役に立たないこととか。

なによりも声を大にして言いたいデメリットは、iPhoneやiPadのAmazonアプリでは、直接Kindleの本を購入することができないことです。

これは紛うことなきクソ改善すべき仕様だと思うんですよね。Apple側の規約と何かバッティングするんでしょうか……。
 
 
もちろんiPhoneで購入ができないわけではありません。

面倒ですがSafariなどからAmazonのWEBサイトに行き、購入することでKindleアプリ側でも同期がされます。
 
 
 

Kindleはいいぞ

というわけでKindleを今更ゴリ押しする記事でした。いかがだったでしょうか?

たぶん「言われるまでもなく使ってる」っていう人もいるかと思うんですけど、この記事をきっかけに一度試してしばらく離れていた方とか、一度も使ったことのない方が「んじゃ、いっちょ試してみるかね」となってくれたらいいなと思います。

読もう読もうと思っていてようやく読んだ「よふかしのうた」がめちゃくちゃエモかったので我慢できずに久しぶりに記事を書きます

よふかしのうたを読んだ。ぼくは泣いた

「だがしかし」で一世を風靡したコトヤマ先生の新作「よふかしのうた」をようやく三巻まとめて読んだらいてもたってもいられなくなったので記事を書きます。

まず、読め。
いや読んでくださいほんとにこれは読んでほしい。

どんな話なんだぜ?

優等生の皮を被るのに疲れて不登校になっちゃった14歳の少年・コウ君が夜にコッソリ家を抜け出してみたら吸血鬼のヒロインと出会う話です。

こう書くと「なんだ前作とずいぶん毛色が違うじゃないか」と思われるかもしれませんが、ぼくは前作と今作の根底にある文脈は同じと言わないまでも似通っていると感じています。

すなわち、ボーイ・ミーツ・ガール、いやイノセントボーイ・ミーツ・ストレンジガールという構図です。

未熟な少年がちょっと変わった年上のヒロインと出会うことで物語が動き出す、という流れは共通していると思います。
 

【こちらもオススメ】
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どこがそんなによかったのか

これだけだとよくある「年上ヒロインもの」なんですけど、ぼくがこの作品に惹かれたのはずばりそのゴール設定にあります。

その手段は読んでほしいんですが、主人公の少年は、吸血鬼の眷属になることを目指すようになるんです。しがらみのない夜の世界の住民になることで、自由を手にしようとするのです。

もうこの時点でうーん、大好き、ってなりますよね?

彼の目標はいわば逃避です。

寿命に関する言及は三巻までにありませんでしたが、鏡に映らないというくだりから判断するに、一般的な吸血鬼の特徴を持っていると判断してもいいと思います。すなわち不老不死ないし人間よりも長命だと。

吸血鬼(の眷属)になった時点で、人間社会に溶け込むことはできても人間としての生をまっとうすることはできなくなるわけです。これはいわば駆け落ちエンドに近いんじゃないかと。

あらゆるしがらみを捨ててヒロインと自由な世界へ旅立つエンドは個人的に大好物でして、アドベンチャーゲームの水月の○○○○ルートとかカオスヘッドの○○ルートとかが切なくも幸せなラストで狂おしいほど惹かれるんです。
 

個人的な結末予想

上で駆け落ちエンドと書きましたが……正直この終わりにはならないんじゃないかと思っています。あくまで主人公の少年は人間のままでエンディングを迎えるんじゃないかと。

理由としては、自由な存在に思えた吸血鬼も彼女たちなりのしがらみがあることが示唆され始めたことがひとつ。

それともうひとつ、幼馴染の少女の存在です。
個人的なフェチなんですが、異性の""匂い""が好きなんですよ。匂いって異性を意識するきっかけになるし嗅ぐだけでこう……フフ、いろいろこみ上げてきますよね。

そんな匂いなんですが、主人公の少年が匂いについて言及する唯一のシーンが幼馴染と添い寝するシーンなんですよね。正確にはヒロインと幼馴染に挟まれて寝るシーンなんですけど、それ以前にもヒロインと添い寝するシーンはあってそこでは匂いについて触れられていないので彼は幼馴染の匂いに反応したと読んでいいと思います。恋愛、人を好きになることがよくわからないという主人公が、唯一「いい匂いがする」と感じたのが幼馴染の少女なわけです。これは無意識下で最も異性として感じているのが幼馴染の少女であるという伏線なんじゃないかなと。

ゆえに最終的に彼の横にいるのは幼馴染の少女である、とぼくは予想しています。

いやもちろん眷属エンドを希望していますが、そうはならなそうだなあと思いながら読むとより切なくエモい物語になりませんか?!
キャラクターの掛け合いとか主人公のピュアさとかで一見明るい印象なんですけども、叶わない未来までの短い時間の物語だって考えるとうわぁああにゃああああああ! ってなりません?!
 

まとめ

たぶん他の吸血鬼たちの誰か、あるいは何人かからベクトルを向けられたりみたいな展開もあるんじゃないかと思いますが、ラブコメヒロインダービーとしてみれば他の吸血鬼は物語装置の当て馬でしかないので、正ヒロインのナズナちゃんと幼馴染だけ意識していればいいかなと思います。

溢れてくる思いと脳内妄想を書き殴ったのでわけわからん文章になっちゃいましたがまあいつものことなので気にしない気にしない。

チェンソーマンのリゼのくだりとか最近の少年マンガはエモーショナルな展開が多くて良きですね。
「よふかしのうた」、めちゃくちゃおすすめです。


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無料で読める!オススメのネット小説ランキング!

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オススメのWEB小説ランキング!

今回は、無料で読めるオススメのネット小説をランキング形式でご紹介したいと思います!

WEB小説、ネット小説、オンライン小説……言い方は色々ありますが、乱暴に言えば要はネットで読める小説のことです。

ネット小説の良いところはなんと言っても、そのほとんどが無料で読めるところです。
スマホやタブレットで読めるから、空き時間とかにサクッと楽しめる点も◎!
 
 
ネット小説サイトはブックマーク(しおり)機能とか本棚機能とか充実していて、有料電子書籍プラットフォームと比べても、操作性の面ではそこまで差がないと思うんですよね!

さらに人気の作品はバンバン書籍化やメディアミックスもされるので、(ジャンルにもよりますが)面白さ、クオリティ的にもかなり質の高い作品が多いです

文章の体裁や質やらは流石にプロのライトノベルのほうが水準は上ですが、「面白さ」という点で見るなら、ネット小説は書籍化作品に全く引けを取らないと思います。連載を追いかける楽しさみたいなものも味わえますしね。
 
 
そんなネット小説ですが、やっぱりプラットフォームとしてはダントツの人気を誇る「小説家になろう」、それから数年前に立ち上がったKADOKAWA&はてな主導の「カクヨム」。

ネット小説界のトップを走るこの2サイトから、ジャンルも長さもバラバラ、私の独断と偏見で作ったランキング形式で面白かった小説を発表したいと思います!

 

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第12位「魔法? そんなことより筋肉だ!」

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森の奥深くで人知れず暮らしていた少年、ユーリ。
彼は鍛えぬいたその肉体によって、ほとんどの魔法を受け付けないという特殊な体質を持っていた。
そんなユーリの元に、ある日美少女エルフのフィーリアが迷い込んでくる。
まだ見ぬ外の世界に惹かれたユーリは、フィーリアと共に外の世界へと飛び出すのだった。

「ユーリさんって何か魔法使えるんですか?」
「使えるぞ。筋肉魔法だ」
「……何ですか、それ?」
「魔力の代わりに筋肉を使って放つ究極の魔法だ」
「それは魔法じゃなくてただの力技です」

これは筋肉を極めた一人の男が、絶世の美女であるエルフと共に世界を回るお話。
 
 
紹介文より引用

剣と魔法のファンタジー世界なのに、主人公のユーリには全く魔法の才能がありません。
しかし、彼は素晴らしいものを持っていました。そう……筋肉です。

なお、彼自身は魔法──独自に編み出した「筋肉魔法」が使えると言い張ります

たとえば、パンチ超高速で繰り出すことで空気との摩擦で拳が燃え上がる「火属性の筋肉魔法」など。
そうです。ムチャクチャなギャグです。だがそれがいい。

これと通ずるものが作品です。
https://obake.cc/entry/muscleobake.cc

みんなも筋肉を鍛えて筋肉魔法を習得しよう!

 



 

第11位「浅草鬼嫁日記~あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。~」

kakuyomu.jp

 浅草に住み、浅草グルメをこよなく愛する女子高生、茨木真紀。
 人間のくせに日々あやかし関連の厄介ごとに首を突っ込んでは腕力で解決する彼女には、秘密があった。
 それは、真紀が前世の記憶を持っていること。
 そして、その前世は人間ではなく、平安時代にその名を轟かせた鬼の姫――"茨木童子"だということ。
 前世で「夫」だった"酒呑童子"の生まれ変わりである同級生・天酒馨を引き連れ、ブラックバイトに苦しむ手鞠河童や老舗そば屋を営む豆狸の一家など、悩めるあやかしたちのために「最強の鬼嫁」は今日も浅草の街を駆け回る!
 
 
紹介文より引用

現代社会に生きるあやかしたちを、前世があの茨木童子だという女子高生・茨木真紀の視点から描いた作品。
ジャンルとしてはラブコメ×ほのぼの日常コメディがベースでしょうか。

設定の破綻もなく、文章は読みやすく、キャラクターも活き活きと魅力的です。
あらすじにピンときたらぜひぜひ読んでみて!

書籍化済みです。

 
なおこの作品は当記事唯一の癒やしポイントです。ここから先は地獄だ、覚悟しろ……。
 
 

第10位「ブラックホール・ブラックアウト」

kakuyomu.jp

「最初の1体」は、2016年6月、
南米ブラジル北東部のアマゾン川流域都市・マナウスで見つかった。
死傷者527名――CNNのインタビューに応じた、顔面に重傷を負った生存者はこう語った。
『二本足で立ってること以外は、人間とは似ても似つかなかった。「それ」は突然人びとを殺し始めた。あれは悪魔だ。「ディアーボ」だ』
 
 
紹介文より引用

突如現れた「ディアーボ」という存在に、人類はまるで紙切れを引き裂くように殺されていく。

エグい・グロい描写も多く、残酷描写が苦手な方、お食事を控えている方にはおすすめできませんが、読み手を引きつける力のある文章で先を読む手が止まらなくなります。
人類に対して圧倒的な強者の出現。パニックホラーものかと思いきや物語は思わぬ方向に展開していきます。おすすめ。
 
 

第9位「コンビニで夜勤バイトを始めまして。」

kakuyomu.jp

『新人はもれなく一週間前後で消えていく』。

時給に釣られ、25歳フリーターの袴田さんが勤めることになったのは、自殺の名所のど真ん中に建つ、いわく付きのコンビニでした……。


コンビニ店員VS心霊現象。
 
 
紹介文より引用

心霊現象の中心となったコンビニを舞台に展開する連作短編集。
『新人はもれなく一週間前後で消えていく』と言われる曰くつきのコンビニ。
心霊現象はもちろん、そんなコンビニで働く人たちは一癖も二癖もあり……?

書籍化している作品です。
 

 
ひとつひとつの話は短いので少しずつサクサク読めます。ホラー好きにおすすめ!
 
 

第8位「狩人と奴隷少女の日本”ゾンビ”列島紀行」

URL: https://ncode.syosetu.com/n7777do/ncode.syosetu.com

 ヒト寄生型ゾンビ・ファンガスと共生する新生命体――NPC(New Pollution Carrer )の大発生と、その後に起こった南海トラフ大地震の影響で荒廃した日本列島を、NPC狩人の黒神武雄(くろかみたけお)と奴隷少女の新宮りさ(にいみやりさ)ちゃんが、硝煙と埃にまみれながら旅します。
 
 
紹介文より引用

いわゆるゾンビウイルスにより日本の文明が崩壊し、人々はかつての都市部に障壁を築いて暮らしています。
元々は車の販売員をしていた主人公は、ゾンビを狩ったり障壁の外を調査したりして報酬を得る「狩人(ハンター)」としてパンデミックから何年も生き残っています。

ゾンビの襲撃を受けたり、倒したり、人間同士の軋轢があったりといった「ゾンビもの」のお約束から遠く外れていることはそうそう無いのですが、何しろゾンビが現れて年単位の経過した世界なので、ある意味ゾンビがいることが「当たり前」の世界なので、その対応手段もより洗練されています。ショッピングモールに立てこもって工作機械で戦うようなことはせず、基本的に「近づかれたら終わり」と銃火器で戦闘を行います。

主人公がサイコパス気味なこと、人間の汚い面を臆さずバンバン描くことからメディアミックスはかなり厳しそうですが、文章にはグイグイ読ませてくる力があります
エログロなシーンも少なくないので苦手な方にはちょっと厳しいかもしれませんが、耐性のある方にはめちゃくちゃおすすめです。
 
 

第7位「即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。」

URL: https://ncode.syosetu.com/n5691dd/ncode.syosetu.com

成長チート? 無限の魔力? 全属性使用可能? そんなもの即死能力で一撃ですが?
本当に最強なら、戦いにすらならない! 全ての敵が即死する、超お気楽異世界召喚コメディ!

修学旅行中の高校生、高遠夜霧が目覚めると、乗っているバスがドラゴンに襲われていた。
バスに残っているのは夜霧と、パニックになっている美少女、壇ノ浦知千佳だけ。
どうやら異世界に来てしまったようで、わけのわからないままいきなり危機的状況に陥った夜霧。
だが夜霧は、この世界の基準では計れないほどの力、《即死能力》を持っていた!
 
 
紹介文より引用

やや異色の異世界転生モノです。

序盤はクラスごと異世界に転移させられる、今ではありがちとなった設定ですが、主人公はありがちではありません。
主人公の高遠夜霧は「死ねと思った相手が死ぬ」能力を持っており、即死能力には自動迎撃機能まで付いている文字通り「最強」です。

派手な演出も、詠唱も必要なく、ただただ並みいる強豪たちが即死していきます。バトルすらしないので俺TUEEEEEEEともちょっと違った不思議な感じです。
話の造りは、
・こんなやつどうやって倒すんだよ……と絶望するレベルの強敵が出てくる

・即死チートで死ぬ
この繰り返しです(笑)

設定こそ違いますが、「ワンパンマン」の感覚に近いかも。

書籍化&コミカライズ済み。
普通の異世界転生モノに疲れたあなたにオススメ。

 
 

第6位「13月の解放区」

URL: https://ncode.syosetu.com/n8156ce/ncode.syosetu.com

13月32日、世界はあまりにも小さい。

奇妙な地下施設で集団生活を余儀なくされている70名の少年少女たち。
誰も気がつかないうちに一人の少年が消えた。その消息を追ううちに、少年たちは施設の闇と、不可解な謎に直面する。
崩壊しつつある秩序、法外の法の下――ある者は暴力に走り、ある者は新世界の創造を始め、そしてある者は外世界への脱走を企てる。
 
 
紹介文より引用

 
現在も連載中です。ジャンルとしてはパニックホラーになるのでしょうか。
 
 
宗教団体が運営する地下施設で集団生活を送っている少年少女たち。

施設に隠された闇、散りばめられた謎、次第に集団は狂気にとらわれていく。

それらに呼応するように変化を余儀なくされる主人公たち。
 
 
詩的な描写、怒涛の展開、華麗な伏線回収と、読み物として非常にレベルが高いです。

作者は、当ブログで何度もご紹介しているブログ「オカルト・クロニクル」を運営している松閣オルタ氏(PNは"まつかく"表記)です。

「オカクロ」はその緻密な調査と軽妙洒脱な文章から非常にファンの多いブログで、彼が書いていると知ったときはその面白さ、質の高さにも納得でした。
 
 
暴力や性描写などややエグめ(R-15くらい)もちょいちょいありますが、意味もなく暴力を肯定するような内容ではありません。

ぜひご一読いただきたい作品です。
 
 

第5位「名前のない怪物」

URL: https://ncode.syosetu.com/n8809bk/

僕はその怪物に恐怖し、魅了され、そして捕らえられた――。
 
深夜。部屋に響く物音で目を覚ました僕は恐ろしい〝脚〟に遭遇する。以来、姿を見せずに部屋で存在だけを主張するそいつは、まるで包囲網でも敷くかのように日常を侵食し、遂に僕の目の前に姿を現した。その正体は、あまりにも美しい、『名前のない怪物』だった。必死な抵抗も虚しく、怪物の手に堕ちていく僕。逃げることも逆らうことも叶わず、訝しむ恋人や友人から隠れ潜むかのように、僕と怪物の奇妙な生活が幕を開けた。静かに、人としての感覚が死んでいく僕。崩れていく日常。その先に待つものを知った時、僕は大きな選択を迫られる。
恐怖と謎とエロスが融合した、サスペンスホラー。
絡み付く糸から、「僕」は逃げられるか?
 
 
紹介文より引用

怪物の特性を活かした「テラフォーマーズ」みたいな能力バトルモノっぽくなっていくんですが、戦闘がめちゃくちゃ熱いんですよ。
特に続章の蜂篇はその描写に鬼気迫るものがあり、バトルモノのラノベというざっくりした括りでみても個人的に歴代トップクラスです。

また登場キャラクターがかなり多いのですが準レギュラークラス以上はかなり過去や人物が掘り下げられ「使い捨て」感がありません。

グロいのが大丈夫、バトルモノが好きという方には激推しです。

 
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第4位「渡リ烏のオカルト日誌」

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「私、メリーさん。今、貴方の隣にいるの」

大学入試で都会へ出てきた男子高校生、滝沢辰は、そこで自らを都市伝説の一角だと名乗る、風変わりながら美しい、女学生に出会う。
互いに言い様のない親近感を覚えていた矢先、二人は奇妙な怪現象に巻き込まれることとなり、人知れず奔走するのだが……。
「きっとあれは運命だったのよ」自称都市伝説の女は、夢見がちに語り。
「奇妙な縁だった事は認めるよ」男はそう言って、照れ臭げに肩を竦める。
 
なんやかんやで同じ大学に進学した二人は、その時の体験や自分達の〝特異体質〟の事情を切っ掛けに、趣味も兼ねたサークルを立ち上げた。
『渡リ烏倶楽部』
それは、幽霊やその他、この世に存在するありとあらゆる怪異や謎。超常現象。都市伝説に触れて回るオカルト研究サークル。
この物語は、そんな幽霊が視える二人の出会いから始まった、摩訶不思議な怪奇譚目録である。
 
時に恐怖に震え、時に心踊らせながら、友達以上恋人未満の二人が今日も行く――。
 
 
紹介文より引用

第5位の「名前のない怪物」と同じ作者さんによる作品です。

霊感を持ってる男子大学生の主人公が、同じく霊感を持つハーフ美女の同級生とサークル「渡リ烏倶楽部」を結成し、色々な事件に出会う……という話。

こちらの記事(↓)でも解説してますが、マジで面白いです。青春オカルト活劇的な話が好みの方にはドンピシャかも。大学生×オカルトというと大人気作品「ホーンテッド・キャンパス」を連想しそうですが、どっちも読んだ上で私はこちらのほうが好みです

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世界観を共有しているので「名前のない怪物」と登場人物が時折相互に登場し合うのがアツいです。
 
 

第3位「武士は食わねど高楊枝」

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もうね、めっちゃくちゃおもしろいから読んで。

かなり鬱展開ですがハマる人はドハマリすると思います。

面白すぎて個別記事書いたレベルです。
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ぜひご一読を。
 
 

第2位「幻想再帰のアリュージョニスト」

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 異世界転生保険とは契約者本人を受取人として、保険量(インシュランス・クオンタム)である新たな人生を給付する制度である。無事支払い条件を満たしていたのはいいが、新たな世界で目を覚ますと何やら開幕から左手を怪物に食い千切られているという大惨事。おまけに原因不明のトラブルで言葉も通じないわ、現代日本の技術を異世界に持ち込んでしまうわで第二の人生は開始早々に前途多難。戦わなければ生き残れない仄暗い迷宮で、片腕を失った男は現代日本の技術を駆使して戦うことを決意する。現代日本の技術――すなわち、サイバネティクスの粋を集めた、機械義肢とサイバーカラテを。
 
 
紹介文より引用

 
半ばカルト的なファンが多数いる奇作。

もうね、これを読まずしてなろう小説は語れないといっていいレベルです(私調べ)。
 
 
膨大な文章量と世界設定、目まぐるしく強引にしかし辻褄を無理やりつなぎ合わせた展開、そしてサイバーカラテ。

情報の洪水に溺れながらもしかし、読み手はきっと作品に込められた「」を痛いほど感じるはずです。

会話文主体の軽い文章を中心に読んでいる人にはツラいかもしれません。しかし、一人でも多くの方にこの作品の熱を体感してほしいと願ってやみません。
 
 
<さらに詳しく>
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第1位「リビルドワールド」

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 命賭けで足を踏み入れた旧世界の遺跡で、少年は全裸でたたずむ奇妙な美女と出会った。
 スラム街から這い上がるためにハンターとなった少年の名はアキラ。アキラにしか見えない非現実的な美貌と、誰にも触れられない魅惑的な肉体を持つ、得体の知れない美女の名はアルファ。
 アルファは真意など欠片も見せない微笑みでアキラに依頼を持ちかけて、アキラはハンターとして成り上がるためにその依頼を引き受けた。
 2人の契約が成立したその時から、アキラとアルファの数奇なハンター稼業が始まった。

 科学文明崩壊後再構築世界
 少年ハンターと奇妙な美女の東部ハンター稼業録
 
 
紹介文より引用


はい優勝。優勝です。

何を書いてもネタバレになりそうなので、気になるキーワードだけ置いておきます。

ロストワールド×スチームパンク×ハンターもの(×おねショタ)

旧世界(旧文明)成り上がり賞金稼ぎ謎の美女世界の謎……

もうね、面白くないわけないでしょこれ。
 
 
今まで好きになった作品は、

面白い・超面白い・面白い・うおおおおおお!!!!……

とある種の「波」があったんです。
 
 
しかし『リビルドワールド』は、

超面白い・超面白い・ハチャメチャに面白い・超面白い・超面白い・ぬわああああああああ!!!!!!……

と、常時面白さメーターが振り切れた状態なんですね(語彙)
 
 
私が勝手に一人で面白いと喚いているわけではありません。

本作は『電撃《新文芸》スタートアップコンテスト』で、応募総数2,429作品の頂点である《大賞》に輝いています。

dengekionline.com


ソードアート・オンライン』『魔法科高校の劣等生』と、ネット発の大ヒット作品を手がけた電撃文庫の目に留まった作品というわけ。これはとんでもないことですよ……!

書籍化とコミカライズが同時進行しているそうで、近い未来が実に楽しみです。
この部分を書いた(2019/3/20)一年後には誰もが知る作品になっているかもしれません。
 
 
2019/5/8追記

ついに電撃文庫から発売されます!!!!

 
  

殿堂入り「玉葱とクラリオン」

URL: https://ncode.syosetu.com/n0632db/ncode.syosetu.com
 

 ソシャゲで遊んでたら異世界に迷い込んでいた青年、但馬波留。剣と魔法が支配するゲームみたいな世界に困惑しつつも、現代人の知識を頼りに立身出世しようと目論むが……そこはかつて勇者が君臨していた内政チート国家だった。
 空腹は満たされ清潔な衣服を纏う人々。経済的に町は潤い鉄筋コンクリートの家が建ち並ぶ。生半可な知識は通用せず、ろくな職にもつけず埋没する彼は、生き残りをかけた起死回生の策に打って出た。
「他ならぬあなただけに、特別なお話があるんです。いえいえ、怪しくなんかありません。私の故郷ではねずみ講と言うのですが……」
 これは詐欺師と蔑まれ、後にソープ王と呼ばれた男の異世界サクセスストーリー。
 
 
紹介文より引用


リビルドワールドが優勝ならこの作品は殿堂入りです。

上のツイートだけで私のドハマリっぷりがわかると思います。
小説家になろうで「記憶を消してもう一度楽しみたい」と思った作品はこれが初めてです。

ゲラゲラ笑って、ほ~ぉと感心して、手に汗握って、鳥肌が立って、ボロッボロ泣いて、これ以上ないほどに感情を揺さぶられました。
ぜひ、先入観なしに読んでいただきたい作品なのであまり内容に突っ込んだ紹介はしたくないのですが、ひとつだけいいます。

紹介文は詐欺です。

 
  

おすすめのネット小説 まとめ

「筋肉」「心霊」「即死」「ゾンビ」「グロ」と蓋を開けてみたら私の性癖好みが露呈する結果となりましたね(ニッコリ)。

大丈夫!めちゃくちゃ偏ったランキングである自覚はあります!

でも好きな人は好きだと思うな!
上記のキーワードにビビっと来たそこのアナタ、ぜひぜひ読んでみてね!!!
 
 
ジャンルもそうですけど、ネット小説それ自体「食わず嫌い」な人もいるんじゃないでしょうか?

実は(?)私自身、四大の文学部を卒業しており、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰に芥川、吉本ばななに村上春樹といった国内純文学や、プルースト、サリンジャー、フィッツジェラルドにガルシア・マルケスといった海外文学まで雑多・多種多様な作品に手を出しています。
 
それでもラノベやネット小説を「下に」見たことはありません!!
 
表現技法、時代背景、思想、哲学、コンテクストと、いわゆる文学作品には「物語(ストーリー)」の枠を超えた拡がりがあり、そこがまた興味深いところでもあると思います。

しかしながら物語展開に比重を置いたエンタメ作品やライトノベル、ネット小説が「劣る」存在であるかといえば、全くそんなことは無いと思うんですよね。
 
 
何を重視し、込められているかが異なるだけで、優劣をつけるようなものではないと私は思っています。
なにより、面白いものは面白いですからね。

また、商業的にあまり売れそうにないジャンルやストーリー展開でも、編集さんからのテコ入れがないのがネット小説の良いところです。(総合ランキング入りを目指す場合はまた話は変わってきますが、)作者さんが「自分の書きたい話を売上に左右されずに書ける」点がネット小説の一番魅力的な点かもしれません。
 
 
「食わず嫌い」の方もぜひ一度偏見を捨てて、WEB上のエンターテイメント作品に触れてみてくれたら良いなと思います!
 
 

 

「瑠璃宮夢幻古物店」が面白い!

瑠璃宮夢幻古物店

今回は「瑠璃宮夢幻古物店」という漫画をご紹介します。

ジャンルはホラー×サスペンス。全七巻で完結済みです。

CLAMPの『XXXHOLiC』や「世にも奇妙な物語」が好きな方はきっとハマるはず!
 

 
【こちらもオススメ】
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瑠璃宮夢幻古物店のあらすじ&見どころ

 

美人店主・瑠璃宮真央が営む、静かな住宅街の片隅にひっそりと佇む古物店。近代物から古作まで幅広く取り扱うその店にやってくるのは、地味で冴えない女、愛妻を亡くした男、友達が出来ない少女…。呼応するかのように品物を手にしては店を後にする。しかし、その古物たちの取り扱いには十分な注意が必要だった…。奇妙な力を秘めた古物を手にした客達が向かうのは、天国か地獄か。謎の美女と古物が誘うホラーサスペンスストーリー。
 
Amazon 商品紹介より

 
 
瑠璃宮夢幻古物店」の主人公は、ミステリアスな美女・瑠璃宮真央。彼女は閑静な住宅街の片隅にひっそりと佇む古物店を営んでいます。

瑠璃宮が管理する古物には、不思議な力を持った物が多く、所有者の使い方次第で幸福にも不幸にもなってしまいます。
 
 
手にした者の心を映す鏡、記憶を掘り起こすシャベル、絆や縁を切ることができるハサミ、不快な思いを吹き飛ばす扇子、相傘した相手と必ず別れることができる傘……。
 
瑠璃宮は古物を受けとったお客さんに、そういった効果があることをはっきりとは伝えません。

こういうことしてはいけませんよ」という忠告をするだけです。

その忠告を素直に聞いていれば古物の力は所有者を良い方向に導いていくでしょうが、聞かなかった人やアクシデントでしてはいけないことをしてしまった場合、人が物に振り回されたあげく思いもよらない結果になってしまうのがこの漫画の醍醐味です。

個別の話の結末はバッドエンドが多く、人によっては後味が悪いものとなっていますが、ここで終わりではありません。そうなってしまった人たちが再登場し報わる話もあります。

1話完結に見えますが、点在しているストーリーが繋がり一つの物語になっているのです。
 
 
また瑠璃宮の弟子となった少女・要は1話から登場していますが、彼女が古物の影響で変貌してしまった家族を支えながら瑠璃宮のもとで働き、古物商を通して人と交流する機会が多くなるにつれて彼女自身がこれからの人生をどう歩むのか……その様を見届けるのも作品の見どころです。
 
 
さて、不思議な古物は瑠璃宮のお店以外にも存在しています。

「古物を手にした途端、周りの人たちが変わった」、「いわくつきの遺品があって引き取ってほしい」、そんな悩みを持つお客さんの相談を受けるのも瑠璃宮の仕事です。

そして原因が古物にあった場合、所有者から許可がでれば瑠璃宮が回収する……。この「不思議な古物を回収する」ことこそが瑠璃宮の真の目的です。

なぜ不思議な古物を回収するのか。

それはとある人物が多数の古物を製作したことにあるのですが、瑠璃宮の過去に大きく関わっていますので、この辺はぜひお読みになってご確認下さい。
 
 

雑感など~まとめ

古物によって抱えてた悩みを解消して健やかな生を終えた話もいれば、悲惨な結末へとなってしまった話もいます。

店主・瑠璃宮のスタンスはよく言えば不干渉で見守る、悪く言えば放置です。

古物商の瑠璃宮を中心に、彼女が売る古物が人にどのように影響するのかを見ているのがとても楽しみでした。
 
 
道具そのものは悪くなく、所有者次第でどうにでもなるので人の心が試される感覚と、道具に流されるままにいってしまう人の弱さ、また道具を自分の為だけに使い他者を陥れる人の怖さも相まって、「人間はこの世で最も恐ろしい」と言われるのもうなずけます。
 
 
人は常に物、道具とともにあります。

道具は私たちの生活に必要だから作られ、所有者が亡くなっても、道具は他の人に渡り役に立つでしょう。

作品に出てくる古物たちは、人によっては良いようにも悪いようにも出来ます。

危ない目に遭わないよう壊してしまおうとする人が登場しますが、しかし瑠璃宮は「自分が管理する」と破壊を止めます。

瑠璃宮の信条は道具を壊さないことなのです。
 
 
それが意味することは何か。そして瑠璃宮の正体は。それはぜひその目で確かめてみて下さい。

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【感想】「かぐや様は告らせたい」が面白い

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画像:原作公式サイト(youngjump.jp/kaguyasama/)より

「かぐや様は告らせたい」が面白い

2019年1月より毎日放送、TOKYO MXほかにてTVアニメが放送開始した「かぐや様は告らせたい」。

アニメ化のおかげで名前を見かけたことのある人も多いんじゃないでしょうか。
 
 
原作の漫画は、シリーズ累計発行部数は2019年1月の時点で400万部を突破している、週刊ヤングジャンプの大人気作品です。

この原作を、今更ながら既刊分一気読みしたんですが、ドチャクソ面白かったので記事にしようと思いました。ほんと、「どうして今まで読んでなかったんだ……」と後悔するレベルの面白さです。
 

 

「かぐや様は告らせたい」あらすじ

家柄も人柄も良し!!
将来を期待された秀才が集う秀知院学園!!
その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐや会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…
何もないまま半年が経過!!
プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、
”如何に相手に告白させるか”
ばかりを考えるようになってしまった!?
恋愛は成就するまでが楽しい!!
新感覚”頭脳戦”ラブコメ、開戦!!
 
TVアニメ公式サイトより

これだけ見た諸兄は「ほう……ラブコメで頭脳戦、ね」と思うかもしれません。

ただ個人的に、「○○ゲーム」みたいなやつあんまり好きじゃないんですよね……。読んでると疲れちゃうというか……。

「かぐや様」も色々なところであらすじを見かけた限り、恋愛をテーマにした頭脳バトルみたいな作品だと思っていたのでちょっと敬遠していたのですが、蓋を開けてみたら全くそんなことありませんでした。

むしろ登場人物全員ポンコツでした。~天才たちの恋愛頭脳戦~とはなんだったのか。
 
 
確かに主人公二人、かぐや様と白銀会長との駆け引きらしきものはあります。ありますっていうかそれがメインまであります。

しかしながら両者とも発想が異常者ぶっ飛びすぎていて、見ている方にとっては完全にギャグです。

そう、「かぐや様は告らせたい」はギャグマンガ+ラブコメもあるよ(小声)だったのです!
 
 

ざっくりと舞台&キャラ紹介

舞台となるのは政治家や大企業、有名人の子息が多数在籍する由緒ある学校・秀知院(しゅうちいん)学園。だいたい学○院みたいなものだと思ってくれれば大丈夫です。
 
 
主人公でありヒロイン・かぐや様は総資産200兆円という小学生が考えたみたいなぶっ壊れた資産をもつ財閥の総裁の長女、正真正銘の箱入り令嬢です。
 

 
オールラウンダー的天才で、だいたい何でもハイレベルでこなします。ただし箱入りゆえにシネコンの座席指定を知らなかったりとかなり世間知らずな面もあります。

ナチュラルに人を見下す性格ですが実際はわりと心優しいです。あと白銀会長のことがめちゃくちゃ好き
 
 
一方もうひとりの主人公である白銀御行(みゆき)会長は、一般人でありながら学力特待生として秀知院に入学、生徒会長にまで上り詰めた努力の人です。
 

 
睡眠時間を削りながら一日10時間の勉強により学力においては現在不動の一位。かぐや様でさえその牙城を崩せず二位に甘んじています。裕福とはいえない家庭ゆえバイトにも精を出しており、慢性的に足りない睡眠時間のせいで常に隈をたたえた目付きの悪い顔をしています。

見た目は怖いですがしかし、優等生として、秀知院の会長として相応しい行動を取ることに半ば無意識に執着しており、普通に接していれば無害かつ親切で頼りになる存在です。あと副会長であるかぐや様のことがめちゃくちゃ好き。そしてモンスター童貞。
 

 
……という感じで天然巨乳生徒会書記千花ちゃんとか全員紹介したいんですが、気力の都合で一人を除いて省略します。
 
 
私がどうしても紹介したい人物、それは作品には途中から登場する生徒会会計・石上くん(一番上の画像右上)です。

リア充を憎み、女子にビビり、他人の視線を遮るように前髪を伸ばし、常にヘッドホンと携帯ゲーム機を携えている典型的な陰キャのオタクです。

私はこの石上くんのことが大好きなんです。彼は元々ある事件がきっかけで引きこもり状態でしたが、PC(データ処理)スキルを買われ白銀会長にスカウトされました。

とはいえ会長と石上くんは主従関係のようなものではなく、男子の少ない生徒会の中で先輩後輩という関係を超え、半ば友人のように接しています。例えばある回では結果的に二人で水族館に行ったりとかなり仲は良いです。ほっこりする。

生徒会の中ではボケもツッコミもこなすオールラウンダーです。彼自身はガンガン地雷を踏んでいくボケのポテンシャルがかなりあるんですが、周囲にボケしかいないので結果的にツッコミに回ることも少なくないです。あと陰キャのオタクなのでかなり口が悪い

作者は石上くんを「裏主人公」と位置づけており、「かぐや様は告らせたい」という作品は、彼の成長物語とも読めるようになっています。
 
 

見どころ

見どころはなんといってもポンコツ二人+αの掛け合いギャグです。
 
特に会長がポンコツ過ぎて愛おしくなります。ほんとかわいい♡

謎の思考回路を持ってはいますが、序盤はなんとか体裁を保っている会長。
しかし物語が進むに連れて、バレーボール、校歌斉唱、そしてラップと、どんどん壊れていく様子は必見です。
 
 
しかし、この作品の魅力はギャグ一辺倒ではありません

もうひとつの見どころ、それは生徒会メンバーたちの男気です。

特に会長は、ここぞというところで男の私でも思わずトゥンク・・・///ときてしまうセリフを吐いてしっかりきめてくれます。そしてこっ恥ずかしいセリフを吐いてしまったことをあとから思い出してめちゃくちゃ悶絶します。かわいい。

また女性メンバーたちも、男気を見せてくれます。天才たちの面目躍如といわんばかりにたま~に見せられる男気にドギマギしちゃうこと間違いありません。
 
 

まとめ

異常者しか出てこないんじゃないかってレベルでその、こ、個性的なキャラが多数出てきますが、時にほっこりし、時に熱くなり、そして時にホロリとさせてくれる作品です。

ギャグメインのラブコメ作品でありながら、この「かぐや様は告らせたい」には圧倒的な青春感があります。読んだ人にはこの感覚、分かってもらえるんじゃないかと思います。
 
 
また、会長とかぐや様のラブコメとしてみても色々と障害は多いんですよね。

かたや平民、かたや資産200兆円の財閥の長女ですから「釣り合い」を考えるとかなり絶望的です。

かぐや様のお父さんはどうも厳しく冷徹だってのがちょろっと出てきているくらいで、二人の将来的な話はまだ作中で詳しく語られていませんが(付き合ってもいないのでそりゃそうなんですが)、終盤になるとこのあたりについても山場になるのかもしれません。
 
 
まあ最新刊(13巻)ラストではまた別の大問題が浮上しているのですが、それは読んでのお楽しみということで笑
 
 
というわけで「かぐや様は告らせたい」のご紹介でした! かなり面白いので未読の方はぜひぜひ!

 

「洒落怖」をテーマにした漫画「裏世界ピクニック」

「洒落怖」をテーマにした漫画「裏世界ピクニック」

洒落怖(死ぬほど洒落にならない程怖い話)」やネット上の怪談について幾度も記事にしている当ブログですが、そんな怪異譚をテーマにした「裏世界ピクニック」という作品が面白いです。
 

 

裏世界ピクニック あらすじ

 

仁科鳥子と出逢ったのは〈裏側〉で“あれ”を目にして死にかけていたときだった――その日を境に、くたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を探すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる――気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!
 
Amazon 商品紹介より

 
「裏世界ピクニック」は「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」といった、ネット上で有名な怪異譚・ネットロアが登場する冒険ものの作品です。

主人公が「裏側」「裏世界」と呼ぶ、時間も距離も歪んだ異世界の入り口は、現実世界のいたるところに隠れていました。

「裏世界」は、ネット上で語られる怪異が数多く潜む危険な場所です。
 
 
人付き合いが苦手で、自分だけの場所を欲していた女子大生の紙越空魚は、偶然見つけた入口から興味本位で「裏世界」に出入りしていました。

そんな空魚ですが、ある時危険な怪異に出くわしてしまい、あわや命を落としかけます。そこを別の入口から裏世界へと来ていた仁科鳥子に助けられます。

鳥子は大切な友人を探すために裏世界へ幾度も足を踏み入れているらしく、空魚はなし崩し的に鳥子と二人で裏世界探索を行うようになりますが……。
 
 
というのがざっくりとしたあらすじです。

原作は小説ですが、ガンガンコミックスから漫画版も出ています(私は漫画版から入りました)。
 
■小説版

 
■漫画版 
 
どちらもおすすめですが、原作小説の方だとちょっと何が起きているのか分かりづらい部分もあり……視覚的に楽しみたい方は漫画版のほうがおすすめです。
 
 

裏世界ピクニックのおすすめポイント

 
冒頭で引用したツイートにも書きましたが、「裏世界ピクニック」の魅力はネットロアを「単なるギミックとして出してみました~」というだけでなく、独自の解釈・考察がなされている点です。

一例としてこんな感じです。

裏世界ピクニック1
裏世界ピクニック2
画像:『裏世界ピクニック』一巻より

上記の「くねくね」と「八尺様」はともに水神・蛇神をモチーフとしている説は、長いこと洒落怖等に触れてきた私もなるほど思わされました。
このように面白い解釈が展開されることで、より「洒落怖」などが楽しめるようになる点もひとつの魅力です。
 
 
作中の「裏世界」という設定自体も、いわゆる「時空の歪み」系のネットロアをモチーフとしているようで、インターネット怪異譚を幅広くカバーしつつ、独自の解釈を交えながらも巧く一つの世界観に落とし込んでいる点は個人的に高く評価しています。
 
 
洒落怖などが好きな方はもちろんのこと、今まであまり触れてこなかった方でも楽しめる内容となっています。
 
 

裏世界ピクニック まとめ

 
「ピクニック」なんてタイトルからゆる~い探索モノかなと思われるかもしれませんが、実際は常に死と隣り合わせのかなりヤバい世界観です。

少女二人の百合っぽい絡みでややマイルドになっていますが、ホラー要素を求めている方は安心して下さい普通に怖いです。八尺様の回とか怖すぎて鳥肌が立ちました。
 
 
世界観や登場人物の過去に謎も多く、冒険・ホラー・ミステリー(それから百合)と様々な要素が絡み合った作品です。

気になった方はぜひぜひチェックしてみて下さい。
 
<関連記事>
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説明不可能なカオスギャグ「ディーふらぐ!」

ディーふらぐ!
画像:公式サイト より

説明不可能なカオスギャグ「ディーふらぐ!」

ディーふらぐ!」という漫画をご存知でしょうか。

2014年の冬にはアニメ化もしたので「名前は知ってる」という方も多いでしょう。

あとネットで有名なこれの元ネタです。

船堀
 
 
私はこの作品が「無人島に持っていく漫画を10……いや5作品選べ」と言われたら迷いなく入れるくらい大好きなんです。

※なお2019年現在も連載中のためこちら(↓)の記事には入れてません。
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大好きなんですが……カオスすぎて説明ができないんです……。

それでも今回は「ディーふらぐ!」の魅力をなんとか少しでも伝えられたらと思います。

たぶん普通の記事はキャラクター紹介とか属性についてとかで説明しようとすると思うんですけど、今回はあらすじの説明以外はしません。なので詳しいキャラ説明が欲しい方は公式サイトやWikipediaをお読み下さい。

それよりもこの作品の雰囲気やカオス感を伝えられるように頑張りたいと思います。

 

 

ディーふらぐ!のあらすじ

まずは、Wikipediaが一番わかりやすくまとまっていたので引用しますね。

 府上高校の小さな不良グループのリーダーとして少しだけ知られている風間堅次がひょんなことからゲーム製作部の部室を覗いてみると、その中では小火災が発生していた。中にいた部員たちとともに消火には成功するものの、彼女たちは堅次の記憶を奪って火災を隠蔽しようと目論み、彼を襲う。堅次は必死に逃げるが、部長・柴崎芦花に助けられたことをきっかけに同部へ入部する羽目になってしまう。
 このゲーム制作部の部員・顧問更には他の不良グループ等、性格に偏りがある者たちに囲まれ、その行動に迷惑を被りつつも、最も常識的な風間堅次は部活をそして学校生活を楽しく過ごしていく。
 
ディーふらぐ! - Wikipedia より

書いてあることは間違ってないんです。むしろ序盤の流れをよくまとめてくれているんですが……このあらすじだけを見て抱いた感想はおそらく全て裏切られます
 
 
たとえば、

「不良モノかな?」
→う~ん……不良モノではないかな……

「部活モノかな?」
→これを部活モノって言っちゃダメな気がする……

「じゃあなに!?」
わっかんないよぉ!!!!!!
 
 
あらすじはこんな感じです。
 
 
あっアニメ版のPVがありますのでどうぞ。

www.youtube.com
 
はい次行きましょ次。
 
 

ジャンル

この作品のジャンルとしてはなんだろう、カオスギャグ+ラブコメみたいな感じです。
 
 
基本的な話の流れとしては、ヒロインたち唐突に登場したモブ何かをキメているような異様なハイテンションでボケ倒すのを、主人公の風間くんがツッコミで捌き続けるというのがお決まりのパターンです(なんだこの漫画……)。
 
 
ちょっと何巻だったか忘れてしまったんですが、作者である春野友矢さんが編集さんにネームをダメ出しされた上、「部活モノ描こうよ!」と言われ「わかりました!(部活モノのフリしてわけのわからんやつ描いてやる……)」という流れがあったと巻末おまけマンガにありました。

だから、元々わけのわからん漫画として描かれているので、わけのわからん内容なのは当然なのです!(?)
 
 
ボーボボとかマサルさんみたいな不条理ギャグ……ともちょっと違うし、ハイテンションとはいえ浦安鉄筋家族や銀魂みたいな感じでもないし、ギャグマンガ日和……はギャグの雰囲気は若干近い気がするけどやっぱり似てるっていうほどでもないし……ごめんなさい似てる作品は思いつきませんでした。

だって突然我が物顔で登場したモブが流れを乗っ取っていきなり回想に入る作品なんて他にあるぅ!?
 
 
あと実は(?)バトル要素も結構あります。

不良数人の頭に一瞬で袋を被せて無力化したり、「鉱物を元にした人工物は土属性」と言い張ってロッカーや引っ剥がしたドアを武器にしたり、相撲部を吹き飛ばして壁にめり込ませるほどの張り手をみせたりと、作中人物たちは異様な戦闘力を持っています。主に女子が。今書いたのも全部女子。
 
不良として登場し、最初は学園をシメようとしていた主人公の風間くんですが、「そこそこ強い」くらいのレベルなので単純な戦闘力では人外相手に正直お話になりません。すぐ気絶させられて攫われるので「姫属性」とか言われちゃうくらい。
 
 

ディーふらぐ!の魅力

わけのわからん異様なテンションのギャグからのわけのわからん展開とキレッキレのツッコミがこの作品の魅力なんですが、それだけでは70%くらいです。

魅力の残り30%はラブコメ要素です。
 
 
スナック感覚でモブが追加されるので登場キャラクター数は異様に多いんですが(興味があればあとでWikipediaの記事を読んでみて下さい)、出てくる女性キャラがやたら可愛いんですよね。



んで好意の度合いには差がありますが、レギュラーキャラや準レギュラーキャラから主人公の風間くんはかなりモテます。本人は自覚してませんが。

特にゲーム制作部(仮)部長の芦花ちゃんと、本物のゲーム制作部の部長である高尾さんは2大ヒロインといって差し支えないでしょう。

先述のようなカオスなギャグの中にサブリミナルのようにラブコメ展開が差し込まれるので読んでいて脳がバグりそうになりますゲーム制作部だけに。
 
 
常にラブコメしているわけではない(わけのわからんギャグは常にしている)のですが、巻を追うごとに分量が増していきます。

なのでラブコメが好きな方にも大変おすすめできる……できるかな、やっぱギャグが合わないと無理かも……。おすすめできる作品です!
 
 

ディーふらぐ!まとめ

 
 
やっぱりわけのわからん記事になってしまった……。
 
 
でもわけのわからん作品だし紹介記事もわけのわからん内容になるのはある意味当然ですね(開き直り)(この記事だけで「わけのわからん」って10回くらい書いた気がする)。
 
 
ここまで読んで頂けた方は何となく分かるとは思いますが、「ディーふらぐ!」はかなり人を選ぶ作品です。

わけのわからなさや異様なノリを楽しめるか否かで好き嫌いがはっきり分かれると思います。

しかしながら、ハマる人はあの唯一無二の雰囲気にとことんハマるでしょう。

ちなみに実は130万部以上売れてる大ヒット作品です

読んだことのなかった方も、この作品に触れて、あわよくばハマってもらえたら嬉しいです!


「イジらないで、長瀞さん」に見る加虐/被虐嗜好と恋愛感情について

「イジらないで、長瀞さん」に見る加虐/被虐嗜好と恋愛感情について

私が大好きな、「イジらないで、長瀞さん」という漫画作品。

既に個別記事を書いているのですが(↓)、もうちょっと掘り下げたいというか色々書きたいことが溢れてきたので、リライトではなく別記事という形で投稿したいと思います。

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「理不尽暴力ヒロイン」について

さて突然ですが、「理不尽暴力ヒロイン」というキャラ属性をご存知でしょうか?

端的に表すとこんな感じです。

このヒロインは「他者、とりわけ主人公に対し特に理由なく、または他人に理解しがたい理由により暴力を振るうキャラクター」として扱われ、ツンデレやヤンデレの中の一類型としても見なされている。
 
Pixiv百科事典より

単に「鉄拳制裁」や「ツッコミ」の一形態として暴力を振るうヒロインはかなり昔から存在しました。エヴァのアスカとか。
 
 
この「理不尽暴力ヒロイン」とかつての「暴力ヒロイン」との違いは、読んで字のごとく、その理不尽さにあります。

たとえば「とらドラ!」の逢坂大河や「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の高坂桐乃など、相手に(大きな)非が無いのにも関わらず、暴力(言葉の暴力を含む)を振るうヒロインたちがこれにあたります。

彼女らの暴力の理由としては主に「照れ隠し」や「嫉妬」といった意味付けがされることが多い点をここで抑えておきます。
 
この属性は特に近年(と言っても「とらドラ!」は10年以上前の作品ですが……)になってから目立つようになりました。
 
 

ドSキャラについて

次に、心理的・物理的に相手を叩きのめすことに快感を覚える加虐性向を持ったキャラクター、いわゆる「ドSキャラ」です。

先述の「理不尽暴力ヒロイン」と似通っているように思えますが、照れ隠しや嫉妬ではなく、(意識的にせよ無意識にせよ)加虐行為そのものに快感を覚える点が異なっています。

こちらは「惡の華」の仲村さん、BLACK LAGOONのバラライカ、ローゼンメイデンの水銀燈といったキャラクターが挙げられるかと思います。
 
 

長瀞さんはどっち?

さて、ようやく本題ですが、「イジらないで、長瀞さん」のヒロイン長瀞さんは、「理不尽暴力ヒロイン」と「ドSキャラ」のどちらにあたるでしょうか? というのを取っ掛かりに考察していきたいと思います。
 
 
今まで述べてきたことを簡潔にまとめるとこうなります。
 

  • 理不尽暴力ヒロイン:嫉妬、照れ隠しから暴力を振るう
  • ドSキャラ:加虐行為が楽しい、気持ちいいから暴力を振るう
 
ここから判断すると長瀞さんは明らかに後者のように思えます。
 
 
序盤は特に「なんかナヨナヨしてキモい先輩がいるからオモチャにして遊ぼうw」という意図が透けて見えるようです。

キャラクター説明などにも「ドS」と書かれていますし、これはもうドSキャラで確定かな。ハイ終わり。

……としたいところですが、ちょっと待ってください。
 
 

独占欲について

長瀞さんの、先輩に対する「独占欲」が現れている場面があるんです。
 
一巻ではまだその兆候はあまり見られませんが、二巻あたりから多数確認できます。

特に、長瀞さんの友人たちが絡む際が顕著です。長瀞さんのように先輩をイジめようとした友人達を、長瀞さんが威嚇する場面が繰り返し展開されるのです。まるで「これは私のものだ」と言わんばかりに。
 
 
さて先程、「理不尽暴力ヒロイン」の要素としては暴力が嫉妬や照れ隠しに起因すると書きました。嫉妬とは即ち、独占欲からくるものでしょう。
 
 
即ち、長瀞さんは加虐行為そのものを楽しむ「ドSキャラ」であると同時に、「理不尽暴力ヒロイン」の要素も持ち合わせているのです。
 
 

長瀞さんは先輩に対して恋愛感情を抱いているのか?

さて、ここで当然気になるのが、果たして長瀞さんは先輩に対して「誰にも取られたくないオモチャ」以上の感情を持っているのか否か、という点です。
 
 
長瀞さんが顔を赤らめたり一人思い返して笑顔を見せたりするシーンから、一見、好意を持っているようには読み取れます

また、さらりとネタバレしますが、三巻ではひょんなことから長瀞さんが先輩を自宅へ招きます。

少なくとも生理的嫌悪感のある異性を親のいない自宅へと招いたりはしないでしょう(まあ「何か」あっても物理的な戦闘力に差がありすぎるので心配しないでいいというのもあるのかもしれませんが……)。
 
 
イジって(イジメて)いた歳上の異性が時折見せる男らしさや言動にドキッとして惹かれていき二人の距離が次第に縮まっていく……というのが素直で順当な読み方でしょう。もっとも、イジめる長瀞さんとイジめられる先輩、という構図は崩さないとは思いますが。
 
 
しかし。しかしですよ?

実は、長瀞さんは先輩に対して恋愛感情なんてこれっぽっちも、一ミリも持っておらず、単に「自分のオモチャ」としか思っていなかったらどうでしょうか?
 
 
最高じゃないですか?
 
 
「いやどうみてもこれお互い意識してるやろ」と思わせておいて、実は先輩が勝手に片思いしてるだけ。長瀞さんの「教育」によって想いが高まった先輩は、クライマックスでついに告白。すると長瀞さんは「キッモ。そういうんじゃないんで」と突き放す。そう、これこそが長瀞さんの計画だったのだ。ドMの素質のある相手を見つけ、教育し、自分へと好意を向けさせ、そして最後は突き放す。もう先輩は用済みとなり、長瀞さんは次の獲物を探し始める……。
 
 
では?
 
 
このマンガ、かなり人気のある作品です。

その理由としてはやはり、長瀞さんも実は先輩に好意を持っているんだよ~というのを匂わせているからでしょう。読者は長瀞さんの意地悪や暴力を彼女なりの愛情表現だと受け取っているわけです。勝手に。そんなこと一言も書いてないのに。

だから774先生、まだ間に合います。

これだけ人気の作品で、ここまでお膳立てしておいて、ちょっと歪んだ好意のカタチかなと思わせておいて、その実恋愛感情は一ミリも無いというパターンを見せてくれたなら。

この作品は間違いなく伝説と化すでしょう。
 
 
可能性が薄いのは分かっています。商業誌でそこまで攻めた展開は編集さん的にもGOサインは出しづらいでしょう。しかし、ここまでやってくれたら、我々のような者たちは最高に気持ちがいいのです。
 
 
……大変長くなってしまいましたが、このあたりで今回の結論をまとめたいと思います。
 
 

結論

 
私も長瀞さんにイジめられた~~~~い!